放送作家の寺坂直毅の人となりを知ると紅白がもっと楽しくなる件
寺坂直毅(てらさかなおき)という放送作家がいるのをご存知でしょうか。『NHK紅白歌合戦』、『徹子の部屋』、デパートに関する膨大な知識を有しているというなんともマニアックな方です。紅白に関してはミニチュアのセットを自作したり、1974年以降の司会者・トリのコメントを全部暗記しているというツワモノ!この方のことを知れば、きっともっと紅白が楽しくなることは間違いないでしょう。ぜひチェックしてみてくださいね。
紅白歌合戦のセットのミニチュアを自作し、ここ40年ほどの司会者・トリのコメントを再現できる方がいるのをご存知ですか?
出典: ro69.jp
そんな寺坂さんが語る、紅白の名場面は…
第5位 吉川晃司 「にくまれそうなNEWフェイス」 (1985年 第36回)
~初出場の吉川がステージ上でシャンパンをぶちまけ、床がびしょびしょに。歌い終わった後は火をつけたギターに叩き壊すという過剰なパフォーマンスを敢行した。次に歌う河合奈保子は曲の出だしを歌えず。さらに、そのあとのシブガキ隊は「スシ食いねぇ」を歌っている最中にフックンこと布川が塗れた床に滑って転んだ。以後、吉川は十数年間、NHKを出入り禁止になる。
寺坂さん「(フックンを気遣う他の2人を見て)当時のシブガキ隊の絆を感じて家で酒を飲む」
第4位 中森明菜「十戒」、近藤真彦「ケジメなさい」、松田聖子「ロッキンルージュ」、郷ひろみ「二億四千万の瞳」 (1984年 第35回)
十戒を歌った中森がダンサーに捕らわれてしまう。それをマッチが助けて、ケジメなさいに突入。その後、中森&近藤、松田&郷でチークダンスを踊ったり、幕間で4人を並べ、紅組司会の森光子が中森に「中身のマッチはいかがですか?あら愚問でしたね」とイジった。
寺坂さん「当時の歌番組はどれだけ偉かったんだろうって(思った)」
第3位 森進一 「襟裳岬」 (1974年 第25回)
レコード大賞も獲得した森が初の大トリを務めた。ほかの出演歌手に囲まれ緊張した面持ちで一礼すると、ズボンのファスナー(社会の窓)が開いていることが分かった。間奏で気を利かせた橋幸夫らが森を取り囲んでファスナーを上げてあげた。
寺坂さん「歌がいいのでお酒も進む」
第2位 黒柳さんの司会 (1958年 第5回 1980年~1983年 第31~34回)
いろいろな試みを取り入れていることを評価。NHKの反対を押し切り、手話で司会をしたこともある。曲紹介でも、「曲」の紹介ではなく、「歌手」を伝えるエピソードを入れた。
第1位 都はるみ(司会、鈴木健二アナ) 「夫婦坂」「好きになった人」 (1984年 第35回 )
すでに「ふつうのおばさんに戻りたい」の名文句を残してこの紅白をもって芸能界を引退することをはるみは発表していた。大トリで出演し、夫婦坂を熱唱すると、客席からアンコールを求める歓声が上がった。ここで白組司会の鈴木が、紅白史、放送史に残るコメントを発する。
そのコメントは以下のリンクでご覧ください。
第35回NHK紅白歌合戦 - Wikipedia
ja.wikipedia.org
ちなみに寺坂さん自ら編集した「寺坂チョイス紅白名場面ベスト8」というDVDでのランキングはこちら
8位「細川たかし 浪花節だよ人生は…歌詞を思い切り間違える細川」
7位「森進一の災難 その1…昭和49年大トリでスボンのチャックが全開!」
6位「アッコのいい加減にせんかい!森光子…アッコの台詞を制して暴走する森光子」
5位「アグネス論争の原点!その時天地真理が取った行動とは!…アグネスVS天地(天地真理の表情に注目)」
4位「噂の4人が夢の競演&郷の意味不明な人生観コメント…うわさのカップル対決」 (筆者注:ちなみにマッチと明菜、郷と聖子)
3位「吉川晃司のテロ!NHK出入り禁止になった瞬間」
2位「森進一の災難 その2 白組司会鈴木健二 前に出すぎ」
1位「森進一の災難 その3 白組司会鈴木健二 エロすぎ」
紅白のナンバーワン司会は中居さん
中居さんは歌が終わった後に5秒くらい間をあけて「…素晴らしか ったですね」って言うようになった。それからだんだん変って来て、たぶんスタッフが「あぁ、そういうことなんだ」と気付かされたんじゃないでしょうかね。
~中略~
(中居さんは)局アナじゃない司会者の中ではナンバーワンだと思います。去年の大トリの曲紹介も、多分アドリブだと思うんですけど自分の感想を言った んですよ。「今年は本当に辛いことがあった人も多いと思いますけど、今日のこの時間だけは色んなことを忘れたんじゃないでしょうか。僕も心から楽しませてもらいました。さぁ、それではまいりましょう。第60回紅白歌合戦、大トリは『まつり』です」そんなふうに「自分も楽しめた」ということを言った司会者って過去一人もいなかったんですよ。ああ、時代が変わったなと思いました。紅白ってこんなにいい番組だったんだなって。
寺坂さんが自作した紅白ミニチュアはこちら
目次 - Contents
- そんな寺坂さんが語る、紅白の名場面は…
- 第5位 吉川晃司 「にくまれそうなNEWフェイス」 (1985年 第36回)
- 第4位 中森明菜「十戒」、近藤真彦「ケジメなさい」、松田聖子「ロッキンルージュ」、郷ひろみ「二億四千万の瞳」 (1984年 第35回)
- 第3位 森進一 「襟裳岬」 (1974年 第25回)
- 第2位 黒柳さんの司会 (1958年 第5回 1980年~1983年 第31~34回)
- 第1位 都はるみ(司会、鈴木健二アナ) 「夫婦坂」「好きになった人」 (1984年 第35回 )
- ちなみに寺坂さん自ら編集した「寺坂チョイス紅白名場面ベスト8」というDVDでのランキングはこちら
- 紅白のナンバーワン司会は中居さん
- 寺坂さんが自作した紅白ミニチュアはこちら
- 実は寺坂さんのすごさは紅白だけではない…!
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