鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎(ゲ謎)のネタバレ解説・考察まとめ

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』とは、2023年に公開されたアニメ映画。『ゲゲゲの鬼太郎』の第6期アニメシリーズの前日譚となっている。監督は古賀豪で、興行収入は約27億円。宣伝は少なかったが、公開後に評判が広まって大ヒットを記録した。キャッチコピーは「初めて明かされる、鬼太郎の父たちの物語」。
昭和31年、日本財政界に強い影響力を持つ龍賀時貞が死去。次期当主が誰になるか探るため、龍賀家の人々が暮らす哭倉村へと赴いた戦場帰りの青年・水木は、謎の青年ゲゲ郎と共に忌まわしき秘密を解き明かしていく。

CV:石田彰

哭倉村の村長。外法に手を染めた陰陽師の一派である「裏鬼道」(うらきどう)の末裔。
龍賀一族と結託し、幽霊族の捕獲を担当していた。

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の用語

哭倉村(なぐらむら)

物語の舞台となる山奥の村。龍賀一族が支配している。
狂骨が解放されたことで滅亡し、70年後の現代では廃墟と化している。

血液製剤“M”(けつえきせいざい エム)

龍賀製薬が密かに製造している秘薬。常識外れの効果を持つ強壮薬で、日清戦争や日露戦争での日本の勝利に少なくない貢献を果たしたとされる。
その原材料は幽霊族の血だが、この事実は龍賀一族の中でもごく限られた者しか知らない。

狂骨(きょうこつ)

何かを深く恨みながら死んだ人間の怨念から生まれる妖怪。霊力が高い者ほどより強力な狂骨を生み出す。
狂骨によって殺された者も狂骨を生み出すため、一度に大量に解き放たれると連鎖的に狂骨が増えていく危険な存在である。

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

水木「あんた、つまんねえな!」

幽霊族ではないからこそ、“呪詛返し”された狂骨の攻撃対象にされず、時貞の下へと辿り着いた水木。そんな彼に、時貞は「会社をいくつかくれてやる」と言って懐柔策に出る。ずっと望んでいた立身出世を目の前にぶら下げられた水木は、しかし「良い服を着て、良いものを食べて、多くの者を従えることこそ人生の勝利者たる証である」と得意げに語る時貞に「あんた、つまんねえな!」と言葉を返し、彼の頼みの綱である“呪詛返し”の道具を破壊する。
ゲゲ郎が徹底的に追い詰められているからこそ、水木の鮮やかな啖呵と行動が非常にカッコいい。

ゲゲ郎「我が子が生まれる世界じゃ」

解放された狂骨を食い止めると言い出すゲゲ郎に、水木は「お前がそこまでする必要がどこにある」と問う。これに対し、ゲゲ郎は静かに「我が子が生まれる世界じゃ」と言葉を返し、父親としての深い愛情を見せつける。これには水木も返す言葉が無く、ゲゲ郎の決死の覚悟を受け入れるのだった。

水木「約束しろ。絶対に生きて戻ってくると」 ゲゲ郎「ああ、また会おう」

狂骨を食い止めるために決死の賭けに出る水木。彼の妻と子を託された水木。哭倉村で共に過ごす短い間に、いつしか相棒として信頼するようになっていった2人は、別れる刹那に短い約束を交わす。

水木「約束しろ。絶対に生きて戻ってくると」
ゲゲ郎「ああ、また会おう」

それが限りなく困難であることを互いに知りつつ、2人は再会を誓う言葉と共に別行動を取る。男の友情を感じさせる名シーンである。

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

水木のモデルは「原作者の水木しげる」+「昭和の名優・佐田啓二」

水木はもともと『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズで設定されているキャラクターで、「戦争帰り」、「血液会社で働く」点などは原作者の水木しげるがモデルだとされている。
本作ではさらに「喫煙者である」、「沙代の好意をすんなり受け取らない」など分別ある大人である点が強調され、昭和の名優として知られる佐田啓二(さだ けいじ)の魅力を取り入れて描かれている。担当声優の木内は、役作りの一環として佐田が出てくる映画を視聴するよう命じられている。

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