アルカナハート(Arcana Heart)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「アルカナハート」とは、株式会社エクサムが制作・販売を手がける2D対戦型美少女格闘ゲームのシリーズである。「聖霊」と呼ばれる超常的存在と心を通わせあった「聖女」と呼ばれる少女たちが、東京をはじめとした日本各地を舞台に、聖霊の力を巡って引き起こされる事件に立ち向かう物語を描いている。登場人物はすべて女性となっているのが特徴で、見た目はもちろん個性溢れるキャラクター設定などで注目を集めている。

安栖頼子(やすずみ よりこ)

CV:伊月ゆい

はぁとの同級生にして親友で、マントと大きな鍔のあるとんがり帽子という魔女っ子のような佇まいをした少女。
常に他人や周囲の顔色や反応を伺い、喧嘩や揉め事などのトラブルは極力避けるオドオドした性格をしている。一方で、自他共に認めるオカルトマニアという一面を持っていて、その手のよくわからない雑誌を本屋で3冊買っている。読書が趣味で図書委員をしており、休み時間や放課後などの暇がある時は学校の旧図書準備室に入り浸っては本を読み漁っていることが多く、「旧図書準備室の主」という呼び名をつけられている。

かつて、興味本位で悪魔召喚術を試してみたところ、本来は最下級の使い魔程度の悪魔を召喚するつもりだったが、召喚の儀式に立ち会った親友のリリカの悪戯によって、「魔王」と呼ばれる最上級の魔族ミケを召喚してしまう。そして、そのリリカの悪戯のせいで召喚の儀式が中途半端になってしまい、召喚されたミケも骸骨の杖のような不完全な姿になってしまった。
それ以降はそのオドオドした性分のために行動力が伴わずにミケに振り回されて毎度のように疲労困憊させられており、最近では小遣いの大半がミケの好物であるフレンチクルーラーに消えてしまうため、金銭面で苦労させられている。

《キャラクター特性》全体的に通常攻撃のリーチが長めで、さらに必殺技は突進、下降、遠距離、コマンド投げなどわかりやすいものが揃っている。しかし通常攻撃は発生や判定が弱く、そして全ての必殺技を強化する特殊技「古のタリズマン」もコマンド入力が複雑で、完全に使いこなすには注意が必要な部分もある。

《契約アルカナ》ディウー・モール:「魔」の力を司る聖霊で、大きな鎌を持つ死神のような姿をしている。生前はかつて公開処刑人として多くの命を裁く職務に生き甲斐を感じていたひとりの男であり、自身もまた異端者として首を刎ねられて死んだが、命を裁くことに喜びを見出すという純粋すぎる狂気ゆえに聖霊と化した。本来は頼子が契約するはおろか、召喚できるほどの相手ではないが、ミケによって呼び出され、頼子の魔力と引き換えに無理やり契約を結ばされている。

美凰(めいふぁん)

CV:滝田樹里

大きな2つのシニヨンが特徴的な、黒髪の美女の姿をした中国製の多目的用ヒューマノイド。中華風の装飾のあるTバックハイレグのような服装をし、手足には取り外し可能な機械的ガードルをつけている。開発者である女性科学者・華明芳が個人的な理想を追求した結果、全キャラ中最もグラマラスな体系となったらしく、プレイヤーたちの人気を大きく集める存在となった。
ヒューマノイドのため常に冷静沈着で生真面目な性格で、淡々とした振る舞いをし、感情の起伏が少なく笑顔を見せることがほとんどないのが明芳にとっての解消すべき問題となっている。美凰は明芳を盲目的と言っていいほど敬愛しており、彼女のために行動を起こすなど行動的な一面を持っている。そして、突如行方不明となってしまった明芳を探すため、研究所から抜け出し単身来日した。

《キャラクター特性》中華拳法を基本とした戦闘スタイルで、基本性能と近接戦闘力は全キャラクター中トップクラスと言っていいほど高い。唯一の弱点にリーチの短さがあり、近づけない戦い方をされると不利な戦いを強いられるが、それでもこの近接戦闘力を活かせば初心者でも十分に使いこなすことができる。

