学園アリス(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『学園アリス』とは、樋口橘によって2002年から2013年まで雑誌『花とゆめ』で連載された漫画作品である。NHKBS放送にて、2004年〜2005年にかけてアニメ放送も行われた。アリスという超能力を持った者しか入学できない『アリス学園』を舞台とした学園ファンタジーである。元気で裏表のない性格の蜜柑と冷静沈着な蛍を中心に学園が大きく変化していく様子が描かれている。

『学園アリス』の概要

『学園アリス』とは、樋口橘によって2002年から2013年まで雑誌『花とゆめ』で連載された漫画作品、およびそれを原作としたアニメ、ゲームなどのメディアミックス作品である。略して「学アリ」と呼ばれる。単行本は31巻まで出版されており、公式ファンブックは2冊発売されている。NHKBS放送にて、2004年〜2005年にかけてアニメ放送も行われた。また、学園アリスを題材としたゲームソフトも販売されている。ゲームソフトのタイトル及び発売年数は以下の通りである。2004年「学園アリス〜ドキドキ☆不思議たいけん」(ゲームボーイアドバンス用ソフト)、2006年「学園アリス〜きらきら★メモリーキッス」(Play Station2用ソフト)、2007年「学園アリス〜わくわく ハッピー★フレンズ」(ニンテンドーDS用ソフト)の3種類だ。
物語の内容は、アリス学園を舞台とし、超能力を持った生徒たちの少し変わった学園生活ファンタジーである。しかし、この漫画はただの学園生活のみではなく、主人公の蜜柑を筆頭に、自身の出生や境遇を乗り越え、最終的には学園の闇と立ち向かっていく様子も描かれている。

『学園アリス』のあらすじ・ストーリー

深い因縁で惹かれあう日向棗(上)と佐倉蜜柑(下)

ある日、主人公の佐倉蜜柑の親友である今井蛍が転校してしまった。蛍の転校先の学校は”アリス学園”という特別な能力を持ったものしか入学できない学校であった。アリスを持つものは、その才能の有用性故、国家や企業から非常に重宝される存在であった。アリスを保有者はそのため、アリス学園に子供を入学させると、親は多額の寄付金がもらえる。蛍と蜜柑が育った田舎町は貧乏で、学校も廃校の危機に迫られていたのだ。蛍はその学校に入学し、育った学校を救うため、自ら志願して転校したのだった。それを知った蜜柑は、蛍を追い、一人でアリス学園へ向かう。

しかし、蜜柑は田舎で育った平凡な女の子。アリスと呼ばれる特殊な能力を持っているものでないと入学できないと門前払いを食らう。門の前で途方にくれていると、黒猫の仮面をつけた男の子が塀の上に現れた。その生徒は学校の問題児・日向棗であった。彼は脱走を目論んでおり、それを教師・鳴海が止めに来た。鳴海のアリスはフェロモンである。そのアリスを使用し、強烈なフェロモンで失神させることによって、棗を捕獲したのだった。周りの人にも影響が出る量のアリスを使ったにもかかわらず、そのアリスは蜜柑には全く効いていなかった。蜜柑は無効化のアリスを持っていたのだ。蜜柑がアリス保有者だと発覚し、無事アリス学園に入学することができたのだった。

そこから蜜柑のアリス学園での生活が始まった。蜜柑は蛍と同じクラスとなった。そのクラスには日向棗とその親友である乃木流架もいた。アリス学園の生徒はあらゆる超能力を持っているのだが、それを悪用しようとする者も存在する。そのため、一度学園に入るとほとんどの生徒は卒業まで外に出ることはできない。そのような特殊な学校生活の中で、学園に不満を持つものも少なくはなかった。棗と流架はクラス内の学校に不満を持つもの達のカリスマ的存在であり、クラスは学級崩壊寸前であった。混沌としていたクラスであったが、文化祭や体育祭などの行事を通して、蜜柑の持ち前の前向きさと明るさが周りにも影響し、クラスの雰囲気も良くなっていっていた。最初は敵対していた棗と蜜柑であったが、事件や行事を乗り越えていくにつれてお互い惹かれていった。

しかし、そんな多くの仲間にも恵まれ順風満帆な蜜柑であったが、実は蜜柑の両親は学校にとって忌々しい存在であったのだ。

蜜柑の父・行平泉水はかつてアリス学園の教師であった。泉水はアリス学園を私物化しようとする初等部校長の悪行を調査していた。その最中、初等部校長は泉水が面倒を見ていた腐食のアリスを持つ生徒を利用し、泉水を殺害した。
蜜柑の母である安積柚香はもともと泉水の教え子だった。柚香はアリスを他者に入れるアリスを持っており、その特殊な能力ゆえ、初等部校長に裏任務をさせられていた。泉水と恋仲になっていた柚香は泉水が亡くなったことを知り、それが初等部校長の仕業だと気付き学校を脱走した。そこからはずっと学園から身を隠しながら逃亡生活を送った。

