100万の命の上に俺は立っている

100万の命の上に俺は立っている

『100万の命の上に俺は立っている』とは、山川直輝原案、奈央晃徳作画による漫画である。2014年に講談社のマガジングランプリで佳作となった『オープン・ワールド/ゲリラ農奴>>能動』をもとに、2016年から『別冊少年マガジン』で連載された。一匹狼の主人公・四谷友助は、異世界で同級生の女子たちと協力して戦うことになる。人間嫌いの四谷だったが、クエストをこなすうちに徐々に仲間への見方が変化していく。2020年にはアニメ第1期、2021年には第2期が放送された。

100万の命の上に俺は立っているのレビュー・評価・感想

100万の命の上に俺は立っている
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主人公の考え方にとてもあこがれる

この作品のあらすじは、東京に住んでいるあまり友達が居ないタイプの高校生がある日、異世界のような場所へ飛ばされ仲間と共に異世界で出されるミッションをクリアし、現実に戻るというものです。これだけ聞くとありガチな話だと思うかもしれませんが、この作品の一番の特徴は、主人公の考え方が他の作品の主人公とは全く違うということだと私は思います。例えば主人公は昔、田舎に住んでおり、東京に引っ越してから少し仲間はずれにされた結果、東京すごく憎むようになり、異世界で力を身につけた際にはその力で東京を破壊したいと考えました。また異世界に行ってもそこにいる住人と仲間になって長い間共に戦い旅をしてもどうせ異世界の住人だからとすごく適当な別れ方をするなど、少し冷酷な考え方を持っています。しかしその異世界の住人や仲間などと共に旅をしていくうちに考え方は少しずつ変わっていきます。そんな主人公の心の成長も、この作品の見どころだと思います。また、主人公だけではなく、主人公の仲間も見どころの一つだと思います。仲間達は全員が全員全く違う性格をしており、意見が対立することもしばしあります。しかし違う考え方だからこそ色々な意見が出て解決できる問題もあることを、私はこの作品から学びました。

100万の命の上に俺は立っている
9

今までにないタイプの主人公

『100万の命の上に俺は立っている』の主人公は、今までにないタイプの主人公で、困っている人を助ける、女の子が捕虜になれば助け出す等、マンガではお決まりのシーンがあったとしても、助け出すこと自体が、効率が悪いと感じれば、無視をして進んでいこうとする、ある意味完璧な合理主義者です。
映画などで誰かを助けるために主人公がピンチに陥ってしまう、というのはよくある話ですが、そういうイライラもなく、合理的に進めていってもらえるので、読んですっきりします。
いろいろピンチや葛藤など出てくることもありますが、全て気持ちよく解決していきます。それ以外にも主人公が敵を罠にはめていくことがあり、主人公の性格の悪い部分も出てきたりと、かなり濃い人間味を感じて、感情移入しやすかったです(逆にマンガとしては感情移入しにくい方もいらっしゃると思いますが、主観ですので…)。何度も言いますが、今までに見てきた正義感が強くまっすぐな性格で、困っている人を見つけると、ほおっておけない主人公に飽きてきた方は、少しダークな部分もある主人公にひかれていきますので、100万の命の上に俺は立っているを一度読んで見てください。