bloodthirsty butchers

bloodthirsty butchers

「bloodthirsty butchers」とは、吉村秀樹、射守矢雄、小松正宏、田渕ひさ子で構成されるロックバンドである。1986年、北海道留萌市出身の吉村、射守矢、佐野紀代己の3人で「ブッチャーズ」を結成。佐野は1989年に脱退し、代わりのドラムスとして小松が加入した。田渕は2003年から合流。唯一無二のサウンドと線の細いボーカルが特徴で、トリビュート・アルバムでは再現が難しいと言われる。吉村は2013年、心不全のため急逝した。

bloodthirsty butchersのレビュー・評価・感想

bloodthirsty butchers
10

日本ロック界重鎮最高の轟音アルバム

このアルバムの凄いところはなんといっても、1つの作品として、アルバムの域を超えて、音楽を聴いているだけなのに、映画を見ているような錯覚にまで陥ることだ。
人の情緒を全てさらけ出したかのような、田淵ひさ子のギターの轟音は特にあなたの「胸を踊らせる」こと間違いなしだ。

そして、このblood thirsty butchers を語る上で彼を外すことはできない。それはボーカルギターの吉村秀樹だ。
彼の生き様は楽曲をより色濃くし、私たちをエモーショナルの「ocean」に連れ出してくれる。残念ながらというべきは、迷うところだが、彼は2013年の5月27日に急性心不全のためにこの世を去った。46歳であった。そんなこともありながら、ブッチャーズは僕たちに生きる希望を投げかけてくれる。同じ「サッポロ」のバンドはたくさんいるが、彼らは間違いなく伝説であろう。
僕は、向井秀徳率いるナンバーガールや、吉野寿の率いるイースタンユースも同じ音楽として大好きなのだが、なぜか核小体に染みるような音はブッチャーズ以外生み出せていない。彼の名盤中の名盤「Kocorono」をまずは手に入れて欲しいのだ。楽曲だけではない。アルバム全てが物語なのだ。吉村という男の人生を感じて欲しい。