Okup2@Okup2

Okup2
Okup2
@Okup2
0 Articles
4 Reviews
0 Contributions
0 Likes
Okup2

Okup2のレビュー・評価・感想

チャイルド・プレイ(1988年の映画) / Child's Play (1988 film)
8

かわいらしい人形が人間を襲うホラー映画「チャイルドプレイ」

誕生日プレゼントにテレビで有名な人形がほしいとせがむアンディに母が買ってきた人形。
かつておもちゃ店で落雷によって命を落とした凶悪犯(チャールズ・リー・レイ)はその人形の中に魂を移していました。
そんなこととはつゆ知らず、誕生日プレゼントとして購入された人形と遊ぶアンディですが、徐々に母も人形の異常を感じるようになり…。
人形が人を襲うホラー作品は今では一般的かと思いますが、それらの作品を一躍有名にさせたのがこのチャイルド・プレイシリーズかと思います。
もしも家にある人形が突然動き出して子供たちを襲ったらどれだけ恐ろしいことなのだろう。
この作品はそういったテーマが主題だと思います。
はじめのうちはアンディが人形の異変に気付いて大人に話すのですが周囲の大人たちには子供の言うことだからと取り合ってもらえず、
どうしたら信じてもらえるのかとあがき苦しむアンディの苦悩もテーマにあげられているものだと思います。
2以降のシリーズでは親もチャッキーが凶悪犯の人形ということが分かっているため1に比べればまだ安心感がありますが、
やはりかよわい子供一人で立ち向かわなくてはならない1の怖さを超えることはできないと思います。
その後も何度か続編が作られ最新作ではチャッキーの設定も変わっているかと思いますが、人形に恐怖したいという人には一押しの作品でしょう。

Azekel / アジキル
8

独自のセンスが光る先進的なソウル

ブリストルサウンドのレジェンド、マッシブ・アタックがリリースした2016年のEP『Ritual Spirit』。
2010年のアルバム『Heligoland』から6年もの間が空いていたために、待望の、そして注目のリリースでした。

その『Ritual Spirit』収録のタイトルチューン「Ritual Spirit」に客演していたのがAzekelというシンガーソングライターです。
Ritual=儀式的な、という言葉に表されるように、民族的な儀式を連想させる、神秘的でヘヴィーな音。
その中を漂うようにAzekelのファルセットボイスが浮遊しています。
ソウルを感じさせると同時に、新しい時代の感性を併せ持つ歌声で、期待できるアーティストの発見にうれしくなりました。

その期待を裏切ることなく、Azekelは質の良いコンテンポラリーR&Bを生み出しています。
ロンドンを拠点とし、アーバンで先進的なサウンドが特徴的ですが、柔らかく温かみがあり、ソウルを色濃く感じさせます。
メロディーラインと歌唱がしっかりしているところも良いです。

2010年代後半に登場したアーティストの音楽と言うと、比較的にメロディーが曖昧で、アンニュイな感じのボーカルが多いように思います。
そのために、聴いていて物足りなさを感じることも多々あります。
しかし、Azekelの音楽はしっかりと2010年代的でありながらも、往年のR&B/ソウルの良さが残されているところが非常にグッド。
そのバランス感覚に独自のセンスが光っています。

Vivy -Fluorite Eye's Song-
8

美しい音楽と映像

近未来のAIと人間の戦争を止めるために任務を遂行する歌姫。
いつも物語の鍵となる主人公ヴィヴィや、姉妹AI達の歌声が美しく、何度も観たくなる。むしろ何度も聴きたくなる。
終盤の黒幕が誰か、についてや、最大の危機回避については多少予想通りで安直な展開ではあるものの、あまり気にならない。その部分にこだわる視聴者は最後までは観ないだろう。
過去にもAIや人型ロボットと人間の関係を描いたアニメは多くあるが、このアニメではほぼ人間と同等の権利を持ち、より人間と共に生活するAIが登場する。外見は人間と変わりなく、感情もあるように見えるAI達に依存して人間達はその境界を見失う。
一方AI達は一貫して使命を遂行するために稼働し続けようとする。「使命」というAIにとっての絶対的な命令を、時を越えて実行するため稼働し続けるヴィヴィにその難解な題目を設定したマスターは、自分が見ることのできないだろうはるか未来の結末に得たヴィヴィの進化を、期待した通りのものとしたのたろうか。
SF的な要素については突っ込みところも多いものの、これから現実にAIと呼ばれる者達がパートナーとなっていく未来に思いを馳せる事はできる。
美しい歌姫AIたちの健気な戦い。美しいアニメだと思う。

彼方のアストラ / Astra Lost in Space
8

未知なるものへと向かうワクワク感がたまらないSFコメディ漫画

ジャンプ+にて2016年に連載されていたSFサバイバル漫画。「SKET DANCE」や「ウィッチウォッチ」を描いている篠原健太先生の作品です。

序盤ギャグ多めのコメディ漫画と思いきや少しずつ判明していく事実や謎が好奇心をそそる内容となっています。

舞台は、一般市民でも宇宙旅行が当たり前にできる近未来西暦2063年。主人公は惑星キャンプに参加するケアード高校の生徒たち。彼らは「惑星マクパで生徒だけで5日間を過ごす」はずだったのだが、惑星に到着後、突如現れた真っ黒なブラックホールに飲み込まれ宇宙空間に遭難してしまう。

飛ばされた先に運良くあった宇宙船に乗り込むと、故郷とは程遠い場所にワープしてしまった事実を知り愕然としたメンバーたち。戸惑いながらも複数の惑星を経由していけば故郷に帰れることが分かり帰還を決意、ここから少年少女たちの惑星サバイバルが始まります。

遭難したメンバーたちは全員なんらかに特化した才能を持っていましたが、徐々に共通点があることが分かってきます。
「なぜ自分たちが遭難したのか?」「ワープの先になぜ運良く宇宙船が会ったのか?」このあたりの疑問や伏線の回収はお見事。5巻で綺麗に収まっています。
回を追うごとに主人公たちの人間的成長も見られ、読了後は爽快な気分になれること間違いなし。

私個人的には高評価ですが、ネットでは評価が真っ二つに分かれており、特にSFファンからはご都合主義との意見もあります。ただ、この漫画のメインの話は少年少女の成長物語。ライトに読むことのできるSF漫画とすれば大満足でした。

タイトルの「彼方のアストラ」の本当の意味が分かったときリアルで鳥肌が経ちました。物語の要となる伏線なので、ネタバレはしません。本編を楽しんでくださいね。