アリー/ スター誕生 / A Star Is Born

アリー/ スター誕生 / A Star Is Born

『アリー/ スター誕生』とは、歌手に憧れる女性の成功と苦悩と愛を描いた、2018年公開のアメリカ映画。主演は、本作が初主演となるレディー・ガガ。監督は、俳優で本作でもジャックを演じるブラッドリー・クーパー。1937年の同名映画4度目のリメイク。劇中の音楽も高い評価を受け、サウンドトラックは全米1位を獲得。自信のないシンガーが才能を見出され、スターダムを駆け上がっていく。単なるシンデレラストーリーだけではなく、依存症や家族のあり方を含めた人の苦節や愛情という側面も深く描いた作品。

アリー/ スター誕生 / A Star Is Bornのレビュー・評価・感想

アリー/ スター誕生 / A Star Is Born
9

ただの商業映画ではない。

皮肉。あまりにも。

「才能」と「売れる」ということの狭間。

いろんな意味で裏切られ、引き込まれた。歌の与える影響力ってすごいと感じ、何より2人が楽しそうに歌うから、楽しさが伝染してくる。

その分、後半へと進むにつれて悲しい、悔しいという気持ちが募る。前半の楽しさ、明るさからは予想ができない。先にも述べたように、才能と売れるということは、違う。売れるためには犠牲にしなければならないこともあり、楽しいだけ、やりたいだけではやっていけない。華々しい活躍の陰に隠れる闇や影。今もなお活躍している多くの芸能人や芸人、アーティストにはこの苦しみがあるのだろう。

私たちが期待すればするほど、不安に押しつぶされそうになる。そして、本来は不安の支えになる愛すべき存在が、守りたい存在へと変わると、相手のためを思って自らを犠牲にしてでも守りたいと思ってしまうのだろう。でも実際は、それは優しさではなく、苦しみを与えてしまっているだけ。
アーティストや芸能人、芸人その他多くのクリエイターなど皆様、夢や希望、勇気や元気をくれてありがとう。どうかどうかご自愛ください、と思ってしまう映画。

ラモンみたいな友達欲しい。ノるときノッて、嬉しいとき一緒に喜んで、全力で応援して、悲しいときは側にいてくれる。有名になったから側に来るやつとかじゃなくて、「友達」でいてくれる。

ジャックのバンドメンバーも優しい人たち。笑顔が素敵。どんな時でも支えてくれてる人たち。

あまり描かれてないけど、そんな人たちだろう。だといいな、と思う。

兄もなんだかんだでいい人。唯一の肉親。なんだかんだで、理解してくれるのって肉親だったりする。良くも悪くも。

CMでは、この映画のポイントをレディガガが主人公であることと謳っており、明るいドラマの商業映画かと思っていたが、想像以上に深みがある映画であった。

アリー/ スター誕生 / A Star Is Born
7

歌唱力抜群の感動作

私のおすすめの映画は『アリー/ スター誕生』です。
1番のおすすめポイントは、劇中での歌唱場面が素晴らしいことです。主演はレディー・ガガです。これを聞けばおすすめポイントも納得だと思います。歌の場面は度々出てきますが、ライブでのピアノ弾き語りは最高でした。聞いていて鳥肌が立つほどでした。
ストーリーとしては、歌の才能を持ちながらもルックスや機会に恵まれず平凡な日常を送っていた主人公が、有名ミュージシャンと運命的に出会い、そこからスターになる物語です。パートナーとなった有名ミュージシャンと一緒にスターになるまで無我夢中に突き進む姿は、見ていて爽快感があり元気が出てきます。
パートナーの有名ミュージシャンは、自分の病気やミュージシャンとしてのプレッシャーからアルコールや薬物中毒になってしまい、その点は重苦しい雰囲気が流れますが、そんな中でもパートナーに対する愛があり、大切に過ごしていく場面が感動的でした。
主人公は夢を実現し、賞を取るほどのミュージシャンになりましたが、パートナーの結末は悲しいもとのなりました。
最後は悲しい結末でしたが、その中にもお互いを思い合う愛情が感じられる、素晴らしい映画でした。

アリー/ スター誕生 / A Star Is Born
7

ガガ様の唄声が素敵

とにかく映画を一通り見た後の一発目の印象はガガ様の唄すごい!です。
レディーガガの楽曲はテレビで耳にする程度でしか知らなかったので、歌っているときの表情だったり雰囲気を改めてしっかり見ることができました。最初のバーでの歌っているシーンも素敵だけど、アカペラで歌ってるのはすごく迫力があって聞き入ってしまいました。
本作で使われている楽曲はレディーガガが作詞や作曲しているらしいのですが、個人的には最初のShallowと最後のI'llneverloveagainが印象的でした。

レディーガガ演じるアリーとブラットリークーパー演じるジャクソンの2人の出会いから初ライヴ、アリーのツアーまでとんとん進んでいく感じが楽しく、映像も迫力があって楽しく時間が過ぎていく。本作でもあるアルコールとドラッグ。海外アーティストがなにか事件を起こしたってなると絶対これがからんでくるけど、あるあるなのかなと思いました。当たり前のように描かれるけどそれってどうなんだろう?
歌、映像すごくきれいで結末に合わせたラストの曲もすごくいい曲だけれど、本作では何がメインに描かれていたのか、何を伝えたいのか、なぜ後味悪い結末にするのかちょっともやっとしました。わざわざあんなシーンを撮る必要があるのかな?という感じでした。

アリー/ スター誕生 / A Star Is Born
7

クーパー、圧巻のライブパフォーマンス!

この映画の魅力のひとつは何といってもその素晴らしい歌唱力ではないだろうか。歌姫としてのガガの実力は語るに及ばず、何の前知識もなく観た私にとってクーパーの圧巻のライブパフォーマンスは衝撃だった。気が付くと、その一曲目から、熱狂する劇中のオーディエンスの一人と化していた。
ブルースロックを歌うミュージシャンにふさわしい、低音で渋めの語り口調を一年以上前からトレーニングしていたという彼は、この作品の中で「ロックスター」としての才能を見事に開花させている。
一方、「シンガーになりたいと思う前に女優になりたかった」と語るガガの素顔で飾らない自然体の演技は、彼女の魅力溢れる内面をより一層引き出している。デビュー前のためらい、デビュー後のプロとしての葛藤など、ストーリーはガガの体験とオーバーラップする部分もあり、その演技は真に迫る。即興で曲を紡ぎ出すそのさまは、ガガの非凡なコンポーザーとしてのリアルな才能をも垣間見た瞬間のようでもあり、胸が躍った。全身全霊で熱唱する彼女の歌声を耳にする度、心が震え、鳥肌が立ったのは私だけだろうか。言うまでも無く、ガガとクーパーのデュエットは聴く者全ての心を魅了する。音響システムの良い劇場に足を運べば、その歌声を何倍も堪能できることをお約束する。