高いハードルを難なく超えた作品
『インクレディブル・ファミリー』はピクサーファンにとって待ちに待った作品でした。本作は大変好評であった『Mr. インクレディブル』の続編にあたり、前作からかなり長い期間を空けての公開発表となったので、ファンからの期待値が十分すぎるくらいに高くなっていました。その高いハードルを越え、ファンを魅了することに成功したストーリーとなっていました。まず、前作のストーリーもところどころで盛り込んでいる部分が、ファンの興奮を高める結果になったと言えます。ストーリーだけ取っても十分楽しめますが、しっかりとメッセージ性が込もっているところがピクサー作品全般に言える魅力であり、この作品も例外ではありません。本作は女性の活躍が非常に多いです。ヒーロー活動が違法であるとされる法律を変えるための任務に、最初に選ばれたのはイラスティガール(ヘレン・パー)です。今まではMr. インクレディブル(ボブ・パー)の活躍が目立つことのほうが多かったのですが、本作ではイラスティガールにスポットライトが当たり、代わりにMr. インクレディブルが家事を行うので、女性の社会進出や主夫など、現代背景を多くくみ取った作品となっています。長い年月をかけた分、とても内容の詰まった素晴らしい作品に仕上がっていると感じます。