クリスティーナ・アギレラ / Christina Aguilera

クリスティーナ・アギレラ / Christina Aguilera

クリスティーナ・アギレラとは、アメリカのシンガーソングライター。アメリカの雑誌ローリング・ストーンが2008年に選出した「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において58位を獲得している。デビュー前から音楽活動をしていた。1999年に発売されたデビューアルバム「クリスティーナ・アギレラ」が14,000,000枚を売り上げる大ヒットを記録。一躍スターとなった。

クリスティーナ・アギレラ / Christina Aguileraのレビュー・評価・感想

クリスティーナ・アギレラ / Christina Aguilera
10

多彩な歌声

アメリカの番組、ミッキーマウスクラブ出身(同時期にはブリトニースピアーズ、ジャスティンティンバ―レイクなどが在籍。)
デビュー前にディズニーアニメの映画「ムーラン」の主題歌アーティストに大抜擢。
主人公ムーランのせつない感情をバラードにのってしっとり歌い上げる。
彼女の魅力は何といっても力強い歌唱力と、歌えるジャンルの幅。
デビューは1999年「Christina Aguilera」のアルバムをリリース。このころはポップでかわいらしい印象。
次のアルバム「Stripped」ではこれまでのアイドル路線をガラッと変える大人びた激しい強い女性の雰囲気を醸し出す。
続いてのアルバム「Back To Basics」では1920年代から1950年代の当時のサウンドをメインに古き良き昔のアメリカのサウンドを再現。
「Bionic」では機械的な無機質な歌声。
2010年には自身主演で映画にも出演し惜しみなく歌唱力を発揮している。

‥というように彼女の出すアルバムはすべてのサウンドのジャンルの幅が多岐にわたり、
しかもそれらを彼女は力強く、時には妖艶、無機質な歌唱力で歌い上げる。
この世に歌唱力が抜群のアーティストはごまんといるが、これだけのジャンルの違いを歌い分ける歌手はなかなかいないだろう。

クリスティーナ・アギレラ / Christina Aguilera
9

自分らしさを失わない。芯の強さが魅力!

ビヨンセやブリトニー・スピアーズなど、ビッグスターが並ぶ同世代のアーティストの中でも、我が道を行っている感があるクリスティーナ・アギレラ。HIP HOPのビートやEDMのダンスチューンなど、その時代の流行に合わせた音をしっかりと押さえながらも、世間に媚びすぎることのない、自分らしさを確立している芯の強さが魅力です。

アメリカ人にしては小柄な体型ながらも、歌声はパワフルで、聴き入らせる力を持っています。HIP HOPのビートを難なく乗りこなせるところは、ブリトニー・スピアーズとも通じるところがありますが、クリスティーナ・アギレラにはより一層、魂のこもったソウルを感じられるので、単なるポップスとして聴き流す以上に、心に響くものがあるのが特徴です。そしてそこにロックのエッセンスが加わり、パンチのある歌を聴かせてくれます。またジャズ調のバラードも歌いこなし、渋い哀愁を表現した歌は見事で、「この人は本当に何でも歌えるんだな」と感心させられました。

どんな曲でも「クリスティーナ・アギレラ」であり続け、自分を表現できるというのは、内面に確固たるものを持っている証拠でしょう。ジャンルの垣根を越えて活躍するアーティストというのは、大抵タフであり、どんな曲調も自分のものにできるだけのしっかりとしたアイデンティティが確立されているように思います。そういった芯の強さがクリスティーナ・アギレラにもあることは間違いありません。

ブレない、媚びない、クールな佇まいが格好良くもあり、それでいて熱いハートのある稀有なポップスター。クリスティーナ・アギレラの歌には、自分と向き合う勇気が込められているように思えます。