超時空要塞マクロス / Super Dimension Fortress Macross

『超時空要塞マクロス』とは、タツノコプロ・アニメフレンド制作の日本のロボットアニメである。TBS系列で1982年10月3日から1983年6月26日まで全36話放送された。「超時空シリーズ」と「マクロスシリーズ」の記念すべき第一作。
異星人との戦争を描くSFアニメだが、一話を通して主人公が出撃しない、戦闘シーンがないといった回が珍しくなく、主人公の三角関係という恋愛ドラマを主軸とした当時としては異色の戦争もののロボットアニメである。
SF、ラブコメ、アイドルといった1980年代の若者文化の流行をちりばめた独特の作風が特徴である。当初は全23話の予定であったが、ファンの支持や関連商品の売り上げが高かったこともあり、13話分の延長が決定され全36話となった。さらに放送終了から翌年の1984年に劇場作品『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』が制作されて大人気となった。
劇場作品が人気を決定づけたため、その後も本作のスタッフが制作に携わって、世界観と基本要素を継承する形で「マクロスシリーズ」としてシリーズ化した。

超時空要塞マクロス / Super Dimension Fortress Macrossのレビュー・評価・感想

超時空要塞マクロス / Super Dimension Fortress Macross
9

「愛・おぼえていますか」を、おぼえていますか?

「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」は、1984年に公開されました。テレビアニメーション作品「超時空要塞マクロス」の劇場版ですが、テレビ版とは設定が違うので全く新しいマクロスとして楽しむことができます。男のゼントラーディ人と女のメルトランディ人、両軍の星間戦争に巻き込まれた地球から脱出した超巨大宇宙戦艦「マクロス」が、艦内に避難した58000人の民間人と共に地球に帰還するまでを描いています。そんな中、デビューしたアイドル「リン・ミンメイ」が、ゼントラーディとメルトランディが戦争を始めるより前の、古代に制作されていた流行歌『愛・おぼえていますか』を歌うことによって、両軍の潜在意識に残っていた「デカルチャー=文化」に訴えかけ、戦争を終結へと導きます。なぜ男と女で戦争が始まったのかは分かりませんが、クローン技術が発達しすぎて男だけでも女だけでも繁栄ができるほどになってしまい、男と女の「愛」という文化が忘れさられてしまったために起こった悲劇なのだと思います。そして、それを思い出させてくれた『愛・おぼえていますか』を聴くたびに、僕は涙目になってしまうのです。もうひとりぼっちじゃない、あなたがいるから。

超時空要塞マクロス / Super Dimension Fortress Macross
8

オタクカルチャーの創世記 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

2020年現在も根強い人気のマクロスシリーズ、その歴史はアニメ超時空要塞マクロスからはじまりました。
超時空要塞マクロスを解りやすくかつパワーアップさせたのが、映画超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますかです。マクロスフロンティアやシンフォギアなどアニメのキャラクターが歌を歌い、現実世界にまで実在するかのような活動をする形態の元祖です。
この映画とても凄いんです。当時アニメとしては破格の4億ごえの映画制作費を使用し、配給収入7億円。作中のヒロイン リン・ミンメイ役が歌う愛おぼえてますかは最高ORICONチャート7位。ヒロイン リン・ミンメイ役飯島真理さんも作中のキャラクターと同一視され大人気になりました。
当時まだまだオタクカルチャーはマイナーだったなかで、とてつもない快挙でした。因みに当時のマクロスを取り上げた雑誌をみてみると新しいアニメの楽しみかたとしてキャラクターのコスプレをした人が取り上げられていました。コスプレのはじまりもこの時期だったんですね。この雑誌に同時掲載されていたキャラクター人気投票で今では伝説の歌姫となったリン・ミンメイよりも早瀬未沙が人気でした。
アニメ、映画で主人公輝が選ぶのは未沙でしたね。

超時空要塞マクロス / Super Dimension Fortress Macross
10

ロボットアニメに歌を導入し成功させた画期的な劇場版。

宇宙要塞マクロスと身長10mを超えるゼントラーディ軍の戦闘は続く。
彼らは文化を知らない戦闘民族。
しかし地球に残った古代遺跡に残された先住民族プロト・カルチャーの情報から遺伝子的には地球人類とほぼ同じ事が判明。
そして遺跡で発見されたプレートに刻まれた歌詞。
それは遠い昔に流行った、当たり前のラブソング。
翻訳された歌詞を元にマクロスのアイドル、リン・ミンメイの声が全宇宙に響き渡る。
すると文化に目覚めたゼントラー人とマクロスが本敵のボドルザーを倒すのだった。
その歌のタイトルは「愛・おぼえていますか」
歌手は飯島真理。
ミンメイ役として声優も務め、今でいう2.5次元の先駆け的な存在であった。
その後、昭和、平成と30年続くマクロスシリーズでも多くの歌手にカバーされている名曲だ。
その支持は未だ健在で、2019年にNHK・BSで放送された「全マクロス大投票」の歌部門で投票第1位を獲得。
本放送ではロス在住の飯島真理がサプライズで来日出演して生歌を披露するなど、ゲストと視聴者に嬉しいサプライズを与えてくれた。
ちなみに劇場でミンメイが歌ったのは俗に言うロングバージョンで、当時のレコードには長すぎて収録できず間奏を短縮し4分バージョンにアレンジされている。