おかめ日和

おかめ日和

『おかめ日和』とは、入江喜和による少女漫画。講談社『BE-LOVE』にて、2005年から2013年にかけて連載されていた。コミックスは全17巻。のんびり屋で前向きな性格をしている主婦・靖子は、昭和堅気で短気な旦那様にいつも怒鳴られてばかり。しかし旦那様にベタぼれの靖子は大きな体を動かして、子供3人とおじいちゃんの世話をしながら今日も笑顔で働くのだった。

おかめ日和のレビュー・評価・感想

おかめ日和
7

最初の印象が一変する!

おかめ日和は最初の1〜2巻は完全に「モラハラ旦那(岳太郎)とそれに従う共依存の妻(靖子)」といった印象でした。はっきり言って亭主関白が過ぎる旦那が胸糞悪い、そして妻が奴隷のように家事、育児、旦那の自営業の手伝いなど、あくせく1人で犠牲になっていると感じてしまう人が多いと思います。
しかし3巻から長女の妊娠〜出産辺りからモラハラ旦那の印象がかなり改善されていくのです。岳太郎は偏屈で気難しいことは間違いないのですが(笑)、とても不器用で愛情表現が大の苦手なことがようやく読み手に伝わってくるのです。
そこで初めて、靖子さんの盲目とも言えますが旦那愛が少しずつ理解出来る様になるのです。
また主人公が主婦であるために、節約料理の献立や子育ての悩み、PTA役員やママ友問題…主婦目線で見ると興味深い話題が散らばっているのでそこも魅力の一つだと言えるでしょう。

さらに読み進めていくと岳太郎と靖子の過去(家庭教師として出会った頃〜、馴れ初め編、結婚に至るまでなど)が徐々に分かっていくのです。
そこまで読めばもう最初の「糞旦那!イライラする!!」なんて印象は消え去っていきます(笑)。
むしろ岳太郎可愛いじゃん…なんて思えてくる不思議さを持っています。

おかめ日和
7

正直、あまり期待せずに読みましたが意外と良かったです

入江喜和さんが描かれた「おかめ日和」ですが、1巻の表紙イラストを見て、何となくあまり深い内容の漫画ではない印象を受けていました。
それでも読んでみようかな、と思った理由のひとつに、17巻まで発売されている、ということがありました。

読み始めた最初は、独特のふんわりとしたイラストの雰囲気、小さな文字で描かれている部分が多いことから、読みづらいな、という感じだったのですが、読み進めるにつれて入江さん独特の手法にはまってしまいました。
イラストや文字の描き方だけではなく、主人公をはじめ他の登場人物たちも他の漫画ではあまり目にしない独特のキャラクターです。

主人公はちょっと、というか結構ぽっちゃりめの主婦、やすこさん。
あり得ないほど良い性格の持ち主で、見た目はぽっちゃりだけど、こんな優しいお母さん、こんな素晴らしいお嫁さん、欲しいかも、と思わずにはいられない。

そのやすこさんの旦那さんが、優しいやすこさんとは正反対の激しい性格の持ち主で、やすこさんをポンポンこきつかい怒鳴りつける人なのですが、その怖い性格の中で時折見せる優しさにほっこりしてしまいます。

そして、この漫画の中で、いちばんいい味を出しているなあ、というキャラクターが「おじいちゃん」。
やすこさんにとっては義理のお父さんになるわけですが、もう言うことやることがとても可愛くて、やすこさんの子供たち以上にやすこさんに甘える姿も可愛くてたまりません。

正直、最初はそれほどはまると思っていなかった漫画ですが、17巻まで発売されたのも納得、はまる人ははまってしまう漫画でした。