《契約アルカナ》ランゴン:「火」の力を司る聖霊で、炎に包まれた一角の狼のような姿のしている。仙境で長い年月を生きた狼が、人語を解し、仙術を身に付けたことで聖霊となった。長らく仙境で生きてきた為、絶えず変化を求める傾向が強い。そんな中、美凰と出会って彼女に強い興味を示し、その行く末を見守る為に無償で力を貸す契約を交わした。

大道寺きら(だいどうじ きら)

CV:綱掛裕美

猫耳のようなクセっ毛のある黒い短髪とスクール水着が特徴的な少女で、アメリカにて弱冠10歳で飛び級制度によって大学まで進学し、博士号も獲得した超がつくほどの天才児。
聖霊の力を用いて発明した「エーテル伝導液」によって作り出した特殊なスライムをそばに従えており、戦闘時では一体となってスライムの形状を変化させて様々な攻撃を繰り出し、敵対する者全てをことごとく圧倒、蹂躙する。

自分の才能を鼻にかけた傲慢かつ尊大な性格の持ち主で、自分以外の相手は基本的に三下と見下している。しかし、自分と互角または対等と認めた相手には尊大な振る舞いこそ崩さないが、比較的素直に接する。「他人に媚びなければ生きていけないもの」という認識で、犬とメイドを蛇蝎の如く嫌う。
現在は日本に帰国し、小学校に通う身となっているが、授業の低レベルぶりに呆れており、さらに飛び級制度が認められないことに毎日のように辟易している。そんな中、その鬱憤を晴らすために「365日でできる世界征服」を立案し、電波塔と宗教施設をターゲットとして行動を開始する。

《キャラクター特性》戦闘時にスライムと一体化するため、本人の身長とは裏腹にキャラクターとしての体積はかなり大きめで、下半身のスライムの体躯を活かした強力な打撃と投げ技を駆使する。しかしその反面、動きが遅く当たり判定も大きいのが弱点となっており、いかに相手の攻めをさばきつつ近づいて技を決めるかがポイントとなっている。

《契約アルカナ》ニプトラ:「水」の力を司る聖霊で、牛のような角と羽のようなヒレを持つ巨大な古代魚。まだ陸が存在しなかった遥か古き時代から、転生を繰り返すうちに知恵と意思を持って聖霊となった。そうして転生を繰り返して生き永らえたことで寿命の概念から外れてしまい、退屈に生き続けた中、世界征服を企むきらに興味を示して力を貸す契約を交わす。ただし、この契約はあくまで退屈しのぎの気まぐれ程度でしかないので、きらの言うことを聞かないことも多い。

フィオナ・メイフィールド

CV:山本麻里安

「1」の中ボスである巨大な大剣使いのメイドの少女で、フリルのついたメイド服と、鉄のミトンのような手甲とグリーブが特徴的。冴姫のイギリス時代の親友。次元の歪みに巻き込まれて聖霊界に落ちてしまい、聖霊と化した為に冴姫のいる物質界(いわゆる現実世界)に戻れなくなってしまい、これが冴姫のトラウマとなった。その後、ミルドレッドと出会って彼女の従者となり、ミルドレッドを守るべく、彼女の拠点である城の門番としてはぁとたちの前に立ち塞がる。

明るく前向きな性格をしていて人当たりはとても良いが、かなりのおっちょこちょいで失敗が多い。ミルドレッドの事を自分にとても優しく接してくれることから「お姉さま」と呼んで慕っていて、人間に戻る方法を探すのを手伝ってもらうのと引き換えに彼女の計画に協力する。
そして「1」でのはぁとたちとの戦いの後、ミルドレッドの計画と、その計画に協力した自分の行いが大きな過ちだったことに気づく。そんな中、契約アルカナのオレイカルコスから関東各地で聖霊の力の異変が起きていることを聞かされ、フィオナはオレイカルコスの力を借りて事態の収拾に立ち上がった。

《キャラクター特性》全体的な動きは遅めだが、大剣によるリーチの長さと一撃の威力が優秀な打撃系パワーキャラクターである。さらに剣の部分にダメージ判定がなく、大剣のリーチと威力を頼りにして強気に攻めることが可能となっている。

