ロミオの青い空

ロミオの青い空

『ロミオの青い空』とは、1995年1月より放送された日本のアニメ作品。『世界名作劇場』の第21作目であり、地上波テレビシリーズとしては通年で放送された最後の作品だった。原作はドイツの作家リザ・テツナーが書いた『黒い家』。スイスのある村で家族と共に暮らしていたロミオが、家族のために身を売って煙突掃除夫として働く姿が描かれる。少年たちが必死に生きていく様子と、彼らの友情にスポットが当てられた作品である。

ロミオの青い空のレビュー・評価・感想

ロミオの青い空
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『ロミオの青い空』を彩る登場人物たちの人間的魅力

『ロミオの青い空』は、スイス・ソノーニョ村に住む少年ロミオがミラノに売られ、煙突掃除夫としての過酷な生活を描いた物語。主人公ロミオに代表されるように、本作を動かす主役は子どもたちです。ここではその中から3名を取り上げ、彼らの人間的魅力について紹介します。
まず本作の主人公ロミオ。彼が引き取られたロッシ親方の家では、おかみのエッダと息子アンゼルモから毎日のように嫌がらせを受けます。これには散々苦しめられたものの、元が純粋で明るい性格のロミオ、数々の嫌がらせにも負けず懸命に仕事をこなしていきます。そんな彼も時には弱気になり、仲間に無様な姿をさらしてしまうことも――しかし、完ぺきな人間など存在しません。彼のこの「弱さ」こそがかえって人間性に深さを与え、多くの仲間たちを惹きつけていると言えるでしょう。
ロミオの親友アルフレド。彼はシトロン親方のもと、劣悪な環境で働き続けた結果として身体を病んでしまいます。しかし、たとえ病に冒されても、彼の心は自分の使命を果たすために熱く燃えさかっていました。どんな困難に見舞われようとも、自らの命をかけることになっても決してぶれない彼の信念は、ロミオだけではなく「黒い兄弟」のメンバーや敵対する不良少年グループ「オオカミ団」のメンバーの心をも動かしていきます。決断力、対人力、カリスマ性――およそリーダーとしての資質をすべて兼ね備えたこの少年の存在は、本作の中でもひときわ輝いていると言えるでしょう。
ミラノの不良少年グループ「オオカミ団」の頭ジョバンニ。彼もまた不思議な魅力を持っています。敵である相手にさえも礼儀をわきまえ敬意を表する、自分たちが悪いと知れば素直に謝罪する、不正を犯した者はたとえ仲間であってもきちんと正す――これができる人間は、大人でもなかなかいないのではないでしょうか。人の抱える痛みに寄り添う心も持ち合わせており、不良少年とは呼ばれるけれど根っからの悪ガキではないところに彼の人間臭さがあり、仲間たちからも慕われる一因ともなっています。
以上、3名の人間的魅力について書いてきましたが、これ以外にも魅力的な登場人物はたくさんいます。アニメ『ロミオの青い空』を観て、あなただけのお気に入りをぜひ見つけてくださいね(^^)

ロミオの青い空
10

素晴らしい作品

世界名作劇場の作品の一つ。
スイス、イタリアを舞台とした貧困と子供の人身売買などリアルな世界観を書いています。
原作は海外のリザ・テツナーが書いた『黒い兄弟』です。

貧しい村で育った主人公のロミオは、大切な家の畑を人買いの手によって燃やされてしまいます。畑が燃やされてしまったせいで家族が生活できなくなりました。それを狙って人買いはロミオを買いたいと父親に申し出ます。
父親は反対しましたが、ロミオは自ら人買いに売られて行くことを選びます。
そこから舞台をイタリアミラノへ移し、煙突掃除夫として任期満了まで働き続けるのです。

煙突掃除夫として何もかも初めてのことばかり。
環境が変わった中、一人の男の子と出会います。
名前はアルフレド。
ロミオは一番の親友になりました。
アルフレドも煙突掃除夫として売られて来た子供の一人です。
アルフレドは貴族でしたが、親戚の手によってその幸せを燃やされました。
引き離された妹ビアンカを探しながら煙突掃除夫として頑張っていましたが、アルフレドの親方は最低な人間でした。
アルフレドは満足な食事も取らせてもらえず、最後には病気にかかってしまいました。

アルフレドの最後をロミオは一緒に見送りました。
その後任期を終えたロミオは家族の元へ帰って行きました。

過酷な環境の中ロミオをたくましく生きていく様を描いた作品です。