ハイスコアガール / High Score Girl

ハイスコアガール / High Score Girl

『ハイスコアガール』は、押切蓮介によって連載されている漫画作品。ゲーマーである主人公ハルオの視点でゲームの歴史を丁寧かつ楽しく描いている。小学生時代の前半はゲームを中心としたコメディ展開が多いが、高校生に近づくにつれて恋愛描写やシリアスな展開が起きる。しかしながら全編に渡って散りばめられたコメディ要素は読者とクスリとさせてくれ、決して疲れさせることはない。

ハイスコアガール / High Score Girlのレビュー・評価・感想

ハイスコアガール / High Score Girl
9

懐かしいのに新しいムズムズ作品

奇才・押切蓮介が描く青春コメディゲーム漫画。ゲームセンターが不良の溜まり場と言われる時代の物語。ゲームの大好きな主人公の矢口春雄が、ゲームセンターで同じクラスのお嬢様、大野晶と出会い、対戦し、そして負ける事からストーリーは動き始める。この漫画の何が面白いか。それは主人公の成長はゲームの歴史と言っても過言ではないくらいにリンクしていき、その時代時代のゲームキャラが主人公と一緒になって物語を色付けてくれるところだろう(そのせいで連載がストップしてしまう事件になってしまうのだが、それはまた別の話)。
また、この漫画は恋愛ストーリーも大きな軸となっている。ヒロインの大野晶とのストーリーもそうだが、日高小春との恋愛ストーリーも十分に作り込まれており、見ていてなんか懐かしい気持ちになったかと思えば、ヤキモキしたり、悲しい気持ちになったりととにかく気持ちが忙しい。
既に完結しており、詳しい話はネタバレになってしまうので、伏せてはおくが完結10巻と比較的短いながらも読み応えは十分な作品で、特に小学生の時にはゲームばかりして遊んでたインドア少年だった30代男性には是非オススメしたい、懐かしさと見たことのない真新しさを同時に味わう事の出来る両作品となっている。

ハイスコアガール / High Score Girl
8

ゲーセン全盛期のボーイミーツガール

この『ハイスコアガール』、アニメ化を機に知ったがアニメ放送時はリアルタイムで観ていなかった。
何となくゲーム好きな男女がラブラブゲームするだけのアニメなんだろうなという印象しかなかったからだ。
しかし、ひょんなきっかけからアニメの前半部分の話(5話とか6話あたりだろうか)を観る機会があり、良い意味で印象は裏切られた。
まず時代設定が1980年代後半からのゲーセン登場から全盛期あたりだったのだ。まずここで既に心を奪われた。
自分はドンピシャの世代というわけではなかったが、やはりどこか懐かしい雰囲気はビシビシ伝わってきた。
そして主人公とヒロインの関係性も非常に面白い。
もちろん主人公ハルオはゲーム大好き。特に格闘ゲームが好きなようで界隈では腕の立つゲーマーとして認知されるような少年なのだが、ヒロインのアキラは成績優秀にして美人な良家のお嬢様なのに、なんとハルオよりも格闘ゲームが強くゲーセンに来ている他のゲーマー達をも驚かせるほどだったのだ。
仲良くラブラブ一緒にゲームするどころか、ハルオはアキラに対し対抗心剥き出しで挑むような展開へとなっていく。
そしてヒロインアキラは、作中では一言も喋らず表情などで感情を示唆するキャラなのだが、これがまた良い。
ここまで喋らずとも感情を表すキャラクターを私は知らないし、最初はその設定で大丈夫なのだろうかと思ったが、数話見るうちに、それでこそアキラであり魅力なのだと気付けた。
また中学に上がる前にアキラは親の都合で海外へ引っ越してしまうが、ハルオは中学に上がっても、いつかアキラと再戦できる日の為に特訓を続けていた。
そんなハルオの前に日高という女の子が現れ…といった内容で、私自身これまで観たラブコメの中で最も好きだと言っていいほど良くまとまった作品でした。

ハイスコアガール / High Score Girl
9

ハイスコアガール オススメマンガです

『ハイスコアガール』のマンガ版です。
アニメもやっていたけど、原作をけずっているところがけっこうあるのでマンガの方を読むことをおすすめします。
30代、40代のゲーム好き、特に格闘ゲーム好きなら懐かしく楽しめるかと思います。
主人公ハルオ、大野晶、日高小春のゲームにまつわる三角関係の物語。小学生から高校生までのお話です。
1巻の小学生編が面白く感じたら、そのあとも楽しめると思います。絵がかなり個性的です。

『ストリートファイター2』というゲームをはじめ、他にも懐かしいゲームがいっぱい登場します。
ハルオと大野はゲーマーとしてのライバルであり、おたがい気になっている関係です。そして大野はなぜか一言もしゃべらない。それでも考えていることを察するハルオとのゲーム談義が楽しそうで好きな場面でした。
ハルオと大野はいろんな障害で、すれ違いが続きます。
印象的なのが、『RPGツクール』でハルオが作った世界でひとつのゲームを大野の先生が捨ててしまった所です。これには大野も怒り心頭。無言の圧力。
でもそれがきっかけで先生の態度もゆるやかになっていきます。

2020年3月からビッグガンガンでハイスコアガールの続編が連載されています。
なんとハルオに振られた日高小春が主役です。28歳で中学教師をやっています。
日高は作中でかわいそうだったので続編で主役になったのはうれしいです。
ハルオと大野はその時どうしてるのか。続きが気になります。

ハイスコアガール / High Score Girl
9

格闘ゲームから始まる恋愛漫画 30代以上の方ならハマること間違いなし!

80年代~90年代の格ゲー、ゲーセン大ブームの時期に青春を過ごした少年と、その少年にゲームを通して惹かれていく少女たちを描いたゲーム&恋愛漫画。
ストリートファイターや餓狼伝説など、30代以上の人間なら一度は必ず名前を聞いたことのあるタイトルが次々に登場するので、当時に同じようにゲームに明け暮れていた人間にとってはかなり懐かしい内容となります。

漫画の要所要所で例えばガイルなどのキャラクターが「このままだとお前と彼女は離れ離れになる。それでいいのか?行け!走れ!」と応援してくれるのも味があって感動します。
ただ、ゲーム好きの主人公(矢口くん)に好意を寄せている女の子(日高さん)の恋愛感情に一切気が付かず、何コンボ繋いだとか、次はどんなタイトルが発売されるか、とゲームの事ばかり考えている矢口くんには多少モヤモヤします。日高さんにはもっといい相手がいるよ、と言いたくなってしまうのは我々読者の視点ですが、当人たちはゲームにも恋愛にも脇見せずに一生懸命な所がまたグッときます。
ちなみに矢口くんには小学校の時からの格ゲー仲間の女の子(大野さん)もいて、彼女は永遠のライバルかつ越えられない壁でもあり、ちょっとドキドキする相手なので……この格ゲーを通した三角関係の行方は見逃せません。