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8ytktk84のレビュー・評価・感想

シャイニング / The Shining
8

長く愛される映画は見る価値がある

ジャック・ニコルソン主演、スタンリー・キューブリック監督作品、1980年の作品である。
公開された当初は、最先端の撮影技術を屈指した、技術優先の話題作だったが、40年の時を経た現在でも、この映画の面白さは健在だ。
雪深い冬に閉鎖される山奥の巨大ホテル。建物の品質を管理するため冬の間管理人として住み込みで働く売れない作家ジャック・トランスと
妻のウエンディ、息子のダニーの3人の家族。
息子のダニーは不思議な能力「シャイニング」を持つ少年。ホテルの中で次々と不可解な出来事を目撃する。
やがて父のジャックはアルコール中毒から幻想を見て狂い出し、斧で家族を惨殺しようとする。
見るからに幸薄そうな妻を演じるジュー・デュヴァルが恐怖におののき、逃げ惑う表情がさらに恐怖をかき立てる。
浴室に隠れ部屋から脱出を試みるがジャックに見つかり、斧で扉をたたき割り、穴から顔を覗かせて「I'm Home」と狂気に満ちた笑顔を見せる。
誰もが知るこの映画の名場面だ。
作品の撮影技術もさることながら、全編にわたって響き渡る不安定なブーストされた低音と突如金切り声を上げるかのようなバイオリンの不快な高音。
少しずつ狂って行くジャック・ニコルソンの演技は、本当に狂っているのではないのかと心配になるくらいだ。
雪の降り積もるホテル前に作られた、遊び場の迷路で息子のダニーを斧を持って追いかけ回る。
このシーンで映画史上で始めて作られた、ステディーカムは、カメラマンが走って演者を追いかけてもカメラがぐらつかない技術。
今となっては当たり前の撮影技法になったが、それでもこの映画の追われる恐怖を絶妙に表現している。
良い映画は永遠に残る。
ホラー映画が苦手な人にはお勧めできないが、映画の面白さを知りたい若い人たちに是非見て欲しい1本だ。

憎しみ / La Haine
10

くすぶっている感じがたまらない

モノクロームのおしゃれな映画です。もっと沢山の人が見るべきとてつもない作品です。
どこの国にもいるようなくすぶっている若者たちに焦点が当てられています。
しかし切迫の度合いが日本とは違います。
暴動に巻き込まれて重体になる様な映画が作られた当時(1995年)のフランスの状況を反映しています。
でも目が離せないし何だかおしゃれで楽しいです。
そこがすごい。底の知れない何かが横たわっている映画なのに、未来がない事がそうさせるのかカラッとした明るさも感じます。
最後の一瞬までだらだらと不穏な雰囲気が続きます。
音楽も素晴らしいです。特にフレンチラップは注意して聴くべき。発語される音の感じが不穏さに拍車をかけます。
マチュー・カソビッツも出演しています。
この映画のあとメジャーになって行きましたがこの頃から良い存在感をしています。
一筋縄で行かない雰囲気があります。
この作品はフランスの、現在も解決されない問題を扱っています。
おしゃれになりにくいような深刻な問題をスタイリッシュな映画にしたところがいいです。
こういった問題はもうフランスだけの問題ではありませんが「憎しみ」ほど上手く映画化される事はないかも知れません。
単に深刻なだけでなく、単におしゃれなだけでもなく、たんに楽しいだけでない本当にすごい映画です。