サスペンスの最高傑作!場面展開が少ないのでわかりやすくておもしろい!
映画「十二人の怒れる男」は、1957年に制作されたアメリカ映画です。ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞し、アカデミー作品賞にノミネートされた「密室劇の金字塔」と呼ばれる名作として知られています。
舞台となるのは、ニューヨークの裁判所の一室。そこで、実の父親を殺した罪に問われている17歳の少年について、12人の陪審員たちが議論を行います。
事件の内容、そして目撃証言や証拠は少年が犯人であることを指し示しているものばかり。どう議論しても少年の有罪は決定的と思われていたが、陪審員8番だけが少年の無罪を主張する。果たして、11対1から議論はどんな展開へ進んでいくのでしょうか?
裁判所の一室の中だけで完結するストーリーで、登場人物もほぼ12人の陪審員のみという内容です(厳密には、オープニングで法廷のシーンや容疑者の少年が映ったり、議論の途中で裁判所の職員らしき人が部屋に入って来たりしますが)。
1つの部屋の中でずっと繰り広げられるストーリーのわかりやすさ、それなのに最後まで引き込まれる展開が続きます。決定的と思われていた目撃証言や証拠の1つ1つに疑わしい点を見つけ、1つ1つ検証していくシーンの連続に見てる側は思わず引き込まれてしまいます。
目撃証言や証拠にすべて疑わしい点を指摘して終わりますが、少年が有罪か無罪かははっきりとされずに終わります。この終わり方も見ている側が考えさせられる展開で、映画を見終わった後まで心をつかまれてしまうことでしょう。
そして、ラストシーンに陪審員が別れを言うシーンがまた印象的。お互いに名前を名乗って別れます。名前さえ知らない初対面の他人同士での議論だったということに、ここで改めて気づかされるのがまた強い印象を残す名作ですね。