「あさはかな夢みし」に登場した粥杖神事とは?小正月に尻を棒で叩くと妊娠?

平安時代の女性を描いた『あさはかな夢みし』では、「粥杖神事」という行事が登場する。この行事は『枕草子』などにも登場しており、1月15日の小正月に十二単衣の女房達が棒で尻をたたき合うというものであるらしい。

■『江古田ちゃん』の、瀧波ユカリさんの漫画『あさはかな夢みし』

出典: www.moae.jp

▼1巻では、『粥杖神事』が、登場しました

◆粥杖(餅粥節供)て、どんなイベントなの?

出典: www.iz2.or.jp

十五日粥(じゅうごにちがゆ)(七種粥(ななくさがゆ))

この節供には粥を炊くのに使った杖でお尻を打つというおもしろい風習がありました。

出典: heiankyo.co.jp

邪気払いの十五日粥を作るために、神聖な火を起こした薪の燃え残りの木を削って作った「粥杖(かゆづえ)」で子どもがいない女性の尻をたたくと子宝に恵まれる、あるいは男性の尻をたたけばその人の子を宿すなどといって、粥杖をもってお互いに隙を狙って打ち合って戯れている様子が記されています。

出典: kakitutei.gozaru.jp

粥杖(かゆづえ)

この杖で、お尻をたたき合うのだそうです。ちょっとしたイベント的に、楽しんで行なうものだったようです。

▼粥杖は…薪なの?マドラーなの?

二通りの解釈があります

1、「粥を煮た時の燃えさしの薪を削って作った棒」説と、
2、「粥をたくとき、かきまわすのに使う棒」説

があるようです。

粥杖は、ここでゲット

「粥杖」授与 1,000円

15日の朝、粥杖に挟んであった守札を玄関に貼り、この枝でかき混ぜた小豆粥をそろって食すれば、疫病災難を免れるといわれています。
(お正月の限定授与品です。)【八坂神社】

八坂神社の「粥杖」

出典: loco.yahoo.co.jp

上賀茂神社

【小正月である1月15日に小豆を食することで邪気が祓われるという故事にのっとり、上賀茂神社で御粥神事が執り行われます。春の木である樒(しきみ)で作られた粥杖を、小豆粥とともに供えることにより、春の気をもたらすとされます。※中門から拝観可能】

粥を炊いた薪の燃え残り「粥杖(かゆづえ)」で女性の尻をたたくと子宝に恵まれるとか、男の尻をたたけばその人の子を宿すなどと言って、宮廷女房の間ではこの日、粥杖をもってお互いに叩き回る行事となって流行し、多くの文学作品に登場する。

出典: www.iz2.or.jp

【狭衣物語】

果ての十余日には、若き人々群れ居つつ、
をかしげなる粥杖ひきかくしつつ、
互(かた)みにうかがひ、打たれじ
と用意したるゐずまひ・思はくどもも

出典: blog.goo.ne.jp

【狭衣物語】
平成6年のセンター試験に出題された『狭衣物語』に
「狭衣大将の家は、粥杖で打ち合う遊びでにぎわっている。
粥杖の遊びは正月十五日の行事で、
粥を炊く薪で作った杖で女性の腰を打つと、
打たれた女性に子供ができると信じられていた。」
という前書きあります。

女房が手に持っているのが粥杖

【枕草子】

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@yusuke0610

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