鈍獣

鈍獣

『鈍獣』とは、宮藤官九郎による日本の戯曲。 生瀬勝久、池田成志、古田新太による演劇ユニット「ねずみの三銃士」が企画する演劇作品用に書き下ろされたもので、第49回岸田國士戯曲賞を受賞している。2009年に監督・細野ひで晃、脚本・宮藤官九郎、主演・浅野忠信で映画化された。
週刊誌編集者の静は失踪した作家・凸川の行方を探るため、全てが相撲中心の田舎町「ときわ」にやって来た。そこで静は自分たちの過去を小説のネタにした凸川を恨み、殺害を目論む江田・岡本・順子ノラに出会うのだった。
キャッチコピーは「世界一鈍いアイツが、俺たちの人生を壊しにやってくる」。宮藤官九郎の独特の世界観が楽しめる作品である。

鈍獣のレビュー・評価・感想

鈍獣
7

役者陣の意外な演技が面白い

江田と岡本の会話の掛け合いが可笑しくて笑いっぱなしでした。そして凸川とのどうにも噛み合わない様子が面白くてまた大笑いです。他の登場人物も色々訳ありで、どんな結末になるのか分かりませんでした。特に絶対に死なない凸川を演じる、浅野忠信さんのいままでとは違うキャラクターが不思議な魅力を放っていました。本当にどうして生き続けられるの?いやこれはとうとうダメでしょうと思ったらまた現れて、何が何だか混乱しっぱなしです。それと江田に扮する北村一輝さんの暴走っぷりがこれまた可笑しい。どうしてそんな必死になるのか。いいじゃない、あのことが周りに知れてもフィクションだからと言い通せば、と思うのですが。過去のいじめや事故の場面はアニメで現してあってこれも斬新です。
結局、凸川はなにがしたかったのか。江田たちのことを暴露したかったのでしょうがそれだけではないような。終始得体の知れない不気味さもかもし出す凸川ですが、ああやって何度も現れるんだから江田たちのことが好きで仲良く過ごしたいんですよね。ところで、凸川はやっぱり凸やんなわけで本当の凸川はやっぱりあの事故で、なのでしょうか。そうだとしたらやっぱり悲しい。最後に生きて姿を見せてほしかったです。