GO

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『GO』とは2001年の日本の映画である。原作は金城一紀の直木賞受賞作『GO』。監督は行定勲、脚本は宮藤官九郎。出演は窪塚洋介、柴咲コウなど。国籍が韓国の高校3年・杉原は桜井という少女とつきあい始め、幸せな日々を送っていた。しかし、民族学校開校以来の親友・正一が駅で少年に刺される事件が起きてしまう。在日韓国人の高校生が、自らの生き方をつかんでゆく姿をはつらつと描いた作品。

GOのレビュー・評価・感想

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9

窪塚洋介好きにもおすすめ。

原作の方は観たことがない。窪塚洋介の代表作なのだろうか。有名作品はIWGPだと思うが、その中でも人気キャラクターのキング。この作品はIWGPのキングの姿も垣間見れた。その上、テンポ、内容もよかったと思う。主な話は在日韓国人の話。差別の残酷さ、死や別れに直面する主人公がそれらを乗り越えていく。主人公の成長が描かれている。自分はお父さんが好きだった。とりあえずぼこぼこに殴るシーンばっかだったけど(笑)。理不尽に、理由がない暴力はなかったから、痛そうだったけど観ていられた。シーンの移り変わりが絶妙だった。フィルムの感じも一昔前の映像っていう感じがしていて、自分好みだった。最近、1990年代から2000年頭の画風が流行ってるし、今どきの人も見やすいんじゃないかと思った。名前、呼び方に固執しない、いやするべきではない。在日韓国人である前に自分という存在は唯一無二の存在であって誰にも縛られずに、強く生きていこうという姿勢がとてもかっこよかった。着飾って生きてることが多い現代社会の中で本当の自分自身を見つめ直すきっかけになった。まあなんといっても窪塚洋介がとりあえずかっこよかった。ピンポンもみてみたいなあ。。。

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10

窪塚洋介、クドカンファン必見!教養を必要とした最高の滑稽噺。

窪塚洋介、宮藤官九郎ファンの私は完全にこのタッグに惹かれて観始めたのですが、観賞後、即座に映画好きの友達に長文でオススメのメールを打ちました。

小説が原作になっており、基本的な構成はラブストーリーということになっていますが、軽快に描かれる重すぎる問題などから”クドカン節”を感じることができました。
在日韓国人である主人公・杉原は「民族学校開校以来のバカ」と言われながらも、自分にしか理解できない悩みを悲観的に捉えることなく、独自の姿勢から解決するセンスの持ち主でした。
落語で笑い、シェークスピアが刺さる。
若さ故の素直さと、その陰にずっしりと腰を据えた家庭問題や差別的扱い。それら全てが作り上げる人格がこんなに美しいものかと、言葉に詰まりました。

フィクションである以上全てを真に受けて語ることはナンセンスですが、この辺りから学ぶことも多く、解決できない悩みに身じろぎするので精一杯といった方には是非一度、あくまで娯楽の一つとしてこの映画をお勧めしたいです。
気付かされることが嫌いになってしまった我々大人が、たどり着くことのできない境地にある何かに手が届くのではないかと思わせてくれるような、そんな時間をすごさせてくれる不思議な映画です。