ファニーゲーム

ファニーゲーム

『ファニーゲーム』(原題:Funny Games)とは、1997年に制作されたオーストリアの映画。日本では2001年10月に公開された。監督・脚本はミヒャエル・ハネケだ。バカンスのため、湖のほとりにある別荘へとやってきたショーバー一家。そこに、2人の奇妙な青年が現れる。青年たちは、少しずつ凶暴性を露わにし、一家を拘束。おぞましい「ゲーム」を始めるのだった。あまりの凄惨さから、一部の監督や批評家、観客がショックで上映中に席を立ったといわれる作品。人を不快にさせるバイオレンス・スリラーとして知られている。

ファニーゲームのレビュー・評価・感想

ファニーゲーム
8

生々しい暴力映画

私は映画を結構観てる方だと思うのですが、多く観ている人ほど違和感というか、不快感を感じる作品だと思います。
作品のテーマとして暴力があると思うのですが、その暴力が生々しいのです。
アクション映画のような爽快感は微塵もなく、スプラッター映画のような派手な演出もありません。
暴力行為が行われた後の静寂が画変わりもせず垂れ流されるシーンはただただ陰鬱な気持ちになり、実際の暴力を見たような不快な感覚になりました。
映画の作りとしてもかなり特殊で、悪者の一人がカメラ目線で観る者を煽るような態度をとったり、あからさまに伏線をばら撒いたかと思えばその回収は行わない等、ある種映画のお約束を裏切ってきます。
ハネケ監督の映画は難解で観る人によって評価がだいぶ変わるとは思いますが、この作品に関しては直感的に観れるというか、嫌な気持ちにさせることが目的というか…。
無事に不快感を得られた私は素晴らしい映画だと思いました。
リメイク版も見ましたが、そちらの方がよりメッセージ性があからさまになっているような気がしました。
悪者たちの不気味さ、理不尽さなどはオリジナル版の方が際立っていたと思うので、どちらも観てみて二倍不快な気持ちになるのをおススメします。