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今までにないタイプの主人公
『100万の命の上に俺は立っている』の主人公は、今までにないタイプの主人公で、困っている人を助ける、女の子が捕虜になれば助け出す等、マンガではお決まりのシーンがあったとしても、助け出すこと自体が、効率が悪いと感じれば、無視をして進んでいこうとする、ある意味完璧な合理主義者です。
映画などで誰かを助けるために主人公がピンチに陥ってしまう、というのはよくある話ですが、そういうイライラもなく、合理的に進めていってもらえるので、読んですっきりします。
いろいろピンチや葛藤など出てくることもありますが、全て気持ちよく解決していきます。それ以外にも主人公が敵を罠にはめていくことがあり、主人公の性格の悪い部分も出てきたりと、かなり濃い人間味を感じて、感情移入しやすかったです(逆にマンガとしては感情移入しにくい方もいらっしゃると思いますが、主観ですので…)。何度も言いますが、今までに見てきた正義感が強くまっすぐな性格で、困っている人を見つけると、ほおっておけない主人公に飽きてきた方は、少しダークな部分もある主人公にひかれていきますので、100万の命の上に俺は立っているを一度読んで見てください。