猿の惑星:創世記

猿の惑星:創世記

『猿の惑星:創世記』(さるのわくせい:ジェネシス)とは、2011年8月に公開されたアメリカのSF映画作品で、原題は「Rise of the Planet of the Apes」。『猿の惑星』シリーズの1つである。日本では2011年10月に公開された。監督はルパート・ワイアットが務めており、ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピントなどが出演している。本作は、シリーズ第1作『猿の惑星』の前章である。舞台は現代のアメリカ・サンフランシスコ。遺伝子操作によって高い知能を持った猿たちと、それに対抗する人間たちの戦いが描かれる。

猿の惑星:創世記のレビュー・評価・感想

猿の惑星:創世記
8

なぜ猿の惑星になってしまったか?

神経学者のウィルが、アルツハイマー遺伝子治療薬(ALZ112)を雌チンパンジーのブライトアイズに投与する。しかし、ブライトアイズが身籠っており子猿(シーザー)を守るために凶暴化し射殺されてしまう。だが、ウィルはブライトアイズの遺伝子を継いでいるので母親と同様に高い知性を持つ。ウィルの父親(チャールズ)は、アルツハイマー型認知症に冒されており、ウィルはALZ112を使用してしまう。一時的に認知症を回復させる事が出来たが、チャールズの体に抗体が出来始めるとアルツハイマーが悪化してしまう。その結果、チャールズと隣人とのトラブルが起こり、チャールズを守るために相手に怪我を負わせてしまう。そして、ランドン親子が経営する霊長類保護施設に送られる。施設の中の猿達と馴染めず、ランドンの子供に虐待され人間に対して憎悪を抱くようなる。施設のゴリラとオラウータンと親しくなったシーザーは、群れのボス猿ロケットとリーダー争いをして勝利を収める。そして、新ボスになったシーザーは、ウィルの自宅からALZ112を改良したALZ113を持ち出し、施設の猿達に服用させる。シーザーの指揮により施設を脱出し、ミュアウッズ国定公園を目指す。しかし、ゴールデンブリッジで警官隊が待ち伏せしていたが、ブリッジの上と下そして前に猿達を配備し同時攻撃をして突破する。その時、シーザーがヘリコプターからの射撃で命を失いかけたがゴリラが命がけで守り助けられた。ミュアウッズ国定公園に着いたシーザーは、ウィルに止められるが拒否し仲間と共に森に消えていった。後にALZ113は猿インフルエンザとして蔓延し、多くの人間が死亡した。

猿の惑星:創世記
7

旧作同様、心に刺さる映画

2011年公開に公開されたSF映画の衝撃作、猿の惑星シリーズのリブート作品です。
本作では3部作に渡って、なぜ地球が人間から猿に支配者の座を奪われてしまったかが描かれます。
旧作では特殊メイクで表現されていた猿達ですが、技術の進歩により、モーション・キャプチャーを中心によりリアリティある存在として描かれています。
リブート3部作の第1作だけあって。本作は知能を持った主人公「シーザー」の誕生から、特殊な薬品で猿達が知能を得て、人間に反旗を翻すまでが描かれます。
旧作の熱心なファンから見た場合、本作からの猿達は服を着ていない普通の猿に近い姿なので、多少物足りない印象もあるかもしれませんが、劇中で猿の監獄に入れられて日常的に行われる虐待や動物実験に使われたりと、人間の身勝手さに翻弄される猿達を観れば彼らに感情移入せざるえなくなり、最終的には(すべてではないとはいえ)人間のほうが猿達に反撃され、快哉を上げたくなる心境になりました。
とはいえ、薬品を開発した科学者とシーザーの疑似親子関係など、以降の作品でも度々描かれますが、猿と人間が心通わすシーンも度々あり、ゆえに理不尽に争いあう光景にはもの悲しさを感じさせ、旧作同様、心に刺さる映画となっています。