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tabutitetuo25のレビュー・評価・感想

ビーストウォーズメタルス 超生命体トランスフォーマー
10

シリアスとギャグのミックスの素晴らしきお手本

アニメのサブスクでビーストウォーズメタルスを見た第一印象は、「なんだこの気持ち悪い見た目のトランスフォーマーは」と、悪い方に思っていたけれど、豪華声優陣がまじめとおふざけのバランスをうまくとって、動物と自然しかない惑星で命がけのデストロン軍との戦いの真っ最中なのに、ふざけたアドリブで笑わせてくる。でも、場の空気をぶち壊すふざけ方じゃないから、ビーストウォーズだけのシリアスギャグな空気を気が付けば全肯定して楽しんでいて、お気に入りのキャラもできていた(蜂のワスピーターと、ごっつんこが口癖のインフェルノ←お前、そんなかっこいい名前やったんかと、口癖とのギャップに驚愕した)。
キャスト陣が別の作品に出演して、お笑い系のキャラを演じたのを見て聞いてきたから、この人はお笑いの演技が上手くて面白いという信頼感があったのもあるだろう。それに、オープニング、エンディング、次回予告でもテンションマックスでメインキャラが喋っていた。次はだれが何を言うんだろう、どう笑わせてくれるんだろうと、ファンを手放さない作りにしていたから、いくつもテレビシリーズが作られたし、時を超えて新作映画も制作、公開されるほど愛されたのだろう。

ダーク・タワー
8

原作者スティーブンキングのカオスな世界観を見事に表現した名作。

2017年に公開された、アメリカ映画『ダーク・タワー』は『アベンジャーズ』シリーズや『パシフィック・リム』への出演で広く知られるイドリス・エルバが主人公ローランドを熱演。
ローランドが追う黒衣の男をアカデミー賞俳優、マシュー・マコノヒーが演じ、話題を呼んだ作品である。
原作は”ホラーの帝王”とも呼ばれるスティーブン・キングの同名小説である。
本作の魅力はスティーブン・キング独特のファンタジーとSFの世界観がごちゃ混ぜで、さらにお馴染みのダークな世界観を見事に表現した作品となっている事にある。
冒頭、後に重要な役割を果たすことになる少年、ジェイクが暮らす現実世界のニューヨークから物語が始まるが、ジェイクが感じる違和感から徐々に忍び寄る異世界の侵略の影を見事に表現、ジェイクの壊れていく日常を体感できる。
異世界に入ってからも襲い来るクリーチャーたちの気味悪さも去ることながら、現実世界ではありえない不思議な自然現象や建物など、単純に恐怖を煽るのではなく、知的好奇心を刺激し、不思議な世界に誘ってくれる。
また、本作はアクション面も圧巻で、主人公ローランドのガンアクションの数々はアクション映画好きには堪らない出来になっている。
特に、クライマックス前に多数の敵を相手に立ち回る意を演じるローランドの早撃ちとリロードアクションはアクション映画史に残る場面と言っても過言ではない。

ターミネーター:ニュー・フェイト / Terminator: Dark Fate / T6
10

新たな救世主の物語

しばしばいわゆる「黒歴史」扱いされている「3」や「4」を無かったことにして公開された、ターミネーター2の正式な続編です。
しかし今作にはこれまでのターミネーターシリーズと決定的に違う点があります。それは、「ジョン・コナーの母親であるサラ・コナーの物語」ではないことです。
アメリカ映画では「世界を混乱に陥れる悪」「それを倒し世界にあるべき形を取り戻すヒーロー」の物語は定番中の定番です。ターミネーターの場合前者はスカイネット、後者はジョン・コナーです。
これはキリスト教の価値観がベースにあり、いつか必ず到来する終末を前に乱れた世界を救うキリストの物語を擬似的に追体験させる効果があります。つまり、ジョン・コナーはキリスト(Jesus ChiristとJohn Connerってイニシャルも同じですね)、それを生むサラ・コナーは聖母マリアそのまんまという訳です。
そこから一段アップデートされたのが「ニューフェイト」です。
終盤まで、敵のターミネーター「Rev-9」が主人公の女性「ダニー」を狙うのは何故なのか、ダニーを守るために未来から来るグレースとダニーにはどんな関係があるのかといった謎を残して話は進みます。
ネタバレをしますと、ダニーは未来で人類を脅かしている「新生スカイネット」を倒す解放軍のリーダーその人、グレースはダニーに命を救われたことがあるということでした。
アメリカ映画で、世界を救う物語で中核を担うのは白人男性というのがステレオタイプでした。
それを覆したというだけでも、絶賛に値します。

NARUTO / ナルト
10

目指したい人がきっと見つかる物語です

少年ジャンプで連載の「NARUTO」は体裁は少年向けの漫画ですが読む人が男でも女でもたとえ年配であっても楽しめる作品です。
少年向けの雑誌に掲載されたので当然主人公はナルトという少年になるのですが、精神的のも肉体的にもどんどん大きく成長するのが主人公だけではないところが
この物語の素晴らしい点でしょう。
長い連載のなかで彼以外にも数え切れない人数が登場するのですがその人たちもナルト同様”生きて成長していく”んです。
厳しい現実に向き合いながらも決して意志を曲げないナルトに大人も子どもも「諦めない強さ」に目覚めていくところが特に良い。
ナルトに会った人は仲間たち、恩師や上司だけでなく、敵も影響を受けて変わっていきます。
生まれてすぐ両親を無くした赤ん坊が「まっすぐ信じた道を曲げない。」という強い意志を貫き通し、最後に世界中に名の轟く英雄になっていく姿に
感動するもよし、ナルトと関わりをもって良い方向に変わっていった他の登場人物たちを応援するもよし。
全700話という膨大なお話の中で気に入った人物に焦点をあて(おすすめはナルトの上司”はたけカカシ”や恩師”海野イルカ”です)、
そのキャラクターがナルトによってどう変わっていったのかをじっくり観察する…なんて楽しむのもアリだと思います。
とにかく、誰にフォーカスしても大丈夫なぐらいバックボーンがしっかり出来た漫画です。

セトウツミ
9

まさにオモシロ言い回しワンオアワンやで

具体的な地名も不明な、関西のある川辺で巻き起こる(?)とある少年二人の掛け合いを集めて、コミックにした作品です。
主人公は天才的な頭脳を持つクールなメガネ男子と、元サッカー部エースの明るく活発系男子。キャラクター設定としてはありがちにみえますが、この二人の台詞やどこか抜けた発言には他に類を見ない絶妙なセンスが感じられます。二人ともどこかワケありなのですが、突飛な遊びを提案したり、やりとりの中でとんでもない視点がうかがえたりと、二人の言動挙動に目が離せなくなります。
また、彼ら以外の登場人物も魅力で、活発系男子が想いを寄せる子が、実はメガネ男子に恋心を抱いていたり、その活発系男子を遠くから見ていた後輩の女の子がいたり。二人の遊びの審判役を務める子がジェラシーを感じたり、一風変わったお互いの両親が登場して男子二人の気持ちを揺さぶったり、ときに思いつめてしまったり。
どこか気の抜けた会話を交し合う二人が、ときに重々しくもある青春期の葛藤や人間関係に苦しむ様もリアルに描かれています。
会話の中には人生訓や、哲学じみたものもたくさんありますが、関西弁や二人の絶妙な語調でゆるく胸に響いてきます。幅広い世代にお薦めできます。