青春デンデケデケデケ

青春デンデケデケデケ

『青春デンデケデケデケ』とは、芦原すなおの青春小説。1960年代の四国・観音寺市を舞台に、バンド「ベンチャーズ」の影響を受けた少年がバンドを結成し、仲間と共にロックに明け暮れる日々を描いている。原作は第27回文藝賞、第105回直木賞を受賞した。1992年には映画版が劇場公開された。監督は大林宣彦、出演は林泰文、大森嘉之、浅野忠信、永堀剛敏など。音楽は久石譲が担当した。

青春デンデケデケデケのレビュー・評価・感想

青春デンデケデケデケ
10

古き良き時代の…

舞台は1960年代の香川県観音寺市。この地に住む「ちっくん」こと藤原竹良は、昼寝の最中に見た夢の中で「電気的啓示」を受け、ロックに目覚めます。
それまでバイオリンくらいしか弾いたことのなかったちっくん。やっぱり電気ギターでないといかん!と、バンドを組もうと仲間を集めたり、ギターを買うべくアルバイトをしてお金を稼ごうと夢に向かって動き始めます。バンド仲間に引き込んだ寺の息子・合田富士夫とともに「ドラムをやって欲しい」と、ブラスバンド部員の岡下巧にオーバーな話を持ちかけ半ば強引に引っ張りこんだり、アルバイトを反対する母親に「何でも弾けるようにバイオリンをもっと稽古したら良かろがな」と言われ「ギターでなければ弾けん曲がある」と豪語したり…でもその強い気持ちで、夏休み中めいっぱい働き、ついに念願のギターを手に入れ、仲間とともに練習を始めます。「ロッキングホースメン」と名付けたバンドは、大失敗に終わった地元の店の開店パーティーでのデビュー、バンドを応援してくれていた先生の死、岡下のファーストキス騒動、ちっくんの初デート、様々なことがありながらも大きく成長し、迎えた高校生生活最後の文化祭。このステージで大成功をおさめますが、その活動はこれでほぼ打ち切りとなり、メンバーそれぞれ、大学受験の準備、実家の商売の手伝いなど、次のステップへと歩み始めます。そんな中ちっくんだけは、ただただ憂鬱に日々を過ごしているだけでした。皆どうしてそんなに簡単にロッキングホースメンを捨てられるのだろう、自分はまだ高校生でいてロッキングホースメンの活動をしていたいのにと、仲間を恨めしく思っていました。そんな中でも東京の大学を志望していたちっくんですが、どうにでもなれと、ある日突然家を出てしまいます。ちっくんはどうなる?そしてロッキングホースメンのメンバーの行く末は?