『ef - a tale of memories.』および『ef - a tale of melodies.』とは、minori制作のアダルトゲーム『ef - a fairy tale of the two.』を原作としたシャフト制作のテレビアニメ作品である。2組の男女の交錯する想いを中心に描いた群像劇的な作品。実験映像風の演出や、心境変化に合わせ変貌するOP・EDが特徴で、最終話の演出は大きな衝撃を与えた。原作元が製作委員会に参加し、公式配信の活用など双方向の連携も行われた。
『ef - a tale of memories.』『ef - a tale of melodies.』の概要
『ef - a tale of memories.』および『ef - a tale of melodies.』とは、minori制作のアダルトゲーム『ef - a fairy tale of the two.』を原作としたテレビアニメ作品である。2組の男女の交錯する想いを中心に描く群像劇的な構成を特徴としており、チバテレビなどの独立UHF局を中心に全2期各12話が放送された。第1期『ef - a tale of memories.』は2007年10月から12月にかけて、第2期『ef - a tale of melodies.』は2008年10月から12月にかけて放送された。
本作のアニメーション制作はシャフトが担当した。スタッフ陣には新房昭之が監修および絵コンテ(帆村荘二名義)として加わり、ゲーム版のエピローグ演出にも携わった大沼心が監督を務めた。原作ゲームはプレイヤーが主人公になりきる一般的なアドベンチャーゲームではなく、第三者的視点から鑑賞するインタラクティブ・ノベルの形式をとっており、アニメ版でもその群像劇としての側面が強く反映されている。当時の美少女ゲーム原作アニメとしては珍しくコメディ要素を完全に排したシリアスな路線を徹底し、全編にわたってアヴァンギャルドな実験映像風の演出が濃厚に施された。
第1期では、広野紘、宮村みやこ、堤京介、新藤景、雨宮優子らを中心とした物語と、放送時点でゲーム未発売であった後編の要素を含む新藤千尋、麻生蓮治、火村夕らを中心とした物語が並行して描かれた。演出面では2つの物語で異なる表現技法が用いられ、紘とみやこのエピソードは明るい色彩の三人称視点で描かれたのに対し、蓮治と千尋のエピソードは暗めの色彩にモノローグを多用する構成がとられた。さらに、物語の進行度やキャラクターの心境の変化に合わせてオープニングやエンディングの映像・楽曲が精緻に変貌を遂げていく仕様となっており、特にそれぞれの最終話において披露された極限の演出は、当時の視聴者やアニメファンへ大きな衝撃を与えた。
製作体制においては、アダルトゲーム原作のアニメとしては異例となる原作元であるminori自身が製作委員会に参加している。これはminoriのプロデューサーである酒井伸和がジェネオンエンタテインメントへ直接アニメ化のオファーを持ちかけたという経緯による。監督の大沼心は、視聴者と同じ目線や立場から制作に臨むという意向から、第1期の制作当時、すでに完成していたゲーム後編の脚本に意図して目を通さずに演出を行った。また、インターネット上のブログ等に寄せられた視聴者からの感想を精読し、得られた意見を実際の演出変更に反映させたことを明かしている。
第2期の放送に際しては、第1期と比較してネット局数が減少する動向が見られた。これに対し、制作のminori側は公式サイトのインフォメーションを通じ、放送外地域からの要望に応えるべく尽力した結果として公式なネット配信の活用に至った経緯を説明している。同時に、視聴者に向けて違法アップロードの利用を控え、公式配信を視聴するよう呼びかけた。その際、公式に集計される視聴数値こそが今後の交渉における説得材料になるとして、ファンへ理解と協力を促すアナウンスが行われた。原作ゲームの後編ではエンディングアニメーションをアニメ版と同じくシャフトが手掛けるなど、メディアの枠を超えた双方向の連携展開が行われたことも大きな特徴である。
