三大奇書の解説まとめ!『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』は読むと精神に異常をきたすという噂あり!

日本の推理小説・異端文学には「三大奇書」と呼ばれる本がある。『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』の3冊だ。奇書という言葉は本来「面白い、優れた書物」という意味だが、「三大奇書」には「奇抜な、幻惑的な」というニュアンスが含まれており、読むと精神に異常をきたすという噂まで存在する。ここでは「三大奇書」がどのようなものかを解説する。

小栗虫太郎は「怪物」として、その作品はあらゆるジャンルを超越して生き続けていくのであろう。

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冷静に読めば途中で犯人が分かることや、状況や動機の必然性・整合性の無さから、ミステリーとして破綻しているという批判を良く聞きますが、この本はそうした事を超越してしまっているように思います。

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『黒死館殺人事件』にもマンガ版があります。

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『黒死館殺人事件』 (まんがで読破)

この作品を漫画化する意味は...。しかし、早々と挫折した読者には、ストーリー自体を理解するという意味では良いのかも知れませんが、そもそも推理小説自体を超越した作品なので...。

このシリーズは数ある名作を漫画化していますが、ミステリで難解すぎて読めない作品はこの作品くらいでしょう。企画した編集者も挫折組みだったんじゃないかな(笑)。

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▼三大奇書③『 虚無への供物』

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『虚無への供物』

1964年に刊行された中井英夫の代表作。日本探偵小説史上の三大奇書と並び称される。推理小説でありながら推理小説であることを拒否する、アンチ・ミステリーの傑作とされる。1954年に青函航路で起こった転覆事故「洞爺丸事故」をきっかけに構想された。氷沼家を舞台として繰り広げられる奇妙な殺人事件と、居合わせた主人公たちが推理合戦を交わすが、滅茶苦茶な論理合戦の末、事態は益々混迷していく。ノックス、ヴァン・ダイン、江戸川乱歩の実在の小説を引用して推理を繰り広げる様は、推理というよりも冗談小説と理解された事もある。

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中井英夫 (塔 晶夫)

1922年東京生まれ。日本短歌社、角川書店の編集者として若い才能を世に出した。自身も小説を書き、1962年には未完の作品『虚無への供物』を江戸川乱歩賞に応募するが、次席に終わる。1964年には『虚無への供物』を完成させて長編小説に仕上げて「塔晶夫」名義で発表、アンチ・ミステリの傑作として高く評価される。その後も幻想小説や幻想譚を数多く発表した。

何よりもこの小説が特異なのは、推理小説そのものの構造を解体するような内容である点です。この小説が反推理小説(アンチミステリー)と呼ばれるのもそれ故なのです。

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マニア垂涎の本格ミステリでありながら、同時に "元祖アンチミステリ" かつ風変わりな幻想小説であり、また昭和30年代の貴重なドキュメントかと思うと、ある種の実験小説でもあるこの稀有な傑作を、これから読める人はなんと幸せでありましょーか。

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格調高い文章、幻惑的な雰囲気、人の心理まで利用した凝ったトリック、キャラクターの魅力など、惹かれるところはたくさんある本。最後に背筋が寒くなるところが個人的には一番惹かれた。

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「推理小説」(とりあえずこう呼ぼう)で、落ちやネタがわかっているにもかかわらず、もう一度プロローグにもどって読み返したくなる作品は稀有なことにちがいない。

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