最終兵器彼女 / 最彼 / サイカノ / The last love song on this little planet. / She, The Ultimate Weapon

最終兵器彼女 / 最彼 / サイカノ / The last love song on this little planet. / She, The Ultimate Weapon

『最終兵器彼女』とは1999年より高橋しんが「ビックコミックスピリッツ」で連載していたSF青年漫画、およびそれを原作としたアニメ作品、または映画作品である。累計総発行部数は400万部を記録しており、セカイ系漫画の先駆けとされている。SF×純愛をテーマとしておりキャッチコピーは「この星で一番最後のラブストーリー」である。主人公のシュウジとちせは北海道に住む高校生。しかしちせが「最終兵器」として戦場に行くことに。それでもシュウジとちせは互いに愛し続けた。

最終兵器彼女 / 最彼 / サイカノ / The last love song on this little planet. / She, The Ultimate Weaponのレビュー・評価・感想

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最終兵器彼女 / 最彼 / サイカノ / The last love song on this little planet. / She, The Ultimate Weapon
10

心を打つ名作・最終兵器彼女とは

最終兵器彼女の舞台は北海道です。高校に通う主人公のシュウジは同年代のちせに告白され、恋人になります。
ですが、ある日主人公たちの町が空襲に会い…そこで見たのは腕にはガトリングがついており、背中には羽が生えていて、傷だらけになった彼女のちせなのでした…
この時点ですでに心をえぐる内容になっています…
それは、せっかく彼女になったちせが最終兵器として謎の敵と戦わされることになるのです。
そしてこのアニメで注目してほしいのが、町が、そして主人公たちの生活が、徐々にはかなく、そしてむなしくなっていることだということです。
今の我々は戦争にも直面していないため、この平和な日々が永遠に続くと思っているのですが、この作品はシュウジの近くにあるものが次々と戦争という絵具によって塗り替えられていきます。
ここが最終兵器彼女が自信を持ってお勧めできるポイントでもあり、戦争に突入した世界観での高校生の思考、その他の感情がとても繊細に、そしてリアルに描き出されているということです。
そこには我々が経験したことのない新鮮なものになるでしょう。
そして、もう一つは最終兵器と化した彼女との主人公シュウジの付き合い方です。
最終兵器という以上は日本を守るための最終兵器ですので戦地に戦いに行かなければなりません。
そのため、シュウジとはコミュニケーションも取れず、イチャイチャすることもできない。
それでもシュウジとチセは彼を、そして彼女を思い続けます。
その戦争という状況になりながらも、愛し続けるという二人の行動を見ると、とても心がほっこりした気持ちになります。
そして、それと同時に今ある幸せをかみしめることのできる作品です。

最終兵器彼女 / 最彼 / サイカノ / The last love song on this little planet. / She, The Ultimate Weapon
8

シリアス×恋愛が好きな方にはお勧め

端的に言うと、主人公シュウジの彼女チセが唐突に最終兵器にされてしまいます。
この作品内の時代は現代ですが、日本は世界の国々と戦争をしています。その中で、日本は最終兵器を作り出して各国に対抗しようと考えます。そして最終兵器は人体を改造するものであり、その適性に合ったのがチセでした。物語が進むにつれて、最終兵器としての力が強まってきて性格も変わっていってしまうチセ。シュウジは、変わっていくチセをどうすればいいのかと思い悩み、チセは最終兵器として変わっていく自分のことを嫌いになってしまう。戦いのさなかに、二人の心がすれ違ったりする場面がリアルにあらわされています。
シリアスなシーンが多いですがその中で二人がお互いのことを思いあっているシーンが適度に描かれているのがよいと思いました。人が沢山死ぬので、そういった物語が苦手な方にはお勧めできませんが、その分戦争の恐ろしさや悲しみが深く伝わります。キャラクター、一人一人、それぞれ設定もしっかりとしているので、主人公だけでなくほかの登場キャラからの視点から見た戦争に対する考えを知ることができます。たくさんアニメを見てきましたが、この作品には心に大きく響くものがあると思いました。シリアスが平気、恋愛物が好きで、感動する作品を見てみたいという方にはぜひおすすめです。