efシリーズについて
原作はminori制作のアダルトゲーム。2組の男女の交錯する想いを中心に描く、群像劇的な作品である。
efシリーズとは、コミックス・ウェーブ系のブランドであるminoriが制作したアダルトゲーム『ef - a fairy tale of the two.』、およびそれを原作とする一連のメディアミックス作品の総称である。本作のテーマには「minori's 4th challenge about "Will"」が掲げられており、1億円を超える巨額の製作費が投じられたことでも知られる。
中核となるゲーム版は前後編に分割してリリースされ、前編にあたる『ef - the first tale.』が2006年12月22日に、後編にあたる『ef - the latter tale.』が2008年5月30日にそれぞれ発売された。一般的なアドベンチャーゲームとは異なり、プレイヤーが特定の主人公になりきるのではなく、第三者的な視点から物語を鑑賞する「インタラクティブ・ノベル」と呼ばれる独自の形式を採用している。複数の男女による交錯する想いを描いた群像劇としての仕様が特徴であり、ゲームのオープニングムービーをアニメーション監督の新海誠が手掛けたことでも大きな話題を呼んだ。のちの2010年4月29日には、前後編を一本にまとめて収録したPlayStation 2移植版がCOMFORTより発売されたほか、同年9月17日には後日談を収録したファンディスク『天使の日曜日-ef Pleasurable Box-』が発売されている。
『ef - a tale of memories.』のあらすじ・ストーリー
本作は、音羽(おとわ)と呼ばれる街を舞台に、自分自身や相手と真摯に向き合い、傷つきながらも一歩ずつ前に進んでいく少年少女たちの揺れ動く繊細な心情を描いた青春ラブストーリーである。ストーリーは、主に「広野紘・宮村みやこ・新藤景」を中心とする三角関係と、自らの「映画」を模索する堤京介のパート、そして「麻生蓮治・新藤千尋」を中心とする記憶障害を抱えた少女との交流を描くパートの複数軸が並行して進行する。
聖夜の邂逅とすれ違う想い
プロの漫画家としての顔を持ち、私生活の忙しさから学校をサボりがちな高校生・広野紘(ひろの ひろ)は、幼馴染の新藤景(しんどう けい)から毎朝のように叩き起こされる日々を送っていた。景は紘に対して密かに恋心を抱いていたが、恋愛に不器用な性格ゆえにその想いを伝えることができずにいた。
そんな中、クリスマスの夜に紘は自由奔放な少女・宮村みやこ(みやむら みやこ)と運命的な出会いを果たす。マイペースなみやこに振り回されながらも急接近していく紘。二人の様子を間近で見る景は、穏やかではいられない焦燥感に駆られていく。
一方、紘のクラスメイトで映画研究部に所属する堤京介(つつみ きょうすけ)は、クリスマスの雑踏の中でカメラのファインダー越しに一人の少女を見つける。撮影しそびれてしまったその少女の姿に魅せられた京介は、自らの映画の被写体として彼女を追い求めるようになる。さらに景のバスケ部の後輩である羽山ミズキ(はやま みずき)も、すれ違う彼らの関係をそれとなく気遣いながら、賑やかな日常を共に過ごしていた。
駅ホームでの出逢い
もう一つの舞台である静かな無人駅。読書を好む少年・麻生蓮治(あそう れんじ)は、駅のベンチにぽつんと佇む少女・新藤千尋(しんどう ちひろ)(景の双子の妹)と出会う。千尋は左目に眼帯を付け、膝の上には1冊の日記帳を大切そうに抱えていた。
千尋は過去の事故により「記憶が13時間しか保持できない」という前向性健忘を患っており、毎朝日記を読み返すことで記憶を繋ぎ止めていた。千尋が胸に秘めた「小説を書く」という幼い頃からの夢を知った蓮治は、その夢に挑戦するべきだと彼女を優しく後押しする。こうして二人は、日記と記憶の制約の中で、小説を共同で執筆するという新しい時間を紡ぎ始める。
交錯する感情
