シュート!

シュート!

『シュート!』とは、大島司によるサッカー漫画である。1990年から2003年の13年にわたり、講談社の漫画雑誌『週刊少年マガジン』で連載された。4部構成になっており、舞台となる高校が異なる。主人公の田仲俊彦を中心に、先輩に憧れる少年の心理を描く。1993年、『蒼き伝説 シュート!』としてアニメ化。また1994年には、男性アイドルグループ「SMAP」のメンバーらがメインキャストを務めて実写映画化された。

シュート!のレビュー・評価・感想

シュート!
10

幼なじみのサッカーバカ3人の青春物語

小さな頃から一緒にサッカーをやってきた幼なじみの高校生3人が、全国制覇を目指してたくさんの競合チームと戦っていく物語。
主人公のトシは、中学時代に掛川西中学で幼なじみのミッドフィルダーの平松とゴールキーパーの白石と3人で掛西トリオのトリプルアタックで知られる存在であった。トシは、その頃高校サッカー界で天才と言われていた掛川高校で監督兼キャプテンをやっていた久保に憧れ、掛川高校のサッカー部に入る。しかしある試合中に久保は伝説となる11人抜きを達成し、そのままピッチに倒れてしまい、試合を続けることが出来なくなってピッチを去る。実は久保は白血病を患っており、先が長くないことを知ったうえで試合に望んでいた。そしてピッチを去る時にトシに一言「トシサッカー好きか?」と声をかける。トシはその頃思うようにサッカーが出来ず、サッカーが嫌になっていたので「好きです」と回答が出来なかった。そのまま久保は白血病で亡くなってしまい、トシは久保に回答が出来ないままになってしまう。
トシは元々右利きだったが、久保に後に幻の左足と言われる左足のシュートを見出される。
その後、仲間に支えられながらトシはサッカーを続けていき、久保に見出された幻の左を武器に数々の強敵を倒していく。

一試合の攻防が手に汗握る展開で描かれていて、ページをめくる手が止まらなくなる。

シュート!
10

リアルなプレイ!サッカー少年がマネをしたくなるマンガ。

まずシュートはシリーズ化しています。
1作品目は主人公、田中俊彦(通称トシ)が高校1年生のときの話で、2作品目がトシが中学生時代の話、3作品目が1作品目の翌年の話、4作品目がさらに翌年の話、シリーズを通してメインとなるのが、田中俊彦、平松和弘、白石健二の掛西中トリオ。この3人が、掛川高校の天才プレイヤー久保嘉晴と出会い、成長していく物語です。作品が長いのでおすすめの絶対マネをしたくなるプレーをご紹介します。ここからはネタバレになりますが、1作品目の途中で久保さんは病で亡くなってしまいます。試合中に亡くなってしまうのですが、亡くなる前最後のプレーが、「ゴールトゥゴール」これは味方のゴール前からドリブルで相手の11人を全て抜いてゴールを決めるというもの。実際のサッカー界では、元ACミランのジョージウェアという選手が過去にやっています。最後、キーパーをジャンプして抜くシーンはみんなマネしたくなるはずです!次に1作品目で全国選手権決勝で見せた、平松君の「ダブルヒールキック」ヒールキックをご存知の方はいるかと思いますが、足でボールを挟んで浮かし、相手DFの頭上を越して抜かすというプレーです。平松君は決勝という舞台で相手にヒールキックを読まれ、とっさに1度浮かしたボールを逆足で蹴り上げタイミングをずらすというプレーをしたのです。これは実際に可能なプレーです。Jリーガーの松井大輔選手が実際にやっていました。その他にも様々なプレーがありますが、私が一番好きなのは、神谷篤司のいう久保さんとコンビを組んでいた掛川高校のキャプテンがみせた、5人にかこまれながらも約30秒ボールをキープしたのちに出したロングスルーパスです。これは実際、5人に囲まれたらどうしようもないと思うと思います。ですが、神谷というプレイヤーが放つオーラによって相手は近づけないのです。ボールを持ったら何かしてきそうな、まさにファンタジスタ、といった選手の最高のプレーは絶対マネしたくなるはずです。私もこれを見てからスルーパスのかっこよさに憧れて何度もチャレンジしてました!できるできないは別として、リアルに頑張ったらできそうなプレーが多くあるのが、このシュート!という作品です。かなり前に連載は終わっていますが、周りの人に、何かおすすめのサッカーマンガはないか?と聞かれたら、間違いなく薦める作品です。このマンガをみて育ったJリーガーもきっと多いはずです。