パリの世紀末美術を絢爛に描いた『ムーランルージュ』
『ムーランルージュ』は1952年に公開された英国の劇映画で、監督はジョン・ヒューストン、製作はジョン・ウルフとジェイムス・ウルフ、公開はユナイテッド・アーティスト社。
映画の舞台は19世紀末のパリで、美術家アンリ・ド・トゥールーズ-ロートレックがボヘミアン風のサブカルチャーをムーランルージュ周辺で生きる様子が辿られています。
脚本はヒューストンが書き、1950年に発表されたピエール・ラミュールの小説を原作としています。撮影はオズワルド・モリス。本作はヴェネツィア国際映画祭で上映され、銀獅子賞を射止めました。
出演はジョゼ・フェラーがロートレック、ザ・ザ・ガボールがジェイン・エイブリル、その他にシュザンヌ・フロン、エリック・ポールマン、コレット・マルシャン、クリストファー・リー、 ピーター・カッシング、 キャサリン・カス、テオドーレ・バイケル、 ミュリエル・スミス。
本作ではフェラーは、アンリと彼の父、アルフォンス・ド・トゥールーズ-ロートレックの2役を演じています。フェラーをアンリに変えるにはプラットフォーム、密閉したピット、特殊なカメラ角度、メーキャップ、コスチュームが必要とされました。それに加えて、フェラーは自分でデザインした膝パッドを用いて、膝で歩けるようにしました。フェラーの演技力だけでなく、役を演じる目的だけでこのような方法で足に制約を課したという意思力も高く評価されています。