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kazamidori-futa7のレビュー・評価・感想

Summer Pockets / サマーポケッツ / サマポケ / Summer Pockets REFLECTION BLUE
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夏休みへのアクセス

『Summer Pockets REFLECTION BLUE』(以下サマポケRB、RBなどと表記)は、2018年に発売された『Summer Pockets』(以下サマポケ無印、無印などと表記)からシナリオの追加や主題歌の変更などの改良が加えられた作品だ。RBを購入すれば無印に収録されているシナリオやOP映像なども楽しむことができるので、基本的にはRBのみの購入で事足りる。
さて、サマポケ無印・RBは『CLANNAD』や『リトルバスターズ!』などのゲームでもおなじみの「key」が手がけた恋愛アドベンチャーゲームだ。ある夏休みに鳥白島と呼ばれる架空の島に降り立った主人公の男子高校生が、島で出会う様々なヒロインと一夏の恋に落ちていくというストーリーを、プレイヤーは主人公の視点で追うことになる。「訳ありの事情を持つ主人公」や「不思議な雰囲気を持つ美少女」「どこか憎めない主人公の悪友たち」といったkeyでよく見られるようなキャラクターも多く登場するため、ファンにとっても待望の作品であろう。
本作の大きなテーマの一つが「夏休み」だ。日が暮れるまで目一杯遊び回った子供時代の夏休みを誰しもが経験したことがあるだろう。その一つ一つの出来事を全て覚えているわけではないものの、その眩しさだけは心に残っているのではないか。サマポケ無印・RBは、そんな夏休みが持つ眩しさに焦点をあてた作品だ。駄菓子屋でお菓子を買う、友達と水鉄砲を撃ち合う、家に帰ると疲れて眠ってしまうといった場面には、プレイヤーも「懐かしさ」を覚えることは間違いない。
そんな懐かしさ漂う世界の中で紡がれる各ヒロインのシナリオには大変親近感を覚えるとともに、飽きさせない起承転結や巧妙に張り巡らされた伏線の数々によって作品への没入感を高めてくれる。時に滑稽で、時に真剣で、時に切なく、時にあたたかいストーリーは、いい意味で時間を感じさせない魅力がある。そしてゲームをクリアしてしまったあかつきには、「夏休み」を遊び倒したような満足感や心にぽっかりと穴の空いたような喪失感を感じるとともに、遠い昔の自らの夏休みに想いをはせずにはいられない。