オカルト話にハマった人におすすめしたい2ちゃんねる発の怖い話「八尺様」「リアル」を紹介!
本記事では2ちゃんねるのオカルト板で盛り上がっていた怖い話の中から、「八尺様」と「リアル」の内容をまとめて紹介している。「八尺様」は身の丈が非常に高い女の霊に魅入られてしまった男性の話、「リアル」は心霊スポットに立ち寄った男性にその後次々と恐怖体験が降りかかるという話だ。いずれの話も「めちゃくちゃ怖い」と掲示板で話題となっていたものである。オカルト話にハマった方には特におすすめだ。
父「…」
父「失礼ですが、林さんのご職業をお聞きしても良いですか?」
林「あー、気になりますか?ま、そりゃ急に来てこんな話したら怪しいですもんねぇ」
林「でもね、ちゃんと除霊して、辺りを清めないと、T君、ほんとに連れて行かれますよ?」
母「あの、林さんにお願いできるでしょうか?」
林「それはもう、任せていただければ。
こーいうのは私みたいな専門の者じゃないと駄目ですからね。
ただね、お母さん。
こっちとしとも危険があるんでね、少しばかりは包んでいただかないと。ね、分かるでしょ?」
父「いくらあればいいんです?」
林「そうですね~、まぁ二百はいただかないと…。」
父「えらい高いな!?」
林「これでも彼が友達助けて欲しいって言うからわざわざ時間かけて来てるんですよ?
嫌だって言うならこっちは別に関係無いですからね~。
でも、たった二百万でT君助かるなら安いもんだと思いますけどね」
林「それに、T君もお寺に行って相手にされなかったんでしょう?
分かる人なんて一握りなんですわ。また、一から探すんですか?」
俺は黙って聞いてた。
さすがに二百万って聞いた時は○○を見たが、○○もばつの悪そうな顔をしていた。
結局、父も母も分からないことにそれ以上の意見を言える筈もなく、渋々任せることになった。
林は早速今夜に除霊をすると言い出した。
準備をすると言い、一度出掛けた。(出がけに両親に準備にかかる金をもらって行った)
夕方に戻ってくると、蝋燭を立て、御札のような紙を部屋中に貼り、
膝元に水晶玉を置き数珠を持ち、日本酒だと思うがそれを杯に注いだ。
何となくそれっぽくなって来た。
林「T君。これからお祓いするから。これでもう大丈夫だから」
林「お父さん、お母さん。すみませんが一旦家から出ていってもらえますかね?
もしかしたら霊がそっちに行く事も無い訳じゃないですから」
両親は不本意ながら、外の車で待機する事になった。
日も暮れて、辺りが暗くなった頃、お祓いは始まった。
林はお経のようなものを唱えながら一定のタイミングで杯に指をつけ、俺にその滴を飛ばした。
俺は半信半疑のまま、布団に横たわり目を閉じていた。林からそうするように言われたからだ。
お祓いが始まってから大分たった。
お経を唱える声が途切れ途切れになりはじめた。
目を閉じていたから、嫌な雰囲気と少しずつおかしくなってゆくお経だけが俺に分かることだった。
最初こそ気付かなかったが首がやけに痛い。
痒さを通り越して、明らかに痛みを感じていた。
目を開けまいと、痛みに耐えようと歯を食いしばっているとお経が止まった。
しかしおかしい。
良く分からないが区切りが悪い終り方だったし、終わったにしては何も声をかけてこない。
何より、首の痛みは一向に引かず、寧ろ増しているのだ。
寒気も感じるし、何かが布団の上に跨がっているような気がする。
目を開けたらいけない。それだけは絶対にしてはいけない。
分かってはいたが…。開けてしまった。
目を開けると、恐ろしい光景が飛び込んできた。
林は、布団で寝ている俺の右手側に座りお祓いをしていた。
目を開けると、林と向き合うように俺を挟んでアイツが正座していた。
膝の上に手を置き、上半身だけを伸ばして林の顔を覗き込んでいる。
林の顔とアイツの顔の間には拳一つ分くらいの隙間しかなかった。
不思議そうに、顔を斜めにして、梟のように小刻みに顔を動かしながら、
聞き取れないがぼそぼそと呟きながら林の顔を覗き込んでいた。
今思うと林に何かを囁いていたのかもしれない。
林は…少し俯き気味に、目線を下に落としたまま瞬きもせず、
口はだらしなく開いたまま涎を垂らしていた。
少し顔が笑っていたように見えた。 時々小さく頷いていた。
俺は、瞬きも忘れ凝視していた。
不意にアイツの首が動きを止めた。 次の瞬間、顔を俺に向けた。
