奈須きのこ作品の名言・名セリフまとめ【空の境界・月姫・Fateシリーズ・DDD】
奈須きのこはシナリオライター・小説家・同人作家として活躍する人物で、『空の境界』や『月姫』、『Fateシリーズ』、『DDD』など多くの人気作品を手掛けている。ほとんどの作品で世界設定が共通しており、その独自の世界観が奈須きのこ作品の魅力の1つとなっている。
ここでは奈須きのこ作品の名言・名セリフをまとめた。
いいですか。無条件に愛されなかったもの、社会に迫害された人間は、総じて自身の価値を喪失している。愛されなかったから、居場所を与えられなかったから、自分に価値があるとは思えない。一生卑屈に生きていく。その欠落、マイナスを取り戻す事はできません。このディスアドバンテージは本人には決して埋められない。
―――解決方法は一つだけ。自身に価値を見出せないのなら、君の価値を認めてくれる者に触れなければいけない。君には自信ではなく、君を必要とする者こそが必要なのです。一生をかけて探しなさい。その為に、君は生きていくべきだ
伽藍洞だという事はいくらでも詰め込めると言う事だろう。
この幸せ者め、これ以上の未来が一体どこにあるというんだ
蒼崎橙子
式が自らの生の実感の無さ、空虚さを「私には何もない」と語った際の台詞。式にとっては絶望でしかないその状態も、「伽藍洞(からっぽ)ならこれからいくらでも詰め込める」と前進の可能性を示した。
なんの意味もないけど、それはきっと、きっと楽しいよ―――
―風は止んだし、合図も鳴った。
さあ―そろそろ本気で走りはじめなくちゃ―
これは僕が始めた戦いだ。
僕が血を流して、犠牲を払って、その上で勝ち上がらなきゃ
意味がないんだ
式。君を――――一生、許(はな)さない
黒桐幹也
「殺し」てしまった式を、強く抱きしめながらの台詞。
このルビの振り方には鳥肌を禁じ得ない。
―――もっと生きて、いたい。
―――もっと話して、いたい。
―――もっと思って、いたい。
―――もっと ここに いたい―――
浅上藤乃
「生きている」という実感が持てなかった彼女が、迫る「死」を前にしてようやく感じ得た「実感」。
でも、きっと幸せですよ。
だって今までが楽しかったんです。
だからきっと、これからだって楽しいんだ。
死期が近いと告げられて、後悔はあるかと振り返った際の台詞。
志貴、聖人になれなんて言わない。
いけない事を素直に受け止められて「ごめんなさい」って
言える君なら
―――――――10年後にはきっと素直な男の子になってるわ
…私は顔を上げてヤツの死を視る。
無くしてしまうのはわかっている
きみが信じてくれたものや、きみが好きだといってくれた私を。
わかっていても、私はヤツを殺すことにした。
それで今までの自分がみんな消えてしまうとしても、
きっと誰も傍にいてくれなくなるだろうけど。
それでも——それでも私は、おまえを殺したこいつが許せない——
両義式
人を殺すのはいけないことだと、式に諭し続けた幹也。その彼を殺したと理緒に告げられ、それまでのすべてを否定するとしても「殺さず」にはいられなくなった。
認めろ荒耶。私達は誰よりも弱いから、
魔術師なんていう超越者である事を選んだんだ。
蒼崎橙子
常識の中で生きられない弱者だからこそ、超越者である魔術師であることを選んだ。
他作品であるが、「とある魔術の禁書目録」の一文に「魔術師なんてのは世界に裏切られた泣き虫の集まりなののさ。常識の中では救えない望みをもって、駄々をこねてる子供」的なものがあった。
ともすればさまざまな社会のしがらみを前に「現実逃避」しかけていた中学生時代に、この台詞を読んで踏みとどまった記憶がある。
「私は何者でもない。ただ結論が欲しい。
この、醜く汚く下衆で蒙昧な人間共。奴らが死に絶えた後、
歴史にそれしか残されないのなら―――その醜さこそが
人間の価値だったのだと結論できる。
醜く、救われない存在こそが人間なのだと、
私は安心できるのだ」
荒耶宗蓮
奈須きのこの代弁ではないか、と思えるテーマ「人の愚かさ」を表した台詞。かつて多くの人間を救ってきた僧侶が、救えども救えども終わらぬ愚かな闘争を前に、それでも人間の価値を見出そうとして至った結論。
この英霊サマは、よりにもよって