このような事情があり学園に目をつけられる蜜柑。蜜柑もまた、母の柚香と同じアリスが使用できるようになる。それを聞きつけた初等部校長は蜜柑を利用しようとあらゆる手で仕掛けてくる。

アリスの力を使って学園を掌握し、自分の立場を固めようとする初等部校長の好き勝手にはこれ以上させないと初等部校長の言うことに屈しない蜜柑とそんな蜜柑と共に戦う仲間たち。初等部校長側の人間と蜜柑側の人間で攻防が繰り出される。学園全体を巻き込む争いが勃発し、蜜柑たちは学園を守るために戦っていくのだった。

激しい戦いの後、アリスを失い、記憶も消され学園を去った蜜柑であったが、数年かけて棗たちが探し続け、最後は再会を果たしたのだった。

『学園アリス』の登場人物・キャラクター

佐倉蜜柑(さくらみかん)

CV:植田佳奈
「特別能力系」:無効化のアリス(他者のアリスを無効にできる)、盗み・入れるアリス(アリスを結晶化し、出したり入れたりすることができる)
本作の主人公。アリスストーンの色は蜜柑色。
常に自分より他人のことを考えて無茶をすることもしばしば。とにかく元気で明るい女の子。感情豊かで泣き虫。どんなに辛い境遇も笑顔で乗り越える。みんなを明るくする太陽のような存在。両親ともにアリスを持っており、父の行平泉水は「無効化のアリス」、母の安積柚香は「瞬間移動のアリスと盗み・入れるアリス」。幼い頃はおじいちゃんに育てられた。

今井蛍(いまい ほたる)

CV:釘宮理恵
「技術系」:発明のアリス(どんな構造のメカでもアイディアを宿らせることができる)
アリスストーンの色は水色と紫。
蜜柑の大親友。クールだが、本当は友達思い。
非常に珍しく実用性も高いアリスのため、世界中の企業や富豪に注目されており、ファンやスポンサーが多数いる。
見た目はかなりの美少女だが、毒舌で守銭奴で面倒臭がりで大食らい。毒舌は蜜柑に対しても容赦がない。
一方で友人や家族を思う気持ちは強く、蜜柑の窮地には文句を言いつつ手助けすることが多い。

日向棗(ひゅうが なつめ)

CV:朴璐美
「危険能力系」:炎のアリス(どこでも炎を出し、操ることができる)
性格は冷静でドS。ツンデレ。ムッツリスケベ。蜜柑が大好き。
蜜柑のパートナー。アリスストーンの色は赤。星階級は初等部で唯一の幹部生。
家族全員がアリスで、父と妹は棗と同じアリスを有しているが、母は記憶操作のアリスである。
初期はほとんど笑顔を見せず、親友の流架以外には心を閉ざしていた。しかし蜜柑との出会いを経て、徐々に蜜柑やその友人に対してを開いてゆく。
作者曰く「学アリの大黒柱」。

乃木流架(のぎ るか)

CV:安田美和
「体質系」:動物フェロモンのアリス(すべての動物たちと意思疎通と会話ができる)
アリスストーンの色はクリーム。
無口で優しい。蜜柑が好き。
棗と親友であり、恋敵でもある。
ニックネームはルカぴょん、ルーちゃん。大の仲良しの兎をいつも抱えている。アリス使用時には動物に対してデレデレになる。そのため、使用時を他人に見られるのを嫌がる。

鳴海・L・杏樹(なるみ・える・あんじゅ)

CV:石田彰
「体質系」:フェロモンのアリス(誰でも自分の虜にすることができる)
アリスストーンの色はピンクパープル。国語担当。蜜柑達のクラス、初等部B組の担任。
みんなを見守る優しいお兄さんのような存在。通称「ナル」。派手な服装をしている。
普段はチャラチャラしているように見えるが、いざとなれば生徒のためなら体を投げ出せる真剣さを持つ。

行平泉水(ゆきひら いずみ)

「特力系」:無効化のアリス(他者のアリスを無効にできる)
アリスストーンの色は白と薄い黄色とオレンジ。国語担当。新任時は、柚香(蜜柑の母)が所属する初等部B組の副担任だった。
蜜柑の明るく裏表のない性格は泉水から受け継がれている。通称「ユッキー」。
子供には好かれるが大人には嫌われてしまうタイプ。死因は自殺、事故死、とされているが実際は初等部校長のペルソナのアリスによって殺された。主要人物たちの過去に大きな影響を与えた人物。

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