俺は…慌てて目をギュッと閉じ、布団を被りひたすら南無阿弥陀仏と唱えていた。
俺の顔の間近で、アイツが梟のように顔を動かしている光景が瞼に浮かんできた。 恐ろしかった。
ガタガタと音が聞こえ、階段を駈け降りる音が聞こえた。 林が逃げ出したようだ。
俺は怖くて怖くて布団に潜り続けていた。
両親が来て、電気を着けて布団を剥いだとき、丸まって身体が固まった俺がいたそうだ。
林は、両親に見向きもせず車に乗り込み、
まっていた○○、○○の友達と供に何処かへ消えていった。
後から○○に聞いた話では、「車を出せ」以外は言わなかったらしい。
解決するどころか、ますます悪いことになってしまった俺には、
三週間先のS先生を待っている余裕など残っていなかった。
アイツを再び目にしてからさらに4日が経った。
当たり前かも知れないが首は随分良くなり、まだ痕が残るとは言え明らかに体力は回復していた。 熱も下がり身体はもう問題が無かった。
ただ、それは身体的な話でしかなくて、朝だろうが夜だろうが関係無く怯えていた。
何時どこでアイツが姿を現すかと思うと怖くて仕方無かった。
眠れない夜が続き、食事もほとんど受け付けられず、常に辺りの気配を気にしていた。
たった10日足らずで、俺の顔は随分変わったと思う。
精神的に追い詰められていた俺には時間が無かった。
当然、まともな社会生活なんて送れる訳も無く、親から連絡を入れてもらい会社を辞めた。
(これも後から聞いた話でしかないのだが…、連絡を入れた時は随分嫌味を言われたらしい)
とにかく、何もかもが怖くて洗濯物や家の窓から見える柿の木が揺れただけでも、
もしかしたらアイツじゃないかと一人怯えていた。
S先生が来るまでには、まだ二週間あまりが残っていた。俺には長すぎた。
見かねた両親は、強引に怯える俺を車に押し込み何処かへ向かった。
父が何度も「心配するな」「大丈夫だ」と声をかけた。
車の後部座席で、母は俺の肩を抱き頭を撫でていた。
母に頭を撫でられるなんて何年ぶりだったろう。
(当時の俺にはだが)時間の感覚も無く、車で移動しながら夜を迎えた。
二十歳も過ぎて恥ずかしい話だが、母に寄り添われ安心したのか、久方ぶりに深い眠りに落ちた。
出典: blog.seesaa.jp
目が覚めるとすでに陽は登っていて、久しぶりに眠れてすっきりした。
実際には丸1日半眠っていたらしい。
多分、あんなに長く眠るなんてもうないだろうな。
外を見ると車は見慣れない景色の中を進んでいた。
少しずつ、見覚えのある景色が目に入り始めた。
道路の中央に電車が走っている。車は…長崎に着いていた。これには俺も流石に驚いた。
怯え続ける俺を気遣い、飛行機や新幹線は避け車での移動にしてくれたらしい。
途中で休憩は何度も入れたらしいが、それでもろくに眠らず車を走らせ続けた父と、
俺が怖がらないようにずっと寄り添ってくれた母への恩は、一生かけても返しきれそうもない。
祖父母の住む所は長崎の柳川という。
柳川に着くと坂道の下に車を停め両親が祖父母を呼びに行った。
(祖父母の家は坂道から脇に入った石段を登った先にある)
その間、俺は車の中に一人きりの状態になった。
両親が二人で出ていったのは足腰の悪い祖母やS先生の家に持っていく荷物を
運ぶのを手伝うためだったのだが、自分で「大丈夫、行って来て」
なんて言ったのは本当に舐めてた証拠だと思う。
久しぶりに眠れた事や、今いる場所が東京・埼玉と随分離れた
長崎だった事が気を弛めたのかもしれない。
車の後部座席に足をまるめて座り(体育座りね)、
外をぼーっと眺めていると急に首に痛みが走った。
今までの痛みと比較にならないほど、言い過ぎかも知れないが激痛が走った。
首に手をやると滑りがあった。…血が出てた。
指先に付いた血が、否応なしに俺を現実に引き戻した。
この時、怖いとか、アイツが近くにいるかもって考える前に「またかよ…」って
なげやりな気持ちが先に来たな。もう何か嫌になって泣けてきた。
分かってもらえれば嬉しいけど、嫌な事が少しの間をおいて続けて起きるのって
もうどうしようも無いくらい落ち込むんだよね。
気持ちの整理が着き始めると嫌な事が起きるっては辛いよね。
この時は少し気が弛んでいたから尚更で、
「どーしろっつーんだよ!!」とか「いい加減にしてくれよ」とか独り言をぶつぶつ言いながら泣いてた。