京介は、自らの撮影したい「真実の被写体」が景であることに気づき、彼女をレンズで追い始める。しかし、そこに映る景の表情は、紘とみやこの距離が縮まっていくことへの苦悩に満ちていた。景は意を決して、みやこに紘に近づかないよう忠告する。一方のみやこもまた、自身の孤独な過去から紘への強い想いを抱いており、三人の感情は激しく交錯していく。
千尋と蓮治は、小説の執筆活動を通じて急速に距離を縮めていた。執筆に行き詰まる千尋に対し、蓮治の母である麻生すみれ(あそう すみれ)は、プロのヴァイオリニストである久瀬修一(くぜ しゅういち)なら力になってくれるはずだと助言し、二人は久瀬の部屋を訪ねる。しかし、徐々に深まる蓮治と千尋の関係に対して、千尋たちの過去を知る謎の男・火村夕(ひむら ゆう)は、蓮治へ静かに忠告を与える。
葛藤の果てに選ぶそれぞれの答え
学校から進路指導や出席日数の警告を受け、手の腱鞘炎にも悩まされる紘は、大きな仕事の依頼を前に追い詰められていた。漫画への情熱、みやこや景との関係、迫られる選択肢の中で、紘は京介と激しく衝突する。携帯電話を紛失して連絡が取れなくなったみやこへの想い、そして自分のことだけを想い続けてくれた景との間で、紘は一つの決断を迫られる。彼らの前に、時折優しく寄り添う女性・雨宮優子(あまみや ゆうこ)が現れ、それぞれの迷える心へそっと言葉をかける。
千尋と蓮治は、何度も話し合いを重ねながら、ついに小説を書き上げる。完成を祝して音羽の街でデートを楽しむ二人。夕から手渡された秘密のプレゼントを手に、二人はかけがえのない幸せな時間を過ごし、日記に「忘れられない想い」を書き綴る。しかし、13時間という時間の壁は、常に二人の未来に重くのしかかっていた。
そして新たな旅立ち
紘、景、みやこは、傷つきながらもそれぞれの想いに明確な答えを出し、自らの足で歩み出す。京介もまた、レンズを通して見つめ続けた一つの真実に辿り着く。
そして、千尋と蓮治もまた、記憶の忘却という残酷な現実と向き合いながら、確かに存在する「互いを想う絆」を証明するための道を見つけ出す。
少年少女たちがそれぞれの葛藤の末に「忘れられない想い」に一つの終止符を打つのを見届けた優子と夕。彼ら自身もまた、背負い続けてきた遠い日の約束を果たすべく、もう一つのおとぎ話へと歩みを進めるのだった。
『ef - a tale of melodies.』のあらすじ・ストーリー
前作『memories.』の裏側や過去、そしてその後に紡がれる物語を描いている。ストーリーは、前作で狂言回しのような役割を担っていた火村夕(ひむら ゆう)と雨宮優子(あまみや ゆうこ)の過去に隠された壮絶な真実を描く「過去編」と、プロのヴァイオリニストである久瀬修一(くぜ しゅういち)と彼の隣に現れた少女羽山ミズキ(はやま みずき)の過酷な運命をめぐる「現代編」の2つの時間軸を並行して描き出す。
始まりの街とふたつの旋律
美術部の誘いを受けつつもどこか冷めた日々を送る学生・火村夕(ひむら ゆう)は、天才的な絵の才能を持ちながら奔放に振る舞う同級生の広野凪(ひろの なぎ)に日々振り回されていた。ある日、夕は学校の屋上で、まるで自分を知っているかのような不思議な雰囲気を纏った少女・雨宮優子(あまみや ゆうこ)と出会う。しかし、夕の記憶に彼女の存在はなかった。優子は夕に不可解な言葉を残して姿を消してしまう。
一方、従兄妹である麻生蓮治の家を訪れていた羽山ミズキ(はやま みずき)は、隣の家から聞こえてくる美しいヴァイオリンの音色に心を奪われる。それを奏でていたのは、若くして国際的な評価を得ながらも現在は療養中の音楽家・久瀬修一(くぜ しゅういち)だった。蓮治の母であるすみれの頼みにより、ミズキは休暇中の時間を久瀬と共に過ごすことになる。
明かされる秘密
凪が夕と優子の関係に複雑な想いを抱く中、夕は優子が心に深い傷と悩みを抱えていることを知る。そのことを凪や久瀬に相談したことで、夕と優子を取り巻く状況は静かに、しかし決定的に動き始める。
