深夜のダメ恋図鑑

深夜のダメ恋図鑑

『深夜のダメ恋図鑑』とは尾崎衣良による漫画作品。2013年より『プチコミック増刊』で連載し、その後『プチコミック』に移籍して2015年より2022年まで連載した。2018年にはテレビドラマ化され、馬場ふみか、佐野ひなこ、久松郁実が主要キャストを務めた。恋に仕事に悩める女子3人の恋愛エピソードが描かれる。
福間千代、古賀円、千鳥佐和子の3人は、定期的に集まり、恋愛話に花を咲かせていた。言い寄ってくる既婚者や、家事を全くしない彼氏、体毛が気になる彼氏の話など、ダメンズたちの話で盛り上がる。

深夜のダメ恋図鑑のレビュー・評価・感想

深夜のダメ恋図鑑
9

ダメ男がそろい踏み!スカッとする作品!

ダメ男へのはっきりした対応を見て、本当にスカッとします!

メインキャラクターは、元ヤンで毒舌な受付嬢・古賀円、少女漫画のような恋愛を夢見るOL・福間千代、ダメ男と付き合い続ける行政書士・千鳥佐和子の3人。3人の女子会で話されるダメ男の話が毎回おもしろすぎます!
古い男尊女卑の考え方や、結婚が女の幸せといった価値観をぶった切ってくれます。自分がもやもやしていることを代弁してしてくれているような感じです。
こんなに頭が回って反論できたら気持ちいいんだろうな~と思います。

男性キャラクターで魅力的なのは佐和子の彼氏・国分諒。
乾物だしを知らずに顆粒だしだけがだしだと思っていたり、看病の時にフライドチキンを買ってきたり、一緒に住んでいるのに家賃を払おうとしなかったり、、、
一見悪男に聞こえますが、純粋に悪気がなくこうなっているところが愛らしくも思えてしまいます。
途中からは反対に、男性目線から女性の理不尽さも描いてくれています。

現実にはこんな男性はいないのかもしれませんが、漫画としてはとてもおもしろいです。女子が反論するときの鬼の形相も見所です。
恋愛だけではなく、気分が落ち込んでいるときにはこの漫画を読んで、スカッとして気分転換しています。

深夜のダメ恋図鑑
10

スッキリする!

同じマンションに住む女性3人による、飲みながらのダメ男トーク。ダメ男が勢ぞろい!
1番スッキリしたのは1人の女性の元カレの話。自分のことしか考えないダメ男で、旅行に行っても運転しない、一緒に住んでも家賃は払わない、靴下の脱ぎっぱなしも直らないどころか逆ギレする。買い物に行っても1円も払わない。味噌汁にケチをつけるし、急に同僚を家に呼んだりする。味噌汁の件なんて、「(自分の)お母さんが使っていただしの素を使ってない!」なんて怒ったけど、昆布や鰹節から丁寧に出汁をとっている彼女の方が断然美味しいに決まっているのに…。
そんなダメ男をスパッと斬るさまが、とても晴れ晴れした気持ちになった。

1番好きなのは、ギャル系の友達夫婦にそそのかされたバカな彼氏が「他に女はいくらでもいる!」と彼女(登場人物のうちの1人)に別れを申し出て、家を追い出す話。
晴れて自由の身になった彼氏は有頂天で女の子や同僚を部屋に呼んだが、その数日後に家具が全くなくなる。
彼女に電話をしたら、「私が買って使ってた私のものだから」と一蹴。すごく笑ったし爽快だった!

しかも、この後、ダメ男トークしてる女の子の1人と思わぬところで繋がってしまうところも面白い!

他の2人の恋愛関係の話も面白く、早く続きが読みたくなるシリーズ。

深夜のダメ恋図鑑
2

女性にしか楽しめない危険な作品

本作品は、男性にとっては非常にストレスの溜まる危険な作品です。
このレビューは、男性目線になりますので、ご注意ください。

本作品には2タイプの登場人物がいます。
ひとつは、あからさまに叩かれ専用に作られたダメ男キャラ。
そしてもうひとつはそのダメ男キャラを罵詈雑言で圧倒して快感を得るために作り出された女キャラです。

男が明らかに普通ではないくらいのわがままだったり頭のおかしい行動をとり、それに対し女が口早に論破して男を凹ませる、あるいはビビらせるというのが本作の基本的な流れになります。

個人的に、この本の好きではない部分は以下になります。

・男は反論するでもなくごめんなさいで締める
・最後に内輪の女同士で説教したったの自慢大会
・何か努力して見返すのではなく、ただ罵詈雑言を吐くだけ

男を説教するセリフ回しも、読んでいてストレスが溜まりました。
腐女子・嘘松的と言うのでしょうか、息継ぎなしでべらべらと喋る感じで、私可愛いけど実は毒舌、元ヤンなんですといった作者の変身願望が透けてみえます。

女性にとっては、男を論破したり手玉にとるところが面白いのでしょうが、男の僕にとってはストレスが溜まるだけの作品でした。

深夜のダメ恋図鑑
10

女性の恋愛のモヤモヤをスカッと解決してくれます

しっかりしているけれどダメ男ばかりに引っかかる、少女漫画のような恋に憧れる、清楚な見た目だけど実は元ヤン、そんな3人の女性が主人公の、日常の恋愛をテーマにした物語です。
続き物の話もありますが、どれも割と独立した話になっているので、1巻から読まなくても楽しめるのではないかと思います。
日常でこんな男に出会うことはないかもしれない、けどこんな男も実際にいそうだな、という絶妙なキャラクターが多く出てきて、コメディー要素も含んでいるので、いつも笑いながら読んでいます。

一番の魅力は、ダメな男に対して主人公たちが正論でスパッと切り捨ててくれるところです。その通り!と思って、こちらまですっきりとした気分にさせてくれます。
例えば、結婚したいという40代の男性とお見合いするという話では、男性の結婚したい理由が「ご飯を作ってくれる人が欲しい」、「親の介護をして欲しい」ということを知った主人公が、その男性に向かって「召使でも雇われたらいかがですか?」と言うシーンにはものすごく共感しました。また、諒くんというお気に入りのキャラクターがいるのですが、かなりのダメ男なのに今度は何をやらかしてくれるんだろうと次の話を待ち遠しく感じ、早く次の巻が発売されるのを楽しみにしています。女性には是非ともお勧めしたい作品です。