パシフィック・リム / Pacific Rim

パシフィック・リム / Pacific Rim

日本のマンガやアニメ、特撮作品への造詣も深いギレルモ・デル・トロ監督による2013年公開のアメリカ映画。巨大怪獣と人型巨大ロボットとの戦いを圧倒的スケールで描き出したSFアクション超大作。太平洋の海底から巨大怪獣が現れ、全世界の大都市を襲撃する。人類滅亡の危機を救うため、名パイロットのローリーと日本人研究者の森マコがペアとなって操縦する人型巨大ロボット"イェーガー"で、怪獣に立ち向かう姿を描く。

パシフィック・リム / Pacific Rimのレビュー・評価・感想

パシフィック・リム / Pacific Rim
7

王道的面白さ

悪くなっていく状況に抗い、成功するという映画の王道のような作品です。
今作の悪くなっていくことの1つ目は、怪獣の出現頻度が増していくこと。2つ目は、世界政府が何故か対怪獣用ロボットの生産運用をやめてしまう、ということです。
そんな危機的状況の中で、レジスタンスだけが残り、少数精鋭部隊が活躍し、最終的に世界は平和になった、というハリウッドらしいお話です。
野球で例えるなら、9回裏のサヨナラ逆転ホームランで負け確定のチームが勝利する感覚でしょうか。
数の力というより、個人の力で変えていく力強さがあります。大逆転勝利、いつもギリギリになって成功していくお話は胸が熱くなります。しかし、いつもそんな展開で話が進んでいくことに慣れてきてしまうこともなくはないでしょう。そのようなときには、すこしだけ映画から離れても良いのかもしれません。
筆者自身、映画から離れた事があり、そんなときに思ったのが、「飽き飽きした」からです。とはいえ、久しぶりに映画館に言ってみたらば、それでもやっぱり面白いな、と思いました。かつて映画ファンだった人たちも、最近見てないなと思った人たちも、映画館に言ってみたら、案外面白いなぁと、思うのではないでしょうか。

パシフィック・リム / Pacific Rim
9

監督の愛がこもった迫力のロボットアクション!

数多くの作品を手がけ、生粋の特撮オタクであるとも知られるギレルモ・デル・トロ監督によるロボットアクション。
それがこの「パシフィック・リム」です。
監督自身が「日本のマンガ、ロボット、怪獣映画の伝統を尊重している」と語っており、この作品はまさしく監督の特撮愛がつまったものとなっています。
まずなによりの醍醐味は超巨大な怪獣とロボとの迫力満点のバトルシーンと緊迫したストーリー。
かつては怪獣と戦う超巨大ロボ「イェーガー」のパイロットでしたが、ともに戦っていた兄を失ったことで前線を退いていた主人公。
菊池凛子さんが演じるヒロインとともにかつては去った戦いの場へと戻り、世界の行末をかけた「怪獣」との戦いに巻き込まれていきます。
戦いが進む度に強力になっていく怪獣を前に果たして人類に勝機はあるのでしょうか。
手に汗にぎる展開と映像は特撮になじみのない方でもついついのめり込んでしまうはずです。
特にアクション映画やヒーロー映画などが好みの方ならきっと満足できる作品になっています。
そして、特撮が好きな方は作品の中にこめられた監督の特撮への愛を感じるとることができるかもしれません。
一度だけでなく見返す度に味わい深くなるこの映画をぜひ見てみてください。

パシフィック・リム / Pacific Rim
8

ギレルモ監督の愛が溢れる!ハリウッドで作られた実写ロボット映画の魅力とは?

映画『パシフィック・リム』とは2013年にアメリカで作られたSF怪獣映画です。監督はアカデミー賞を獲ったこともある、あのギレルモ・デル・トロです。巨匠・ギレルモ監督が制作、指揮したこの『パシフィック・リム』の魅力は何と言っても、監督の日本愛をかなり感じることができる点にあります。ギレルモ監督は幼少期から日本のアニメ作品、『マジンガーZ』や『ウルトラマン』をみて育った大の日本アニメファンです。そんな監督の愛がこの『パシフィック・リム』に反映されています。例えば、人間が乗る人型ロボット、通称イェーガー(ドイツ語で”狩人”)と対峙するのは、忽然と姿を現わす超巨大モンスターです。しかし、この映画ではモンスターのことを日本語のように、”KAIJU”と呼んでおり、日本アニメへのリスペクトを感じます。さらには、主人公が乗るアメリカ機、”ジプシー・デンジャー”の必殺技の1つに”エルボーロケット”、という肘のジェット推進装置を利用した高速パンチがあります。ほとんどの日本人なら聞いたことがある、あの有名アニメ『マジンガーZ』の”ロケットパンチ”をどこか彷彿とさせます。現に、日本語吹き替え版だと”エルボーロケット”は”ロケットパンチ”に変更になっていて、オマージュなのではないかと観ている人たちをニヤリとさせます。このように、映画の随所でギレルモ監督の日本アニメへの愛とリスペクトを感じることができます。例えハリウッドで作られたSF映画だとしても、どこか日本っぽさを感じることができ、いつでも童心に返ることができる素晴らしい作品です。

