最後まで気が抜けない超大作!
漫画の神様、手塚治虫先生の傑作SF漫画。
手塚先生自ら設立したアニメプロダクション『虫プロ』にてアニメ化もされています。白黒アニメだったので調べましたとろこなんと1960年代でした。
自らの欲を満たす為、悪化する一方の環境破壊や、醜い戦争の絶えない人間のいる地球を、反陽子爆弾で消滅させようかどうか銀河連盟で意見が分かれる中、エリートであるボッコ、プッコ、ノッコの3人がそれぞれ動物に姿を変え一年間調査することになります。
怪我を負ったW3は村の暴れん坊、星真一少年に助けられます。未開の原始星の野蛮さに嫌悪感を感じていたが、少年の優しさと自然の美しさに心を改めはじめます。
少年の兄が秘密組織の一員であったり、手塚先生特有の独特な宇宙人の機械など、決して否定的ではない意味での夢があった頃の昔の漫画感がたまりません。
特筆すべきはラスト。最後の、ほんとに最後の一コマで、登場人物がかもしだす独特の雰囲気で真実が明らかになります。
中学生当時、ジャケ買いして初めて手に取った手塚先生の作品が『W3』でした。巧みなストーリー展開、際立つキャラクター、臨場感溢れるコマ割り、そして読み切った後のはじめての感覚に感動したのを覚えています。それまで持っていたサッカー漫画と、友達の持っていた手塚先生の作品を交換して貰った嬉しさを今も大事にしています。本当にオススメの一作です!