『ONE PIECE』の魅力
連載開始から20年以上経った今でも『少年ジャンプ』の王様的ポジションの『ONE PIECE』。作者の尾田栄一郎氏の魅力的なキャラクターデザインはもちろんのこと、海賊が大活躍するという世界観であり、少年心をくすぐる内容となっている。
『ONE PIECE』が始まった頃から見ている我々も大人になっているが、なにより伏線があちこちに張り巡らされている。それをあれこれ考察するのが楽しく、大人でも見続けることが出来る漫画なのである。
さまざまな作品や歴史がオマージュされており、『ONE PIECE』より以前の作品や各ディズニー作品、作者が尊敬している鳥山明氏の『ドラゴンボール』等が該当する。
物語の初めに命の恩人であるシャンクスに麦わら帽子を預けられ、「立派な海賊になったら返しに来い」との代表的なエピソードがある。だが物語が進むにつれ、その恩人のシャンクスも怪しげな行動が見え隠れするようになったことから「善人なのか悪人なのか」と、考察が始まる。
ラスボス候補の黒ひげというキャラクターも悪のポジションではあるが、どこか恨めない性格をしており、愛すべきキャラクターである。
互いの海賊船クルーは同一の人数となっており、「どのキャラ同士が一騎打ちするか」などと考えるのも、作品を楽しめる要素の1つとなっている。
海賊の敵であるはずの海軍は『ONE PIECE』世界では善とされているが、実際は悪いことをしている世界政府を守っている立場であるため、読者側からすると悪となる。これから「空白の100年」といわれる謎が解明されていき、現海賊と海軍の元々の立ち位置が描かれていくことになる。
物語は佳境となっているが、未だ目が離せない作品である。