17歳(映画)

17歳(映画)

『17歳』(原題:Jeune et Jolie)とは、2013年に製作されたフランスのドラマ映画。監督・脚本はフランソワ・オゾンが担当している。少女と女の狭間で揺れ動く17歳の少女が、売春に手を染める姿を描いた作品。主人公のイザベルを演じたのは、モデル出身の新人女優マリーヌ・バクト。本作は第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映された。

17歳(映画)のレビュー・評価・感想

17歳(映画)
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性と四季

夏。バカンス先で羽目を外してしまったり、好みの異性に目を惹かれてしまうなんてことありませんか?
この映画の主人公イザベルは、初体験をバカンス先で済ませてしまいます。
好奇心旺盛な彼女なのでたくさんの恋を経験していくんだろうなと思っていたのですが…。

秋。地元に帰ってきてからは、売春に時間を費やすことになるんです。
イザベルの年齢は作品名にもなっている17歳。
ネット上では文学部2年生の20歳と偽っています。
名前は「レア」。
お相手はネットで知り合った割と年配の方男性。
情事のシーン、これがすごく美しくて思わず息を飲んでしまいました。
女性はもちろん、男性にも色気が溢れ出ていました。
しかし相手が年配なあまりに、心臓発作で消息してしまう事故が起きてしまいます。
応急処置はしたものの、息を吹き返すことはありません。
レアはその場を去りました。通報することで全てがバレてしまいますからね。
何事もなかったかのように帰宅をしますが、世の中はそんなに上手くいかないみたいです…。

冬。母親の職場に警察が現れ、全てを話しました。
「死にたいほど悲しい」と言いながら娘を殴るシーンが印象的でした、親だからこそ心の底から怒り、悲しんでいるのがよく分かります。
その後は精神科にも通い、ベビーシッターのバイトを60ユーロで始めました。
男性から貰っていたのは300ユーロなので、彼女にはすごく物足りないと思います。

春。また衝撃的なことが起こります。
禁止されていた携帯をチェックすると、亡くなった男性の妻からメールが届いていました。
待ち合わせ場所に現れた初老の女性は、「会いたかったの。夫の姿を最後に見た女に」と。
「私も17歳で夫と出会った 私に勇気があったら、男にお金を払わせセックスしたかった」「老いた今では私が払わないとね」とイザベルに語りかけます。
「ごめんなさい」と言ったイザベルは何を思っていたのか気になります。

この後二人はどうなるのかと思いますよね…?
まさかの展開、そして妻の粋な行動に注目してラストまで鑑賞してください。