《契約アルカナ》オレイカルコス:「鋼」の力を司る聖霊で、紫色の刺々しいオリハルコンの鱗を持つドラゴン。アヌトゥパーダやニプトラと並ぶ最古のアルカナのうち1体で、聖霊界において多くの聖霊たちから恐れられるほどの力と知識を持っており、フィオナからは「物知りドラゴン」と呼ばれている。物質界から迷い込んできたフィオナと出会い、ドラゴンである自分を見て嬉々として瞳を輝かせ、物怖じすることなく接してきた。その態度を見かねたオレイカルコスは、フィオナが人に戻るまでの間という約束で力を貸す契約を交わしている。

『アルカナハート2』からの参戦

ペトラ・ヨハンナ・ラーゲルクヴィスト

CV:井上麻里奈

瑞国聖霊庁から派遣された聖女で、数多くの上級官僚を聖霊庁へ輩出してきた名門・ラーゲルクヴィスト家の令嬢。ドレスのような白い服と縦ロールの髪型が特徴的。
ラーゲルクヴィスト家の歴代の聖女の中でも突出した素質と才能を持っていることから、ミルドレッドにも匹敵する人材だとされていて、さらにミルドレッド本人ともライバルと言っても過言ではない関係を築いている。
主な武器である対聖霊用の二丁拳銃「アレクサンドラ・クリスティーナ」と、銃と格闘をミックスさせた戦闘術「Lagerkvist Gun Arts(略称は各頭文字を取ってL.G.A)」で鋭くも華麗な攻勢を展開し、敵対者を圧倒する。

普段は落ち着き払っていて、物言いも丁寧なものだが、プライドが高く厳格な振る舞いが多いことから周囲の反感を買うことも少なくない。しかし一方でかなりの負けん気の強さも持ち合わせていて、任務も含めて自分に任された物事は最後まで投げ出さずに取り組み、目の前に立ち塞がった敵も全て退けることで自らの地位を高め、守り続けている。
自らの行動原理を法の規律と理論に準じており、一切の私情を挟まずに物事を判断して最善の解決策を導き出す。そのため、「愛があれば何だって解決できる」というはぁとの考え方に対しては否定的で、「2」の物語を経て何度か共闘するようになってもその姿勢は全く変わらない。しかし一方で、自分が仲間や親友と心から認めた相手に対しては信義を貫き通す熱い一面も持ち合わせており、直属の部下であるエルザとクラリーチェへの侮辱に対して怒りを露わにしたり、敵対組織であるドレクスラー機関の元メンバーのヴァイスやシャルラッハロートの社会復帰を助けようとするなど、決して冷酷非情という訳ではない。

《キャラクター特性》二丁の拳銃による銃撃で中距離戦を得意としており、攻撃のリーチも長く技の後の硬直を軽減できる技を持っているため、相手と一定距離を置きながら戦うと力を発揮しやすい。また、拳銃は「エーテルストック」と呼ばれる専用ゲージの量によって必殺技の威力や性能が変わるので、これに注目しながら必殺技を使っていく必要がある。

《契約アルカナ》ジラエル:「聖」の力を司る聖霊で、神々しく輝く翼を持った翡翠色のユニコーン。グレートブリテン島にある「聖地」と呼ばれる深い森の中に住んでおり、かつてはラーゲルクヴィスト家の初代の守護聖獣としてその礎を築いたことから、ラーゲルクヴィスト家とも深い縁がある。聖霊の力の暴走とそれによる異変の頻発で不安定な方向へと傾く世界を危惧していた中、同じく未来を憂うペトラに力を与えることを決意して契約を交わす。その後、世界の歪みを正しくするためにペトラが戦う限り、無償で力を貸す。

キャサリン京橋(きゃさりんきょうばし)

CV:又吉愛

米国聖霊庁から派遣された聖女で、レースクイーンのようなレオタード姿とウサギの耳のようなものがついたサンバイザーが特徴的な小柄な少女。きらの幼馴染兼ライバルであり、彼女と同じく弱冠10歳で博士号の修得まで成し遂げた天才である。
聖霊の力を用いたロボットや機械を専攻する「聖霊機工学」における自分の研究成果を結集した汎用型コンバットアーマー試作1号機「テリー淀川」を開発し、そのテストを兼ねて次元の歪みに対する米国聖霊庁からの災害派遣を引き受けて来日する。

