バジリスク〜甲賀忍法帖〜 / Basilisk

バジリスク〜甲賀忍法帖〜 / Basilisk

『バジリスク〜甲賀忍法帖〜』とは、山田風太郎の小説「甲賀忍法帖」をせがわまさきが漫画化した作品。2005年にTVアニメ化もされている。この物語は徳川将軍家の世継ぎ問題に巻き込まれた伊賀と甲賀、その両家の跡取りが愛し合いながら殺し合いをする運命をどのように受け止めるかを描く時代劇漫画。

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バジリスク〜甲賀忍法帖〜 / Basiliskのレビュー・評価・感想

バジリスク〜甲賀忍法帖〜 / Basilisk
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人の想いが交錯する異能忍者アニメーション

『バジリスク~甲賀忍法帖~』はGONZO制作の2005年に放送されたアニメ作品です。
原作は忍法帖シリーズで有名な小説家・山田風太郎先生の『甲賀忍法帖』を、漫画家のせがわまさき先生が漫画化したものになります。

【簡単なあらすじ】
江戸前期の時代、伊賀と甲賀は不戦の条約が交わされているものの、過去のとある出来事がきっかけで非常に憎しみあっていました。

しかしあるとき徳川家康が世継ぎを選ぶ際、特殊能力を持った甲賀・伊賀の両10名の忍者達を戦わせ、最後に残った一人が伊賀側の忍びであれば竹千代を、甲賀側の忍びであれば国千代を跡継ぎにしようと計画し、伊賀と甲賀の不戦の条約を解いてしまいます。

甲賀の次期頭領・甲賀弦之介と伊賀の次期頭領・朧の二人は恋仲で、伊賀・甲賀の和睦の架け橋となろうとしていた直前に不戦の約定が解かれ、二人は死闘に巻き込まれていきます。
死闘の果ての伊賀・甲賀の忍達、弦之介と朧の行く末は…。

【個人的な感想・評価】
■忍者達の持つ特殊能力が面白い。
この作品に登場する忍び達はそれぞれ特殊能力を持っています。例えば蜘蛛のように壁を這いまわり、舌から粘液を出したり、毛髪を自由自在に操り攻撃したりと人間離れした能力を持っています。戦う相手によって能力の相性があるので、相手によっては簡単に勝てても、また違う能力を持つ相手には負けてしまったり、「そうきたか!」と唸らせるような設定になっていてそこに面白さを感じました。当然主役の弦之介と朧にも特殊な能力が備わっていますが、他の忍者達とは別格のものです。そのあたりはぜひ本編をご覧になってみてください。

■人の心の揺れが丁寧に描かれている
この作品はバトルだけではなく、戦いの中での家族への想い、仲間・恋人への想いなど、人から人への想いが丁寧に描かれていると思います。もともと憎みあっていた為喜んで戦いに身を投じていく忍び達ですが、戦いの中で相手の心に触れて感じ入るところがあったりする忍びがいたり、弦之介と戦うことに苦しむ朧を優しく支える忍がいたりと、登場人物達に血の通った人間らしさを感じることができます。人間離れした技を持っていても彼らは「人」なんだと感じました。しっかり「人」を描くことのできるアニメ作品は本当に素晴らしいと思います。

■弦之介と朧の想い
この二人はほかの忍びと違い、伊賀と甲賀の長い憎みあいに終止符を打ち、両組織の和睦を強く願っていました。そのさなかに戦いに巻き込まれていってしまい、その中で想いあう二人の姿に心が打たれます。大きな力の前での二人がどのように運命を辿っていくかが最大の見どころだと思います。

■最後に
上記にも記した通りこのアニメ作品は人間の気持ちの機敏が細かく描かれていて、普段アニメを観ないような大人の視聴にも耐えうる作品だと思っています。2005年作品のため少し時代を感じさせはしますが、丁寧な作画でバトルシーンも迫力があって圧巻です。
後世にも残したいと思わせるような名作ですので、是非ご覧になってみてください。

バジリスク〜甲賀忍法帖〜 / Basilisk
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悲しくも熱い忍法合戦バジリスクの見どころ

バジリスクというとよくスロットのほうが有名だったりするのですがこの作品は原作が本当に素晴らしい作品なので是非見て欲しいです。全24話からなる作品で、簡単なあらすじを説明すると、昔から深い因縁がある甲賀と伊賀がついに和睦を果たそうとしているときにその当時の江戸幕府の後継ぎ争いに巻き込まれてしまい、平和が訪れそうになっていた両者どちらかが勝つまで命がけの忍法合戦をするという非常に悲しい作品です。とりあえずメインの登場人物がほぼ全員死んでしまうという衝撃的な中身なんですけど、そこには例えば敵味方に恋人同士がなってしまったりなど本当に悲しいシーンが多くて何度涙を流してしまったかわかりません。感動的なシーンが多い中で幼少期のほっこりするような場面や少しお笑いのシーンなどが組み込まれておりあっという間に見終わってしまいます。個人的に最高に盛り上がったのがお互いのリーダー格の甲賀弦之介と薬師寺典膳の一騎討ちなのですが、いまだに何度見ても涙が出ます。最後お互いのリーダーの朧と弦之介は現世では結ばれず相討ちして死んでしまいます。私はあまりバッドエンドは好きではないのですけど、この作品だけは終わり方があまりにもき綺麗すぎて何度見ても飽きないです。是非皆さんにもおすすめしたい作品です!

バジリスク〜甲賀忍法帖〜 / Basilisk
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バトルアニメだと思わずに見てください

徳川家の跡継ぎを決めるため、甲賀・伊賀の忍者たちが忍法合戦を行っていくストーリー。
手足が伸びる忍法や、女忍者による色仕掛けでの殺戮、人間離れした技が目まぐるしく繰り広げられ、緊迫したムードでバトルが繰り広げられていきます。
初めはただのバトル系のアニメと決めつけて見ていました。しかしながら、バトルの中に散りばめられている複雑な人間関係もまた、ストーリーに奥行きを与えてくれます。
特に、甲賀・伊賀の頭領の子供同士が、密かに愛を結び、長年の宿敵である両家を結びつけるカギとなっていたにも関わらず、戦わなければいけない運命となってしまう部分が切なく、またその運命を受け入れながら、どのように立ち振る舞うか、とても目が離せられません。
また、同じ里のなかに愛する者がいる忍もいます。彼ら(彼女ら)の愛する者の死を受け入れ戦っていく姿に、「悪」とは一体何なのか、現代の戦争でも兵士には愛する者がいるのではないか、と深く考えさせられます。
少しグロテスクな表現等あり、小さいお子さんに見せることは困難かと思いますが、「人間性」を育むにも、おすすめのアニメかと思いますので、ぜひご視聴してみてはいかがでしょうか。

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