リズと青い鳥

リズと青い鳥

『リズと青い鳥』とは、2018年4月21日に公開された日本の長編アニメーション映画。原作は武田綾乃の小説シリーズ『響け!ユーフォニアム』の一編『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』。2015年より放送されているテレビアニメシリーズのスピンオフ映画である。監督は山田尚子。制作はテレビアニメシリーズに引き続き、京都アニメーションが担当した。主人公は高校3年生のフルート奏者・傘木希美と、同じく高校3年生のオーボエ奏者・鎧塚みぞれの2人。彼女たちにとって最後のコンクールまでの日々を描いている。第73回毎日映画コンクールで大藤信郎賞を受賞。第22回文化庁メディア芸術祭ではアニメーション部門・審査委員会推薦作品に選定された。

リズと青い鳥のレビュー・評価・感想

リズと青い鳥
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二人の女子高生の友情を描いたアニメ、二人のハーモニーが空をめぐる

鎧塚みぞれと傘木希は北宇治高校の3年制で吹奏楽部に所属します。今年のコンクールのテーマ曲は「リズの青い鳥」。希のフルートとみずれのオーボエのハーモニーが重要になってきます。

人付き合いの苦手なみぞれにとって、希は数少ない友達。コンクールの練習も、みぞれに合わせますが、そうするとどうしても自分の満足する音が出ない。みぞれは先生からも「もっと自由に」という事を言われるが、どうしても希に合わせてしまいます。そうして夏休みが過ぎていきます。
オーボエの1年生と2人で、あまり会話もなく練習するみぞれ。希は沢山のフルート部門のメンバーと練習のあと、甘いものを食べにいく話をしています。希と一緒にいたいみぞれ。
リズと青い鳥は、リズは、美しい青い鳥をいつまでも手元においておきたい、でも、青い鳥には天高く空を飛ぶことがしあわせ…。
新山先生「鎧塚さんは、どうしたいの」
みぞれ「私にとって、希はたった一人の友人」
リズと青い鳥に自分と希を重ねていたみぞれは、希から卒業して、自分の満足できる演奏をする事を決心します。
コンクール直前の練習。フルートとオーボエのハーモニーの部分を通して演奏したいと先生に訴えるみぞれ。そして、みぞれの本気のオーボエのハーモニーが流れる

リズと青い鳥
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女子高生2人の友情とは…

武田綾乃原作の「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」の中の高校3年生で進路に悩む傘木希美と鎧塚みぞれの関わりの部分を、アニメ映画「聲の形」などを手がけた山田尚子監督がアニメ映画化したものです。
書籍の題名通り高校の吹奏楽部の中での物語で、傘木希美はフルート、鎧塚みぞれはオーボエを担当しています。2人は幼なじみで友達なのですが、性格が真反対なのです。映画の題名「リズと青い鳥」というのは少女と小鳥を題材にした物語で、その物語もとに作った「リズと青い鳥」という曲を吹奏楽コンクールの自由曲で演奏することになっています。その曲にはオーボエとフルートがソロの掛け合いをする部分があり、鎧塚みぞれと傘木希美が吹くことになっていました。鎧塚みぞれのオーボエは高校生離れした誰もが認める実力でしたが、今回のソロは周りの部員が見てもみぞれが本来持っている実力が出ているとは思えませんでした。その原因はみぞれと希美の関係にあったのです …。
このアニメは一人一人の心情が顔の変化ばかりでなく、髪や服ののなびき方、その背景で描かれていたりととても繊細ですごくこだわって作られています。また、色遣いも全体に淡い色調で作られ、落ち着いて見ることができます。見終わった後さわやかな気持ちになります。

リズと青い鳥
9

タイトルなし

ジャンルはアニメ、上映時間は90分。
短くしっかりまとまっていてとても見やすいです。

内容としては、高校で全国を狙える吹奏楽部で活動してる二人の3年生が主人公。
オーボエを担当する主人公の鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美。二人がフルートとオーボエの掛け合いソロに選ばれてだんだん互いの表現が食い違っていく。
みぞれは、永遠性を願って変化を望まない。このまま二人の関係が続けばいいと祈っている。そのためなら自分が犠牲になろうとする献身すらある。だが、希美はみぞれの気持ちに気づかずに、ただ残酷に『好き』と投げかける。活発な女の子、おとなしめの女の子、相反する二人はただ、意味あいの違う好きという気持ちだけでつながっていた。
周りがみぞれのやさしさに気づき始めてからが見ててものすごい切なかったです。このままいくとバッドエンドもありえると思ったときは、全力でラストよハッピーエンドあれと願いました(笑)。途中まで見た人なら必ずかなり感情移入してしまってきっとラストを悪く終わらせてほしくないと思ったはず。日常ではよくあるいつか崩れる永遠性。少女達の精神的なつながりやあいまいな好きの関係性、見てて心のおくを少しくすぐられるような感じがしました。