車に両親が祖父母を連れて戻って来たんだけど、すぐにパニックになった。
何しろ問題の俺が首から血を流しながら後部座席で項垂れて泣いてるからね。
何も無い訳がないよな。
「どうした?」とか「何とか言え!」とか「もぅやだー」とか「Tちゃん、しっかりせんか!!」とか
「どげんしたと!?」とか「あなたどうしよう」とか。
この時は…思わず「てめぇらぅるっせーんだよ!!」って怒鳴ってしまった。
こんな時に説明なんか出来るわけねーだろって、
てめぇらじゃ何も出来ねぇ癖に…黙ってろよ!とか思ってたな。
勝手に悪い事になって仕事は辞めるわ、騙されそうになるわ…
こんな俺みたいな駄目な奴のために走り回ってくれてる人達なのに…。
今考えると本当に恥ずかしい。
で、人生で一度きりなんだけどさ、親父がいきなり俺の左頬に平手打ちをしてきた。
物凄い痛かったね。
親父、滅茶苦茶厳しくて何度も口喧嘩はしたけど
多分生まれてから一回も打たれた事無かったからな。
(父のポリシーで子供は絶対殴らないってのは昔から耳タコだったしね)
で、一言だけ「お祖父さんとお祖母さんに謝れ」って静かだけど厳しい口調で言ったんだ。
それで、何故か落ち着いた。
ってかびっくりし過ぎてそれまでの絶望感がどっかに行ってしまったよ。
冷静さを取り戻して、皆に謝ったら急に腹が据わってきた気がした。
走り始めた車の中で励ましてくれる祖父母の言葉に感極まってまた泣いた。
自分で思ってるよか全然心が弱かったんだな、俺は。
S先生の家(寺でもあるが)に着くとふっと軽くなった気がした。
何か起きたっていうよりは俺が勝手に安心したって方が正しいだろうな。
門をくぐり、石畳が敷かれた細い道を抜けると初老の男性が迎え入れてくれた。
そう言えばS先生の家にはいつもお客さんがいたような気がする。
きっと、祖母のように通っている人が多いんだろう。
奥に通され裏手の玄関から入り進んでいくと、十畳くらいの仏間がある。
S先生は俺の記憶の通り、仏像の前に敷かれた座布団の上に正座していて…
ゆっくりと振り向いたんだ。
(下手な長崎弁を記憶に頼って書くが見逃してな)
出典: www.kcn-net.org
祖母「Tちゃん、もうよかけんね。S先生が見てくれなさるけん」
S先生「久しぶりねぇ。随分立派になって。早いわねぇ」
祖母「S先生、Tちゃんば大丈夫でしょかね?」
祖父「大丈夫って。そげん言うたかてまだ来たばかりやけんS先生かてよう分からんてさ」
祖母「あんたさんは黙っときなさんてさ。もうあたし心配で心配で仕方なかってさ」
何でだろう…ただS先生の前に来ただけなのにそれまで慌ていた祖父母が落ち着いていた。
それは両親にも、俺にも伝わってきて、深く息を吐いたら身体から悪いものが出ていった気がした。
両親はもう体力的にも精神的にも限界に近かったらしく、
「疲れちゃったやろ?後はS先生が良くしてくれるけん、
隣ば行って休んでたらよか」と人懐こい祖父の言葉に甘えて隣の部屋へ。
S先生「じゃあTちゃん、こっちにいらっしゃい」
S先生に呼ばれ、向かい合わせで正座した。
S先生「それじゃIさん達も隣の部屋で寛いでらして下さい。Tちゃんと話をしますからね」
S先生「後は任せて、こっちの部屋には良いと言うまで戻って来ては駄目ですよ?」
祖父「S先生、Tちゃんばよろしくお願いします!」
祖母「Tちゃん、心配なかけんね。S先生がうまいことしてくれるけん。
あんたさんはよく言うこと聞いといたらよかけんね。ね?」
しきりにS先生にお願いして、俺に声をかけてくれる祖父母の姿にまた涙が出てきた。
泣きっぱなしだな俺。
S先生はもっと近づくように言い、膝と膝を付け合わせるように座った。
俺の手を取り、暫くは何も言わず優しい顔で俺を見ていた。
俺は何故か悪さをして怒られるじゃないかと
親の顔色を伺っていた子供の頃のような気持ちになっていた。
目の前の、敢えて書くが自分よりも小さくて明らかに力の弱い
お婆ちゃんの威圧的でもなんでもない雰囲気に呑まれていた。
あんな人本当にいるんだな。
S先生「…どうしようかしらね」
俺「…」
S先生「Tちゃん、怖い?」
俺「…はい」
S先生「そうよねぇ。このままって訳には行かないわよねぇ」
俺「えっと…」
S先生「あぁ、いいの。こっちの話だから」
何がいいんだ!?
