原作ファンには少々物足りない
伊藤計劃さんの小説ハーモニーが映画化されたが、120分という上映時間の中で原作ハーモニーを伝えることが難しかった印象。
小説中のセリフや印象深い言葉を抜粋してはいるが、映像と合わさってなく動画付きの読み語りを聴いている感じ。原作ファンは物足りなく何か違う感がありがっかりする。また、小説ではしっかり説明されていた複雑なストーリーが映画では説明は少なくどんどん展開していくので、原作を知らない人は意味がわからず置いてけぼりということに陥る可能性がある。
映像は、3D感の強いものだったので個人的には少し抵抗があったが、個人の好き嫌いによる。音や物語の途中に流れる音楽は原作のイメージにぴったりで非常に良く表現されていて引き込まれた。
キャラクター設定も分かりやすかったが一つ残念だったのは登場人物の多さにより個人的なエピソードやセリフが少なくそれぞれの人物像がはっきりしなかったところ。
全体的には、低評価だが原作ファンはこのシーンがどう映像化されているかとか、好きなセリフを豪華な声優陣の声で聴けたり原作中の風景を色付きで楽しめるので見て損はないと思う。
特にエンディングは息を呑むほど素晴らしく圧巻だったので注目して欲しい。原作を知らない人は、映画を見る前に原作を読んでおくことをお勧めする。