最高のSF青春ファンタジー
宇宙、青春、ミステリー。その言葉のどれか一つでもピンときたらぜひ読んでほしい作品です。
宇宙旅行が当たり前になった近未来、主人公のカナタ達は「宇宙キャンプ」へ旅立ちます。
故郷から離れた星で生徒たちだけで過ごす楽しいキャンプになるはずが、突然巨大な球体に飲み込まれ宇宙空間に投げ出されてしまうところからストーリーが始まります。
何とかそばにあった宇宙船へ乗り込み、学校へ連絡しようとしますが、そこは元居た星からは数千光年離れたところでした。一体あの球体は何なのか?誰がこんなことを仕組んだのか?目的は?徐々にそれらが明らかになっていく丁寧なストーリーは読んでいてわくわくします。伏線の貼り方や回収も見事で、こんなに先が気になる漫画は久しぶりでした。
また、最初はバラバラだった生徒たちが困難を乗り越えていく姿に、「こんな青春してみたかったなぁ」と羨ましささえ覚えました。
時折放り込まれるギャグパートがしつこくなく面白くて、緊迫したシーンからほっと一息つけるのも魅力の一つです。少年漫画のギャグシーンは時々読んでいて不快になるようなもの(性的なものや差別的なもの)があったりするのですが、本作はあまりそういったものがなくて安心して読めました。子供が大きくなった時に、ぜひ読んでほしいなと思える作品です。