一方、ミズキはすれ違ってしまった久瀬を探して音羽の街を歩く中で、記憶障害を抱える少女・新藤千尋(しんどう ちひろ)と出会い、久瀬が「拡張型心筋症」という不治の病に侵され、残された余命がわずかしかないという過酷な秘密を知ってしまう。死への恐怖と孤独から心を閉ざし、ミズキを遠ざけようと「二度と俺の前に姿を現さないでくれ」と冷酷に突き放す久瀬。絶望に暮れるミズキを救ったのは、オーストラリアの音羽の無人駅で出会った先輩・新藤景(しんどう けい)の言葉だった。景は5年間抱え続けてきた自分自身の宿題に決着をつけるため、この地へやってきていた。景に背中を押されたミズキは、再び久瀬のもとへと走り出す。
優子の真実と夕の苦悩
目次 - Contents
- 『ef - a tale of memories.』『ef - a tale of melodies.』の概要
- efシリーズについて
- 『ef - a tale of memories.』のあらすじ・ストーリー
- 聖夜の邂逅とすれ違う想い
- 駅ホームでの出逢い
- 交錯する感情
- 葛藤の果てに選ぶそれぞれの答え
- そして新たな旅立ち
- 『ef - a tale of melodies.』のあらすじ・ストーリー
- 始まりの街とふたつの旋律
- 明かされる秘密
- 優子の真実と夕の苦悩
- 終幕を拒む歌と果たし状
- 約束の聖夜
- 『ef - a tale of memories.』『ef - a tale of melodies.』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- 広野紘(ひろの ひろ)
- 宮村みやこ(みやむら みやこ)
- 堤京介(つつみ きょうすけ)
- 新藤景(しんどう けい)
- 麻生蓮治(あそう れんじ)
- 新藤千尋(しんどう ちひろ)
- 久瀬修一(くぜ しゅういち)
- 羽山ミズキ(はやま ミズキ)
- 火村夕(ひむら ゆう)
- 雨宮優子(あまみや ゆうこ)
- サブキャラクター
- 広野凪(ひろの なぎ)
- 大村義彦(おおむら よしひこ)
- 泉絵美(いずみ えみ)
- 麻生すみれ(あそう すみれ)
- 雨宮明良(あまみや あきら)
- 火村茜(ひむら あかね)
- 『ef - a tale of memories.』『ef - a tale of melodies.』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- シャフトによる斬新な表現
- 『ef - a tale of memories.』『ef - a tale of melodies.』の主題歌・挿入歌
- 『ef - a tale of memories.』(アニメ第1期)
- OP(オープニング):ELISA「euphoric field」
- ED(エンディング):宮村みやこ(田口宏子)「I'm here」(第1話、第3話、第7話、第10話)
- ED(エンディング):新藤景(岡田純子)「刻む季節」(第4話、第5話、第9話)
- ED(エンディング):新藤千尋(やなせなつみ)「空の夢」(第6話、第8話、第11話)
- ED(エンディング):雨宮優子(中島裕美子)「悠久の翼 07.mix」(第12話)
- 『ef - a tale of melodies.』(アニメ第2期)
- OP(オープニング):ELISA「ebullient future」
- ED(エンディング):羽山ミズキ(後藤麻衣)「笑顔のチカラ」(第2話 - 第5話、第7話、第9話、第11話)
- ED(エンディング):雨宮優子(中島裕美子)「願いのカケラ」(第6話、第8話)
- ED(エンディング):羽山ミズキ(後藤麻衣)雨宮優子(中島裕美子)宮村みやこ(田口宏子)新藤景(岡田純子)新藤千尋(やなせなつみ)「ever forever」(第12話)
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