スリップノット / Slipknot

スリップノット / Slipknot

「Slipknot(スリップノット)」とは、1995年に活動を開始したアメリカのヘヴィメタルバンドである。1999年に1stアルバム『Slipknot』でデビュー。アメリカだけでなく、日本でも爆発的人気を誇る。パフォーマンス時は、メンバー全員が独特のマスクを身につけているのが特徴。バンド名は、絞首刑の際に使われる「引き結び」という結び方を意味する。

スリップノット / Slipknotのレビュー・評価・感想

スリップノット / Slipknot
10

攻撃性と美しさ。コリー・テイラーがSlipknotで聴かせる二面性。

1995年にアメリカ合衆国で結成された「Slipknot」。メタル調の激しい楽曲、そしてメンバー全員がマスクを被っているのが特徴的。バンドメンバー全員の演奏技術がとても高く、ステージ上で激しいパフォーマンスをしながらも、恐ろしいくらいの正確性で楽曲を演奏するバンドです。

そのメンバーの1人、コリー・テイラー(Corey Taylor)はデスボイスと呼ばれる叫び声が特徴のボーカル。Slipknotの楽曲の攻撃性や力強さを、より高みにあげています。バンドの中でも名盤とされる『IOWA』(2001年)をぜひ聴いてみてください。1曲目の『People=Shit』の出だしから聞こえてくるコリーの激しいシャウト。これぞメタルと言わんばかりの声です。

しかしコリーはデスボイスだけでなく、実はとても美しい歌声の持ち主だということをご存知でしょうか?2008年にリリースされたアルバム『All Hope Is Gone』に収録されている「Snuff」は、その美しい歌声を堪能できる1曲です。聴いてみると「え?」と思うかもしれません。あのマスクを被った姿からこの歌声は想像できないという方も多いはず。

このデスボイスと美しい歌声を同時に存在させることができるのが、コリーの最大の魅力。『IOWA』の楽曲は全体的に攻撃的な楽曲が多いのですが、その中でも美しさや人間的な部分を感じられるのはコリーの歌声があるからこそ。そこにメンバー全員の高い演奏技術が混ざり合い、Slipknotというバンドが作り上げられています。

もちろんこれらの楽曲、アルバム以外でもSlipknotのコリーの歌声を堪能できます。バンド名を冠した1stアルバム『Slipknot』(2000年)から楽しんでみてください。

スリップノット / Slipknot
10

激しい音楽が聴きたい人向け

1999年にデビューしたアメリカの9人組のメタルバンドです。
20年に渡る活動期間でアルバムは全6枚と比較的少ない方かとは思います。

アルバムの枚数が少ない要因は、人気過ぎて常に世界中を飛び回ってライブ活動をしているのでアルバム制作の時間確保が難しいからなのではないかと思います。
数が少ない分、アルバム枚数が多いだけのアーティストよりもアルバムの当たり外れを感じません。

曲はとにかく激しく、9人もメンバーがいるので音の表現も複雑です。
ボーカルは叫びっぱなし、ドラムもギターも常に激烈過ぎて、DJがいるのですがやや音の洪水に飲まれていて影が薄いです。
4枚目以降のアルバムはバンドも成熟し技術も向上しているので丸くなるかと思いきや、相変わらず攻めた曲作りです。
ボーカルの歌唱力向上が特に顕著で声量があり、キレイな歌い方になっています。

ただ激しいだけでなくバラードを取り入れたり、ラブソング(歌詞は病んでてストーカー的ですが)もあり暗い雰囲気を感じます。
延々と激しいだけのスレイヤーやスーサイドサイレンスはすぐに飽きましたが、スリップノットは激しい曲、大人しめな曲とメリハリがありますので飽きずに聞けます。
恐らく、聞けばどうして世界トップクラスのミュージシャンなのかも良くわかると思います。

朝、仕事前に気分を奮い立たせるのにオススメです。

スリップノット / Slipknot
9

ヘヴィーミュージックにハマりたい方へ

激しい曲が聴きたい。でも、聴きやすさもあって、すぐに覚えて思わずサビを叫んでしまいたい。そういうときにおすすめなのがSlipknotです。

まず、激しさ。これは文句なしです。特におすすめはセカンドアルバム「Iowa」。ファーストアルバム「Slipknot」とよく比較される名盤です。どれくらいかというと、ヘヴィメタルで名盤ベスト10では無理でも、ベスト30くらいなら必ず入ってくるくらいです。

また、ドラムスのJoey Jordisonのテクニックが凄まじいです。今は脱退(解雇という説も。詳しいことはそもそも発表されていません。未だに謎のままです)しているのが本当に悔やまれます。その魅力は、DVD「Disasterpieces」のドラムソロで存分に味わえます。音もいいため、クリアなスネアの音が小気味よいです。また、手足を駆使して六連符のフィルを多く入れてくる傾向も強く、初めて聴いた人は二度見ならぬ二度聴きすること必死です。

他にも魅力はたくさんあるのですが、あえて一つに絞るとすれば、人数が多いだけあって(イレギュラーな9人編成)、音のバラエティーに富んでいるところです。こればっかりは聴かないと伝わらないので、ぜひ聴いてもらいたいバンドです。