ハーモニー / Harmony

ハーモニー / Harmony

『ハーモニー』とは、作家・伊藤計劃(いとう けいかく)による小説、およびそれを原作とした漫画・アニメ映画である。ジャンルはSF。伊藤計劃のデビュー作『虐殺器官』と同世界観であり、『虐殺器官』によって引き起こされた大災害を機に高度医療社会となった世界が舞台となっている。そんな世界で、ある日突然多くの人が同時自殺をする事件が発生。主人公のトァンは世界の均衡を維持する監察官として事件の調査に乗り出すが、そこで彼女が知ったのは、事件に13年前に亡くなった筈の友が関わっているという衝撃の事実だった。

anime_newのレビュー・評価・感想

ハーモニー / Harmony
4

原作ファンには少々物足りない

伊藤計劃さんの小説ハーモニーが映画化されたが、120分という上映時間の中で原作ハーモニーを伝えることが難しかった印象。
小説中のセリフや印象深い言葉を抜粋してはいるが、映像と合わさってなく動画付きの読み語りを聴いている感じ。原作ファンは物足りなく何か違う感がありがっかりする。また、小説ではしっかり説明されていた複雑なストーリーが映画では説明は少なくどんどん展開していくので、原作を知らない人は意味がわからず置いてけぼりということに陥る可能性がある。
映像は、3D感の強いものだったので個人的には少し抵抗があったが、個人の好き嫌いによる。音や物語の途中に流れる音楽は原作のイメージにぴったりで非常に良く表現されていて引き込まれた。
キャラクター設定も分かりやすかったが一つ残念だったのは登場人物の多さにより個人的なエピソードやセリフが少なくそれぞれの人物像がはっきりしなかったところ。
全体的には、低評価だが原作ファンはこのシーンがどう映像化されているかとか、好きなセリフを豪華な声優陣の声で聴けたり原作中の風景を色付きで楽しめるので見て損はないと思う。
特にエンディングは息を呑むほど素晴らしく圧巻だったので注目して欲しい。原作を知らない人は、映画を見る前に原作を読んでおくことをお勧めする。