攻撃性と美しさ。コリー・テイラーがSlipknotで聴かせる二面性。
1995年にアメリカ合衆国で結成された「Slipknot」。メタル調の激しい楽曲、そしてメンバー全員がマスクを被っているのが特徴的。バンドメンバー全員の演奏技術がとても高く、ステージ上で激しいパフォーマンスをしながらも、恐ろしいくらいの正確性で楽曲を演奏するバンドです。
そのメンバーの1人、コリー・テイラー(Corey Taylor)はデスボイスと呼ばれる叫び声が特徴のボーカル。Slipknotの楽曲の攻撃性や力強さを、より高みにあげています。バンドの中でも名盤とされる『IOWA』(2001年)をぜひ聴いてみてください。1曲目の『People=Shit』の出だしから聞こえてくるコリーの激しいシャウト。これぞメタルと言わんばかりの声です。
しかしコリーはデスボイスだけでなく、実はとても美しい歌声の持ち主だということをご存知でしょうか?2008年にリリースされたアルバム『All Hope Is Gone』に収録されている「Snuff」は、その美しい歌声を堪能できる1曲です。聴いてみると「え?」と思うかもしれません。あのマスクを被った姿からこの歌声は想像できないという方も多いはず。
このデスボイスと美しい歌声を同時に存在させることができるのが、コリーの最大の魅力。『IOWA』の楽曲は全体的に攻撃的な楽曲が多いのですが、その中でも美しさや人間的な部分を感じられるのはコリーの歌声があるからこそ。そこにメンバー全員の高い演奏技術が混ざり合い、Slipknotというバンドが作り上げられています。
もちろんこれらの楽曲、アルバム以外でもSlipknotのコリーの歌声を堪能できます。バンド名を冠した1stアルバム『Slipknot』(2000年)から楽しんでみてください。