マスロックバンド the cabsが与えた衝撃
the cabsはKEYTALKのベースボーカルである首藤義勝氏が以前活動させていたバンドである。(2013年解散)the cabsはマスロックの特徴である変拍子を多く取り入れ、暴れるようなギターとシャウト・ベース、爆撃機のように手数の多いドラムが混ざり合い、作品となっている。彼らの作る作品はリスナーに大きな衝撃を与える。彼らの楽曲である「キェルツェの螺旋」を例に挙げると、初見では拍子をとれないイントロから始まり、甲高いライドカップの連打やツーバス連打などリスナーに対して畳みかけるようなフレーズの応酬で、最後はそれを断ち切るかのように曲が終わる。2分足らずのこの楽曲は、その畳みかけるようなフレーズで視聴時間の錯覚を覚えさせる。また、そのような激しい楽器演奏とは裏腹にベースボーカル首藤義勝の透き通るようなボーカルラインがこのthe cabsというバンドを唯一無二の存在たらしめている。さらに、「anschluss」という楽曲ではそのボーカルラインが前面に押し出されている。彼らはここから躍進するに違いないと誰もが考えたその瞬間突然の解散宣言がなされた。リスナーに衝撃を与え続けたthe cabsは日本で唯一無二の存在である。