アリスと蔵六(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アリスと蔵六』とは、今井哲也による漫画、及びJ.C.STAFF製作のアニメーション作品。2012年から連載が始まり、2013年に第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。「アリスの夢」と呼ばれる能力者である主人公「沙名」は、住んでいたある研究所から逃亡する。空腹の中出会ったのは、曲がった事が大嫌いなお爺さん「樫村蔵六」であった。

物語のはじめ、ヤクザと思われる人達と仕事の話をし、VIP待遇を受け、大金を貰う蔵六。
強面な顔から、その手の職業の人なのかと思われた。
しかし1話のラストで蔵六は花屋さんであったことが明らかになる。
ヤクザは告白をするために蔵六に花を作ってもらっていたのである。
なおその告白はめでたく成功し、後日蔵六の花屋のメンバーと沙名は婚約パーティーの花を届けに行く。
ヤクザが告白し成功した相手は女子高校生と思われる少女であった。
沙名は少女から「家族」や「結婚」という言葉を覚える。
家族とは何か?と沙名が早苗に聞くと、早苗は既に自分と沙名は家族だと答える。
つまり蔵六とも家族なのか?と思い、モシャモシャする沙名であった。

紗名とかっこいいお姉さん

物語の語り部(CV:田村ゆかり)として度々登場し、沙名がピンチの時に助言を求めた謎の女性。
口ぶりや見た目から未来の沙名であると予測される。
蔵六から沢山の事を学んで成長し、蔵六と同じく花を愛しているようである。
最終話のラストでは墓参りをしていて、「今はもう大丈夫だ、お前のおかげだな、蔵六」と口に出した。

紗名の名前の由来

沙名は元々は人の形をしていなかった。
人の形を取るようになってからも、相手の頭を除く事で意思疎通が出来たため言葉を知らず、他人と自分との境界が曖昧であった。
しかし、同じくアリスの夢であるよながとあさひに出会い、二人の頭を除いた時にあなたと私達は違う存在だと言われる。
そして二人との接触で言葉を知り、自我が芽生えた。
よながとあさひは、絵本に出てきた赤の女王は魚が好きという設定から、沙名(さかな→さな)という名前を与えた。
沙名の二人から、洋服・言葉・数・歌や絵本など沢山学んで行き、沙名にとっては幸せな時間であった。
しかしその後沙名は、研究所の人々が何かの実験で人を殺したのを目撃してしまい、怖ろしくなって研究所から逃亡する。
当初、研究所から逃げた沙名が友達を助けたいと口にしていたが、それはこの二人の事だったのだろうと思われる。

ミニーCの過去

ミニーCは元米軍少尉で、夫は爆弾処理中に死亡してしまう。
その後睡眠障害を煩っていたが、夫の腕に抱かれる夢を見るようになってから状態が安定し、アリスの夢になった。
そのため、能力は夫の腕を具現化して呼び出すというもの。
ミニーCは能力で出した腕を「アナタ」と呼んでいる。
沙名の何でも創造できる能力を研究し、その能力がもし手に入ったら、夫を創造するつもりであったのだろうと思われる。
そのため逃げた沙名を追い詰め、何としても研究所へ戻そうとしていた。
一条に敗れた際、一条に「アリスの夢の能力は、多分自分の願望を叶えてくれるために現れたものではない」と言われる。
体力が尽きて夫の腕が出せなくなったミニーCは、1人になったのはいつぶりだろう、これから先も生きて行かなきゃいけないなんて、私1人生きていてごめんなさいと涙した。
ミニーCの行動動機は、全て夫に対する愛情であったのである。

散髪の帰り道

沙名は長い髪を切るために蔵六と一緒に美容院へ行く。
蔵六は散髪が終わるまで席を空け、内藤と喫茶店で会っていた。
内藤に頼んで沙名の戸籍を作っていたのである。
その頃、短く切った髪を早く蔵六に見せてあげたかったのか、沙名は蔵六を探しにお店から出てしまう。
そして猫を追いかけているうちに迷子になってしまう。
沙名は蔵六から無闇に能力を使うなと言われていたため、迷子になっても能力を使おうとしなかった。
小さな子が迷子になっているという通報がされ、沙名は警察に保護され、派出所で蔵六と沙名は無事合流する。
沙名は蔵六に背負われて帰った。
道中、能力を使ってはいけないと思っていた沙名は、こういう時は能力で呼べば良いと蔵六に言われる。
蔵六は何でも能力に頼るなとは言ったが、能力を含めて沙名であるため上手く付き合って行けばいいと教える。
家に帰ると、蔵六は沙名に豚の人形をプレゼントする。
そして、沙名を「樫村沙名」として養子縁組することを沙名に話した。

モシャモシャする紗名

モシャモシャして寝れなくなってしまう沙名。

蔵六の元へ来てから沙名はモシャモシャする謎の感情に苛まれる。
これは自分で自分の気持ちに整理が付かない、子供でも大人でも誰にでもある現象である。
これまで外の世界を知らず、人間というものも良く分からずに生きていた沙名はモシャモシャするという試練を乗り越えなくてはいけなくなる。
これは沙名の人間としての成長でもあるのだ。
最初は蔵六と家族になる事にモシャモシャし、よながとあさひに対する気持ちでモシャモシャし、羽鳥と歩に対する気持ちでモシャモシャしていた。
本人も気持ちが良く分からずに苦しかったりイライラする時にモシャモシャすると使うようである。

悪い魔女になっていく羽鳥

羽鳥は小学校の受験を失敗して以来、母親から嫌われていると思っている。
自分の出来が悪いから母は自分に失望し、父とも仲が悪くなったのだと責任を感じていた。
アリスの夢になったあと、羽鳥は昔読んだ絵本の良い魔女と悪い魔女に自分を例えていた。
しかし皆の幸せを願う良い魔女として振舞うつもりがいつの間にか度を越し、私利私欲で動く悪い魔女へとなってしまう。
そして気が付くと両親は自分で何かを考えて行動することの出来ない人形のようになってしまい、羽鳥の命令無しでは行動停止した人形のようになっていた。
羽鳥本人は両親を自分が操っていると気づいてて気づかぬフリをしていたが、人形の様になった両親を目の当たりにしショックを受ける。
自分がこのまま家に居たら、自分の願望で塗り固めた嘘の家族を作ってしまうと家出を決意するも、原宿で沙名と出会い失敗。
その後、もう後には戻れないと認め、嘘の家族でも良いから親(特に母親)と一緒に居たいと思うようになる。
羽鳥の望みは母が昔のように自分を愛し、両親が仲良くしてくれる、ごく普通の幸せなのである。
しかし全てが悪い方向へ転がってしまい、羽鳥は自分を悪い魔女として認識し、開き直っていく。

『アリスと蔵六』の第2部放送直前特番

5.5話は、第2部放送直前特番となる。
出演者は、沙名の声優「大和田仁美」、蔵六の声優「大塚明夫」、鬼頭の声優「松風雅也」で、アリスと蔵六に関するトークコーナーが設けられた。
そして第1部のあらすじを振り返り、第2部のキャラクター紹介と展開を紹介した。

『アリスと蔵六』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):ORESAMA『ワンダードライブ』

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