クーパー、圧巻のライブパフォーマンス!
この映画の魅力のひとつは何といってもその素晴らしい歌唱力ではないだろうか。歌姫としてのガガの実力は語るに及ばず、何の前知識もなく観た私にとってクーパーの圧巻のライブパフォーマンスは衝撃だった。気が付くと、その一曲目から、熱狂する劇中のオーディエンスの一人と化していた。
ブルースロックを歌うミュージシャンにふさわしい、低音で渋めの語り口調を一年以上前からトレーニングしていたという彼は、この作品の中で「ロックスター」としての才能を見事に開花させている。
一方、「シンガーになりたいと思う前に女優になりたかった」と語るガガの素顔で飾らない自然体の演技は、彼女の魅力溢れる内面をより一層引き出している。デビュー前のためらい、デビュー後のプロとしての葛藤など、ストーリーはガガの体験とオーバーラップする部分もあり、その演技は真に迫る。即興で曲を紡ぎ出すそのさまは、ガガの非凡なコンポーザーとしてのリアルな才能をも垣間見た瞬間のようでもあり、胸が躍った。全身全霊で熱唱する彼女の歌声を耳にする度、心が震え、鳥肌が立ったのは私だけだろうか。言うまでも無く、ガガとクーパーのデュエットは聴く者全ての心を魅了する。音響システムの良い劇場に足を運べば、その歌声を何倍も堪能できることをお約束する。