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kangaroo_0302s1のレビュー・評価・感想

ONE PIECE / ワンピース
9

『ONE PIECE』の魅力

連載開始から20年以上経った今でも『少年ジャンプ』の王様的ポジションの『ONE PIECE』。作者の尾田栄一郎氏の魅力的なキャラクターデザインはもちろんのこと、海賊が大活躍するという世界観であり、少年心をくすぐる内容となっている。
『ONE PIECE』が始まった頃から見ている我々も大人になっているが、なにより伏線があちこちに張り巡らされている。それをあれこれ考察するのが楽しく、大人でも見続けることが出来る漫画なのである。
さまざまな作品や歴史がオマージュされており、『ONE PIECE』より以前の作品や各ディズニー作品、作者が尊敬している鳥山明氏の『ドラゴンボール』等が該当する。

物語の初めに命の恩人であるシャンクスに麦わら帽子を預けられ、「立派な海賊になったら返しに来い」との代表的なエピソードがある。だが物語が進むにつれ、その恩人のシャンクスも怪しげな行動が見え隠れするようになったことから「善人なのか悪人なのか」と、考察が始まる。
ラスボス候補の黒ひげというキャラクターも悪のポジションではあるが、どこか恨めない性格をしており、愛すべきキャラクターである。
互いの海賊船クルーは同一の人数となっており、「どのキャラ同士が一騎打ちするか」などと考えるのも、作品を楽しめる要素の1つとなっている。

海賊の敵であるはずの海軍は『ONE PIECE』世界では善とされているが、実際は悪いことをしている世界政府を守っている立場であるため、読者側からすると悪となる。これから「空白の100年」といわれる謎が解明されていき、現海賊と海軍の元々の立ち位置が描かれていくことになる。
物語は佳境となっているが、未だ目が離せない作品である。

ナポレオン ―獅子の時代―
10

大陸軍は世界最強!

フランスの「英雄」ナポレオン・ボナパルトの生涯を描いた、長谷川哲也氏による漫画。こちらで紹介するのは「獅子の時代」編だ。タイトルが醸すパワフルな雰囲気に負けない骨太な作品で、ガンダム作品のキャラデザインなどでも著名な美樹本晴彦氏に「息が詰まりそう」と評されたほどである(なおこのコメントは単行本の帯広告にそのまま載せられた)。

フランスを舞台にした漫画といえば日本では「ベルばら」が有名だが、本作品の作者は「北斗の拳」の原哲夫さんの下でアシスタント経験がある。初期の絵柄はまさに世紀末、劇画タッチで「ベルばら」とは似ても似つかない。台詞回しもストーリーも暴力的な勢いで進んでいくが、内容はかなり史実に忠実らしい。
専門家の監修もしっかりと入っており、話と話の間にはさまる読み物「大陸軍戦報」は、「この漫画にこのスタイルで?」と思えるほど緻密で読み応え十分。歴史上に実在する偉人たちも実に魅力的で、彼ら彼女らが圧倒的な勢いで躍る誌面は、読めばいつのまにか引き込まれてしまう。

「獅子の時代」編は、ナポレオンが生まれてから皇帝になるまでのエジプト遠征あたりまでを描く。知っているようで知らないフランス革命期の歴史について、この本を入り口にするのは消して悪くないかもしれない。私はそうだったが、後悔はしていない。