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ak69_46460のレビュー・評価・感想

ハウルの動く城 / Howl's Moving Castle
8

音楽や声優陣による耳心地の良い映画

この映画はジブリ作品では珍しい90歳の老婆が主人公。実際には若い女性だが魔女の呪いにより老婆の姿にされているという始まり。内容もさることながら、作中のBGMや起用されている声優陣にも注目してほしい。作品名にもあるハウルの動く城が現れる場面では、城という名のガラクタが動く音がリアルに再現されている。ここでリアルというには語弊があるかもしれないが(現実にガラクタの城が動く音を聞いたことはないので)、本当にガラクタでできたお城があったらこんな音がするのだろうと想像してしまうような音が流れてくる。その他にもシーン毎に流れてくるBGM、街で聞こえる賑やかな音楽を遠くで鳴っているようにすることで主人公の孤独感を演出したと思うと、次はハウルに出逢い煌びやかで舞踏会のような音楽を流す。こういった緩急も引き込まれる要因の一つ。さらに声優陣では主人公ソフィを演じた倍賞千恵子さんの落ち着いた、それでいて透明感のある声はもちろん、ハウルを演じた木村拓哉さんの自信たっぷりの演技や、頼りなく情けない少年の声の使い分けなど見どころ、いや聞きどころはたくさんある。美輪明宏さんの恐ろしい魔女声から可愛いおばあちゃんや神木隆之介さんの可愛らしい声、そして忘れてはいけない最後の最後に、なんと大泉洋さんも出てくる。そんな耳心地良い時間を味わえるこの映画をぜひ観てほしい。

エアフォース・ワン
7

ゲイリーのロシア語

大統領専用ジェット機、エアフォース・ワンにテロリストが乗り込んだという話です。テロリストの親玉をゲイリー・オールドマンが演じていて、とても怖いです。このテロリストはロシア人の設定なのですが、もちろん、ゲイリーはロシア人ではありません。でも、ロシア人のように見えます。彼はイギリス人ですが、アメリカ英語も普通に話すし、耳がすごく良いのだと思います。ロシア語もうまいし、流石だなと思いました。それ抜きにしても、祖国のためになんでもするといった常軌を逸した感じが出てるし、子供や女にも容赦ないし、そのくせ、テロリストとバレる前までは女にモテる優しげな感じだしで最高です。大統領はハリソン・フォードです。逃げないかっこいい役ですが、電話をどうやってかけるのか迷ったり間抜けな感じもあっていい感じです。でも、もう歳なので、間抜けというより、おじいちゃん!って感じがちょっとしちゃいます。ハリソン・フォードはちょっとシワが濃いよなと思いました。まあ、そこが魅力なんでしょうが、もう少し、若々しい感じの大統領でもよかったかなと思いました。話はなかなか面白いのですが、一番の欠点は、ゲイリーが途中退場だということです。結局、彼が死んだ後は、ああもう彼はいないしと少しダレます。テロリスト全滅からがちょっと長いと思いました。

彼方のアストラ / Astra Lost in Space
10

最高のSF青春ファンタジー

宇宙、青春、ミステリー。その言葉のどれか一つでもピンときたらぜひ読んでほしい作品です。
宇宙旅行が当たり前になった近未来、主人公のカナタ達は「宇宙キャンプ」へ旅立ちます。
故郷から離れた星で生徒たちだけで過ごす楽しいキャンプになるはずが、突然巨大な球体に飲み込まれ宇宙空間に投げ出されてしまうところからストーリーが始まります。
何とかそばにあった宇宙船へ乗り込み、学校へ連絡しようとしますが、そこは元居た星からは数千光年離れたところでした。一体あの球体は何なのか?誰がこんなことを仕組んだのか?目的は?徐々にそれらが明らかになっていく丁寧なストーリーは読んでいてわくわくします。伏線の貼り方や回収も見事で、こんなに先が気になる漫画は久しぶりでした。
また、最初はバラバラだった生徒たちが困難を乗り越えていく姿に、「こんな青春してみたかったなぁ」と羨ましささえ覚えました。
時折放り込まれるギャグパートがしつこくなく面白くて、緊迫したシーンからほっと一息つけるのも魅力の一つです。少年漫画のギャグシーンは時々読んでいて不快になるようなもの(性的なものや差別的なもの)があったりするのですが、本作はあまりそういったものがなくて安心して読めました。子供が大きくなった時に、ぜひ読んでほしいなと思える作品です。