ちっともよかねーだろなんて気持ちが溢れて来て、耐えきれずついにブチ撒けた。
本当に人として未熟だなぁ、俺は。
俺「あの、俺どーなるんすか? もう早いとこ何とかして欲しいんです。 大体何なんですか?
何でアイツ俺に付きまとうんですか? もう勘弁してくれって感じですよ。
S先生、何とかならないんですか?」
S先生「Tちゃ…」
俺「大体、俺別に悪いこと何もしてないっすよ!?
確かに□□(心霊スポットね)には行ったけど俺だけじゃないし、
何で俺だけこんな目に会わなきゃいけないんすか?
鏡の前で△しちゃだめだってのも関係あるんですか?
ホント訳わかんねぇ!!あーっ!苛つくぅぁー!!」
「ドォ~ドォルルシッテ」
「ドォ~ドォルル」「チルシッテ」
…何が何だか解らなかった。(ホントに訳解んないので取り敢えずそのまま書く)
「ドォ~。 シッテドォ~シッテ」
左耳に鸚鵡か鸚哥みたいな甲高くて抑揚の無い声が聞こえてきた。
それが「ドーシテ」と繰り返していると理解するまで少し時間がかかった。
俺はS先生の目を見ていたし、S先生は俺の目を見ていた。
ただ優しくかったS先生の顔は無表情になっているように見えた…。
左側の視界には何かいるってのは分かってた。 チラチラと見えちゃうからね。
よせば良いのに、左を向いてしまった。
首から生暖かい血が流れてるのを感じながら。
アイツが立ってた。
体をくの字に曲げて、俺の顔を覗き込んでいた。
くどいけど…訳が解らなかった。起きてることを認められなかった。
此処は寺なのに、目の前にはS先生がいるのに…何でなんで何で…。
一週間前に、見たまんまだった。
アイツの顔が目の前にあった。 梟のように小刻みに顔を動かしながら
俺を不思議そうに覗き込んでいた。
「ドォシッテ? ドォシッテ? ドォシッテ? ドォシッテ?」
鸚鵡のような声でずっと質問され続けた。
きっと…林も同じようにこの声を聞いていたんだろう。
俺と同じ言葉を囁かれていたのかは解らないが…。
俺は…息する事を忘れてしまって目と口を大きく開いたままだった。
いや、息が上手く出来なかったって方が 正しいな。
たまに【コヒュッ】って感じで息を吸い込む事に失敗してた気がするし。
そうこうしているうちに、アイツが手を動かして顔に貼り付けてある
お札みたいなのをゆっくりめくり始めたんだ。
見ちゃ駄目だ!! 絶対駄目だって分かってるし逃げたかったんだけど動けないんだよ!!
もう顎の辺りが見えてしまいそうなくらいまで来ていた。
心の中では「ヤメロ!それ以上めくんな!!」って叫んでるのに口からは
「ァ…ァカハッ…」みたいな情けない息しか出ないんだ。
もうやばい!! ヤバい!ヤバい!ってところで
「パンッ!!」
って。
例えとか誇張でもなく“跳び上がった。 心臓が破裂するかと思った。
「パン!!」
その音で俺は跳び上がった。
正座してたから体が倒れそうになりながら後に振り向いてすぐ走り出した。
何か考えてた訳じゃなく体が勝手に動いたんだよね。
でも慣れない正座のせいで足が痺れてまともに走れないのよ。
痺れて足が縺れた事とあんまりにも前を見てないせいで
頭から壁に突っ込んだがちっとも痛くなかった。
額から血がだらだら出てたのに…、
それだけテンパって周りが見えてなかったって事だな。
血が目に入って何も見えない。手をブン回して出口を探した。
けど的外れの方ばっかり探してたみたい。
「まだいけません!」
いきなりS先生が大きい声を出した。
障子の向こうにいる両親や祖父母に言ったのか俺に言ったのか分からなかった。
分からなかったがその声は俺の動きを止めるには十分だった。
ビクってなってその場で硬直。またもや頭の中では物凄い回転で事態を把握しようとしていた。
っつーか把握なんて出来る筈もなく、S先生の言うことに従っただけなんだけどね。
俺の動きが止まり、仏間に入ろうとする両親と祖父母の動きが止まった事を
確認するかのように少しの間を置いてからS先生が話始めた。
S先生「Tちゃんごめんなさいね。怖かったわね。もう大丈夫だからこっちに戻ってらっしゃい」
「Iさん、大丈夫ですからもう少し待ってて下さいね」
障子(襖だったかも)の向こうからしきりに何か言ってのは聞こえてたけど覚えてない。
血を拭いながらS先生の前に戻ると手拭いを貸してくれた。
お香なのかしんないけどいい匂いがしたな。
ここに来てやっとあの音はS先生が手を叩いた音だって気付いた。
(質問出来る余裕は無かったけど)