商業BL界で、最も有名とさえ言えそうなほど多くのファンに愛されているのが中村明日美子さんの「同級生」シリーズ。
「Jの総て」ほか、耽美的な作品を描き出す中村明日美子さんが書く、現代高校生の爽やかな青春ストーリーです。
メインの二人である草壁と佐条の話は「卒業生(冬)」、「卒業生(春)」と季節をめぐる3冊でひとつのストーリーとして成り立ちます。
音楽好きで友人も多い草壁と、真面目で勉強に打ち込む佐条の高校生活が季節とともに鮮やかに過ぎていきます。
「まじめに、ゆっくり、恋をしよう。」をメインテーマとして、じわりじわりと関係を進めていく二人が可愛い!
「同級生」シリーズは、メインの二人の話だけではありません。
サブキャラクターである「ハラセン」こと原先生を主役にした一冊も好評。
ハラセンは、本編ストーリーでは受けキャラにひっそりと片思いをしながら、とうとう進展なく終わってしまうキャラなのですが……。
たくさんの個性豊かなキャラクターが登場する「同級生シリーズ」は、「O.B.」の二冊によって完結します。
「BLって、男同士の恋愛が当たり前の世界でしょ?」と思って読んでいくと……現実的な目線を持ったキャラクターも登場。
草壁、佐条だけに限らず周りのキャラクターも皆、どこかに終着点を見つけようとするオムニバス。
「幸せ」の形を問いかけるような、様々なストーリーとキャラクター。
あなたが最も共感できるのは、誰のストーリーでしょうか。
現在アニメを制作中のようで、そのPVも公開されています。原作の繊細な雰囲気が残されたPVに、期待も高まりますね!
真面目で無愛想ゆえに面白みがない、と思われがちな水谷と、そんな受けのことが気になって仕方ない、クラスの人気者ではつらつとした沢木。
そのコントラストが可愛らしく、高校生ならではの悩みにも繋がっていきます。
また、部活や授業、合宿、修学旅行など、高校生らしいシチュエーションに、相手から返事がこなくて不安……というような青くさい描写がキュン! を誘います。
ふたりとも、とにかく純粋! 純粋ゆえに「不純」な行為に対しての背徳感が高まっていくのです。
途中では隣の家に住み、受けにちょっかいをかけるいわゆる「当て馬」的なキャラクターも登場。
「付き合うまでのドキドキ」以上に、「付き合ってからゆっくりと前進していく過程」を丁寧に切り取った作品です。
チビでツリ目と、見た目に良い所なしの吉田は全くモテた事がない。ところがある日、校内一のモテ男・佐藤から告白されて学園生活が一変!! 佐藤に恋人が出来たとの噂が学園で出回り、翻弄される吉田の姿が!? 大人気シリーズ、ショート描き下ろし付きで登場!!(出版社より)
出典: www.amazon.co.jp
新しい!? 「ブサイク受け」の金字塔。
学校一のイケメン王子様である佐藤に、どういうわけだか(?)愛されてしまった吉田は「なんであんたが!?」と学校中の女子に非難される始末。
イケメン策士&受け溺愛の攻めにほだされていく受けは、ブサイクキャラのはずがなぜだかどんどん可愛くなっていくのです……。
読者は攻めと一緒になって「かわいい~!!」と身もだえしてしまうはず。
ラブコメディとして楽しく読み進められるので、BL初心者にもおすすめ!