パシフィック・リム / Pacific Rim
10

2013年全世界のオタクが歓喜する映画がハリウッドで産まれた!ギレルモデルトロ監督による製作費200億円をかけたSF映画

2013年太平洋の深海にある割れ目が異次元に繋がっており、割れ目から怪獣が出現しサンフランシスコを襲う。その強大さに人類の軍隊は為す術もなく、大きな被害がでてしまう。
軍は核兵器を使用しなんとか怪獣を撃退するが、次々に新たな怪獣が現れ世界各地を襲撃。一方人類は科学技術の全てを投入し人型強大兵器「イェーガー」を開発した。
イェーガーの登場で怪獣に優位な立場になった人類ではあったが、ある時かつてない強さの怪獣が現れ徐々に人類は劣勢に立たせられていく…。世界に残ったイェーガーは残り4機、今人類の最後の抵抗が開始される。

こちらの映画は子供の頃に『ゴジラ』や『ガメラ』、『ウルトラマン』などを見て育った世代なら一度は考えた事がある、「ハリウッドが本気で怪獣が出てくる特撮映画を作ったらどうなる?」を本当に作ってくれた映画です。巨大ロボットや怪獣など監督自身が日本の特撮物に精通しており、オタク達も「わかってるなこの監督!」と賞賛した程、全てにおいてこだわり抜いた作品になっております。

作品に出てくるイェーガーはどこかレトロで、『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』などの影響を受けていて、決してスタイリッシュではなくカッコよくはないのですがそこがいい、CGを使用しロボットの重量感のある挙動、アクションを見事に描いております。
作中ロケットパンチの様な物(実際は腕についたジェットエンジンの力を使って殴る)など、日本人の私達ならニヤリと思うシーンも満載。

怪獣もアメリカナイズされてはいますが、魅力的な巨大怪獣が沢山出てきます。
この怪獣達も悪役ながら、ある意味で主役級の人気でバルタン星人の様な愛嬌ある印象です。

日本語吹き替えにもこだわっており、主人公の吹き替えは杉田智和、ヒロインは林原めぐみ。
その他に古谷徹、池田秀一、三ツ矢雄二 などベテランで大人気のSFアニメ声優のオールスター!吹き替えの出来は秀逸です。

まさに怪獣プロレス!
子供の頃にお父さんに連れて行ってもらって映画館で興奮しながら見ていた特撮映画!あの懐かしい感覚と最新の映像技術で作られた特撮を体験していただけたらと思います。

パシフィック・リム / Pacific Rim
8

タイトルなし

2013年公開のSF大作です。続編もあります。
本作の特徴は、何といっても人類が開発した巨大ロボット「イエーガー」と、名称も文字どおり「怪獣」と呼ばれる巨大生命体によるド派手なバトルが見どころとなっています。
マジンガーZやガンダムといったロボットアニメと、怪獣映画をミックスさせたような所謂「オタク」が喜びそうな内容ですが、それもその筈、監督を担当したギレルモ・デルトロ氏は日本のそうしたコンテンツに心底惚れており、ハリウッドの巨費を投じてリスペクトをした作品を世に送り出したのだから、なんとも頭が上がりません。
ストーリー自体は、怪獣との戦いで兄を失った主人公が再び立ち上がるまでを描いたスポコン的なシンプルなものですが、それ以上に国内の特撮ファンからは怪獣映画が枯渇していた現状だったゆえ、喝采をもって迎えられることになりました。また、本作を皮切りに制作会社のレジェンダリー・ピクチャーズはアメリカ版ゴジラやキングコングなど、新作の怪獣映画を連作し、現在洋画関係はちょっとした怪獣映画ブームの兆しになっているのがいち特撮ファンとしては誠に喜ばしい限りです。