戦場が地獄よりもましなものだと思ってる。
冗談じゃない、あれは、正真正銘の地獄だ。
戦場に希望なんてない。あるのは掛け値無しの絶望だけ。
敗者の痛みの上にしか成り立たない。
勝利という名の罪過(ざいか)だけだ。
なのに人類は、その真実に気付かない。
いつの時代も、勇猛果敢な英雄サマが、
華やかな武勇談で人の目をくらませ
血を流すことの邪悪さを認めようとしないからだ。
人間の本質は石器時代から一歩も前に進んじゃいない
素質に沿った生業(なりわい)を選ぶってのが、
必ずしも幸せな事だとは限らない。
何をしたいのかを考えずに、何をすべきかだけで動くようになったらね
そんなのは、ただの機械、ただの現象だ。人の生き方とは程遠い。」
「優しいんですね、志貴さんは。でも気にしないでください。私は人形ですから、痛くも怖くもありません」
「またそれか―――おまえは、なんでそんな―――」
「だってそのほうがすごく楽なんですよ? 人間だといろんな事が辛すぎて、すごく、痛かったんです。でも誰も助けてくれなかった。どこにも出口なんかなかった」
そう、と小さく息をはいて。
彼女は、目を瞑って思い出す。
「痛いのはイヤなんです。 だから、人形になってしまえばいいと」
「琥……珀?」
「だから、人形だったら、よかったのに」
「死が視えているのなら、正気でなんかいられない。おまえに解るのは物を生かしている部分だけなんだよ。
死が視えるのなら―――とても、立ってなんかいられない」
「おまえ―――なにを」
「……物事の『死』が視えるという事は、この世界すべてがあやふやで脆いと言う事実に投げ込まれることだ。
地面なんて無いに等しいし、空なんて今にも落ちてきそう」
「なにを―――何の事を言っているんだ、おまえ」
「……一秒先にも世界すべてが滅んでしまいそうな錯覚を、おまえは知らない。
―――それが、死を視るという事なんだ。
この目はさ、おまえみたいに得意げに語れる力なんかじゃない。
それがおまえの勘違いだ、吸血鬼。
命と死は背中合わせでいるだけで、永遠に、顔を合わせることはないものだろ」
「だから―――その目で私を見るなと言っているだろう……!」
走ってくる足音。 けど、俺のほうが何倍も早い。
「―――教えてやる。
これが、モノを殺すっていうことだ」
「―――はい。これで、この人を殺したのはわたしです」
剣を手にして、息を弾ませて、先輩がそこにいる―――。
「……え?」
ちょっと、よく、先輩の意図がわからない。
「ですから、ロアを殺したのはわたしです。
……相手がどんなものであれ、人殺しはいけません。貴方はこっち側に来ちゃいけない人です。
だから、殺したのはわたしなんです」
両手を腰にあてて、とても偉そうに、先輩はそう言いきった。
「……先輩、それ詭弁だよ」
「詭弁、かな。でも優しい嘘なら、それもいいと思います。たとえ偽善でも、何となく救いがありそうじゃないですか」
「――――――」
「...どうして?
わたし吸血鬼なんだよ
一緒にいたって一つもいいことなん 」
「あるよ
一緒にいたら...
大好きなおまえの笑顔がもっと見れる
結構いい特典だと思うけど? 」
「何...いってるの」
まったく―――繋がれた家族愛というのは、無自覚の地獄だな
曰く、神が完全無欠にして全知全能であるのなら。
悪魔とは、荒唐無稽にして人知無能の現象である。
言ったでしょう?君はまっすぐに生きなさいって。
志貴は本当にそうなってくれた。けど、辛い事よ。
君の目が君に災厄を引き寄せるなら、
君は少しくらい曲がったほうが楽だった。
…誰よりも卓越した殺人鬼が、
誰よりも殺人を嫌っているなんて皮肉じゃない。
志貴は普通に暮らすか、心まで逸脱してしまえれば、
そんなに苦しむこともなかったのに
本当に怖い人間っていうのはね、培ってきた過去も未来もどうでもいい”現在”しか見えていないって人のコト
汚れがないから美しい、というのは間違いだよ。僕の世界はここだけだ。汚い事、醜い事を何一つ知らないから奇麗なだけ。それは美しいとは言わない。ただの虚無だ
だから、百の嘘の中に十の実話を混ぜるんだよ。そうなると、どっちもウソになってくれる
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