アメリカ国籍の日系三世で、祖母に大阪人を持っている影響で、大阪準拠の関西弁でしゃべる。そして性格も豪快かつ大雑把で細かいことをあまり気にせず、喜怒哀楽の変化も激しい。きら、そして明芳とはアメリカのマサチューセッツ聖霊工科大学在学時の知り合いで親交も深く、特にきらとは歳が近いこともあってか、ライバルとして毎日のように勝負や競争を繰り広げながらも互いに認め合う親友同士ともなっている。また、きらから高圧的に挑まれると興奮でドキドキするという、マゾヒストめいた変わった嗜好も持ち合わせている。

《キャラクター特性》搭乗しているテリー淀川の巨体もあって、きらと同じようにキャラクターとしての体積は大きめで、さらに体力が全キャラ中でも高い部類に入る。その巨体ゆえに全体的に動きが遅くガードを崩されやすいという弱点を抱えているが、逆に相手のガードを崩す技も持っているので、強引にラッシュをかけるパワータイプのキャラクターとも言える。

《契約アルカナ》メデイン:「磁」の力を司る聖霊で、隕石を彷彿とさせる見た目の甲羅を持つ巨大な亀。アヌトゥパーダ、ニプトラ、オレイカルコスと並ぶ最古のアルカナのうち1体に数えられる存在で、磁力を自由自在に操り、その気になれば人間の血液に含まれる鉄分にさえ影響を与えることもできる。自分たち聖霊の力を使った物の発明や研究を行う「聖霊工学」に興味を示し、その発展を見守ることを密かな楽しみとしており、そんな中でキャサリンに「見ていて一番退屈しない」という理由で注目し、契約を交わした。それ以来、メデイン自身は動くことはないが、キャサリンの頼みに応じて必要な分だけ力と知識を与えている。

ゼニア・ヴァロフ

CV:清水香里

露国聖霊庁から派遣された聖女で、片袖のないコートと、愛用の武器である金色のバイルパンカー「イディナローク」が特徴的なクールな女傭兵。
任務遂行を第一とし、冷徹かつ着実にそれをこなす仕事ぶりは世界的に有名で、関東一円に大量発生した次元の歪みへの対処で露国聖霊庁に雇われ、来日する。

寡黙で冷静沈着、感情の起伏に乏しく表情の変化もあまりなく、敵とみなした相手には一切の容赦がない。その一方、必要以上の争いや殺生は好まないという一面も持っていて、このはやなずなのような年少者には素っ気ないながらも戦いから手を引けと呼びかけることもある。
また、幼い日の記憶と感情を失っており、物心ついた時にはモスクワの孤児院の世話になっていて、傭兵として世界中を渡り歩くようになった今でも、土産物を持ってその孤児院に姿を見せることもある。

《キャラクター特性》主に格闘とバイルパンカーによる接近戦を得意としており、下記の契約アルカナであるアルマシアも含めた飛び道具のあるアルカナを選択して遠距離戦もできるようにすれば、接近が容易になって攻め込みやすくなる。また、体力ゲージ下にある特殊ゲージを利用して性能を変化させる必殺技も持っており、これはコマンド入力後に攻撃ボタンを押し続けて溜め、離した際のゲージの量で技の性能を上昇させることもある。

《契約アルカナ》アルマシア:「氷」の力を司る聖霊で、王様のようないでたちをした皇帝ペンギン。氷や雪、絶対零度の冷気を自在に操り、その氷や雪は自身が望まない限り永遠に溶けることはない。旅が趣味で、世界中を気ままに旅してその行く先々で多くを学び、自分だけの王国を作り上げたペンギンが聖霊化したもので、今でも子供を連れて旅を続けている。その道中、聖霊と戦うゼニアと出会い、お節介ながらも助太刀したことがきっかけで彼女と契約を交わす。それ以降、ゼニアが任務で出かける度に自分が同行することを認めてくれれば無償で力を貸すようになる。

ドロシー・オルブライト

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